写真:渡部 洋一
地図を見る旧グラバー住宅を建てたトーマス・ブレーク・グラバーは、若くして幕末の日本へと渡ったイギリス商人です。炭坑や製鉄業で財を成したグラバーは、実は武器商人としての顔も持ち合わせていました。坂本龍馬や後藤象二郎などをはじめ、多くの志士たちと交流を持ち裏で支えていたとされ、数々の大河ドラマでも描かれる幕末史の超重要人物です。
写真は、グラバー園内のグラバー邸の側に立つ、「トーマス・ブレーク・グラバー之像」。事業に成功した後も日本を愛し続け、日本で家族を作り日本でその生涯を終えた男の勇姿を象った見事な銅像です。
写真:渡部 洋一
地図を見る長崎を代表する観光名所グラバー園。その中でも最大の目玉と言えば、園名にもその名が用いられる美しき洋館・旧グラバー住宅(グラバー邸)です。文久3年(1863年)、まさに幕末の動乱期の建築で、現存する日本最古の木造洋風住宅として昭和36年には国の重要文化財に指定されています。
そして2015年7月5日、「九州・山口の近代化産業遺産群」の構成資産の一つとして世界遺産への登録が決定し、世界が認める人類の宝となりました。異国情緒に溢れ、おしゃれな洋館の建ち並ぶ長崎の街のシンボルとも言えるグラバー邸は、今後ますます注目される存在となるでしょう。
写真:渡部 洋一
地図を見る日本最古の木造洋風住宅・旧グラバー住宅で是非とも見ておきたいのが、広く開放的なベランダです。広い軒によって陽射しを遮り、床の石を少し傾けることで、水はけの良い作りとなっています。
このベランダの様式は「コロニアルスタイル」と呼ばれ、寒冷なヨーロッパから来た西洋人がアジアの暑さから逃れるため、陽射しを遮り風通しを確保するための工夫が施されています。このベランダで感じる長崎の光と風を、グラバーは愛したのかもしれません。
また、ベランダを覆う屋根には伝統的な日本瓦が用いられており、棟の先端には厄よけの鬼瓦までしつらえてあります。グラバー邸に見る「和洋折衷」の形には、グラバーの日本に対する想いが表れているようです。
写真:渡部 洋一
地図を見るグラバー邸は、もちろん内部を見学することもできます。
室内の壁は明るい白漆喰で、大理石風に見せていると言われています。部屋に置かれた鏡は、外から入った光を拡散し、部屋中に広げる役割を担っていました。暗い室内に慣れた日本人は、グラバー邸の内部の明るさに驚いたと伝えられています。建築によって西洋の力を見せつけることもまた、グラバーの成功に一役買っていたのかもしれません。
写真:渡部 洋一
地図を見る最後に、幕末ロマン漂う必見ポイントをご紹介します。
グラバー邸の廊下の天井にぽっかりと空いた怪しい穴。実はこれ、幕府に追われる志士たちをかくまった隠し部屋であったと言われています。正確な記録が残っているわけではなく、あくまでも噂の域を出ませんが、「もしかしたらこの隠し部屋に坂本龍馬がかくまわれていたのかも」と考えるだけで胸が熱くなってしまいます。はっきりとしているのは、そんな話が伝わる源となるような出来事が、百数十年前、この場所で起こっていたということです。
日本史の大革命、明治維新。躍動する志士たちを武器商人として影で支えた、その舞台となったグラバー邸は、幕末ロマン溢れる歴史ファン必見のスポットでもあるのです。
いかがでしたか?幕末ロマン漂う日本最古の木造洋風住宅「旧グラバー住宅」の見所をご紹介しました。
2014年の富岡製糸場に続き日本で19件目の世界遺産に登録され、今後ますます盛り上がることが予想されるグラバー邸は、長崎を旅行するなら絶対に外せない必見スポット。洋館好きも、歴史ファンも、世界遺産マニアも、一度は訪れたい観光名所です。
グラバー園へのアクセス、入場料、営業時間等の情報は、記事下部にある「MEMO」よりご覧いただけます。
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(2024/4/18更新)
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