大野山を含む北摂地域の山々は、8000万年前の白亜紀には火山活動がさかんで火山灰が溶けて固まってできた溶結凝灰岩や、その火砕流によって取り込まれたさまざまな岩石からなる岩石群の豊富なところです。
山頂付近の、今はアジサイ園やキャンプ場となっている辺りには、かって行基が建てたと伝えられる日光寺跡の礎石が残されていて、これらの巨石に着目し、そこで修行を重ねる山岳修験の場となってきました。
山頂からは、小一時間ですべて辿ることのできる岩めぐりコースも整備されており、足弱の方でも山伏気分を満喫できます。
写真はその岩めぐりのハイライト、太鼓岩。
麓から大野山を目指す方たちにとっては、車道と山道をジグザグに登ってきて途中から岩めぐりコースを楽しみ、この人の顔を想像させる磐座にまで至ると、頂上制覇も目前です。
この巨岩を過ぎるともう丹波の多紀アルプス、明石海峡からのランドマークとして古代より万葉集にも歌われた三田(さんだ)の大船山、また古代豪族の物部氏のセンターとしての羽束山、さらには、その山なみの向こうに瀬戸内海までが望めます。
戦国時代までは28の堂宇を誇った頂上付近の山岳寺院・日光寺跡地では、7月初旬の大野山山開きのイベントとしてあじさい祭が開催されキャンプ場も整備されています。
約50種、16000株の青・赤・白のあじさいが咲き誇る様は実に見事です。
またこのアジサイ園を見下ろす高台には猪名川天文台が2002年4月にオープン。
ドーム内には口径50cmのフォーク式反射望遠鏡、雨天・白昼時でも楽しむことのできるデジタル・プラネタリウムを完備、町の人たちが、天体のドラマを身近に観察できるよう便宜を図っています。
ちびっ子たちの夏休みには「いながわ星まつり」を開催するほか、様々な星の観察会を年間を通じて実施しています。
天文台は、毎週の後半(木・金・土・日)のみ開館(13時30分〜21時30分)ですので、よく確かめてから出かけてください。
写真は大野山頂上三角点から天文台・キャンプ場方面を俯瞰。
頂上からやや下り、岩めぐりコースへ向かう途中には淀川水系の第一級河川「猪名川」の水源地があります。
ここから延々約43.6km、さまざまな細流を巻き込み猪名川町内を貫き、川西市、池田市、伊丹市、豊中市、尼崎市まで流れながれて神崎川に合流し、そののち大阪湾にそそぎこみます。その大河の最初のひとしずくこそがこの石清水なのです。
どうぞ、大野山を訪ねた折には、この場所のチェックをお忘れなく。
しかしこの大野山の魅力は、何といっても街中からちょっと郊外へ車を走らせるだけで手つかずの自然が実に手軽に楽しめるところでしょう。
ここでは四季おりおりの動植物、昆虫、きのこなどがごく普通に観察することができます。
写真は、ヒメウラナミジャノメの♂
北摂の最奥部、大野山へは能勢電の日生中央駅前からバスも出ていますが、本数が極めて少ないので、時刻表をよく確かめてからお出かけください。
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