丸太風呂から秘境の絶景!奥鬼怒「こまゆみの里」で緑のシャワー浴びまくり

丸太風呂から秘境の絶景!奥鬼怒「こまゆみの里」で緑のシャワー浴びまくり

更新日:2015/07/16 18:02

野水 綾乃のプロフィール写真 野水 綾乃 温泉旅ライター、ひとり湯治愛好家、栃木のいいとこ案内人
"関東最後の秘境"といわれる栃木県の奥鬼怒温泉郷。その入口近く、自家用車で行ける最後のところに、平家平温泉の一軒宿「御宿 こまゆみの里」はあります。奥鬼怒の原生林から切り出された銘木の宿として知られ、天然木の丸太をくり抜いた丸太風呂も名物。ひとりサイズの丸太風呂にゆっくり身を沈め、目の前に広がる秘境の絶景を静かに眺めれば、心が洗われること間違いなし!

平家落人伝説が伝わる深山幽谷の地

平家落人伝説が伝わる深山幽谷の地

写真:野水 綾乃

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平家平温泉「御宿 こまゆみの里」へは鬼怒川温泉駅で下車し、市営バスで1時間30分。
鬼怒川温泉街を抜け、どんどん山を分け入り、川治温泉、川俣温泉を抜けたところにある一軒宿です。

木の温もりあふれたロビーに、宿名の「こまゆみの里」の由来が書かれています。

このあたりは、同じ日光市内の湯西川温泉とともに、平家の落人伝説で有名なところ。戦いに敗れたとはいえ、一族の平家再興の夢は消えず、常に文武両道の研鑽に励んでいたといいます。群生していたマユミの原木で弓を作り、駒にまたがって弓の修練を行っていたことから、いつしかこの地のことを「平家平 駒弓(へいけだいら こまゆみ)」と呼ぶように。

今も宿の周囲に広がる山深き自然が、その歴史を雄弁に語っているかのようです。

森林浴気分の混浴露天風呂

森林浴気分の混浴露天風呂

写真:野水 綾乃

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長い渡り廊下と階段を下った先に広がるのが混浴露天風呂。周囲を森の木々が取り囲んでいて、緑のシャワーがまぶしいぐらいに降り注ぎます。

お湯は無色透明のナトリウム-塩化物泉で、湯の中には白と茶色の細かな湯の花がふわふわとたくさん舞っています。混浴で透明なお湯だと女性は躊躇されるかもしれませんが、バスタオル巻きや湯浴み着の着用がOKなので、比較的入りやすいと思います。

丸太風呂から眺める山々。ひとり、無心になれるとき

丸太風呂から眺める山々。ひとり、無心になれるとき

写真:野水 綾乃

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混浴露天には、直径1mの栃の木をくり抜いた丸太風呂が3つ点在しています。いちばん景色のよい写真の丸太風呂があるのは、崖の上のような場所。目の前には緑をたたえた奥鬼怒の山々が広がり、眼下には鬼怒川のゆるやかな流れが見渡せます。聞こえるのは、川音と鳥たちの声だけ。ひとり、丸太風呂に浸かって眺める秘境の自然は、心をからっぽにしてくれます。

女性専用の露天風呂も眺望バツグン

女性専用の露天風呂も眺望バツグン

写真:野水 綾乃

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女性専用の露天風呂にもゆったり入れる檜風呂と2つの丸太風呂が用意されています。こちらも鬼怒川の清らかな流れが眼下に見渡せます。気兼ねなく裸で浸かることができますし、2か所の露天風呂が楽しめるのは女性だけの特権ですので、ちょっぴり得した気分。

かつての露天風呂に秘められた震災の記憶

かつての露天風呂に秘められた震災の記憶

写真:野水 綾乃

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男女別の内湯は、元々、露天風呂でした。

2013年2月25日の日光地震。被害は局地的で、こまゆみの里ともう一軒の旅館だけ、休業を余儀なくされました。

地震で元の内湯が使えなくなり、露天風呂に屋根をかけて新しくしたのが現在の内湯です。野趣あふれる大きな岩の湯船が露天風呂だったころの名残を感じさせます。

地震直後は旅館の命である温泉にも変化があったと言います。一時、35℃まで湯温が下がり、湯の色も乳白色に。現在は温泉が濁ることもなくなり、温度はむしろ地震以前よりも上がったそうで、冬も露天風呂に入りやすくなったとのこと。もしかしたら二度と入れなくなってしまっていたかもしれない温泉、そう思うとありがたみが一層身に染みて感じます。

最後に

いかがでしたでしょうか。360℃に広がる鮮やかな山々の緑は、夏が過ぎて秋になれば、錦絵巻のような鮮やかな紅葉に変わります。冬の雪見風呂もまた乙なもの。その時々の美しさを見せる深山の自然の中で、心ゆくまで湯三昧できる宿です。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2015/07/07 訪問

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