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写真:高橋 樂
地図を見る「グラナダといえば月面基地」…と、思ってしまうあなたは、きっと初代ガンダムファン!物語の中のグラナダは、ジオンの軍事拠点であり、後に地球連邦政府がこれを陥落せしめ、一年戦争の終戦協定が締結された場所として描かれていましたね。いや〜懐かしい!
…というわけで、ガンダムファンの懐旧の情にも訴える「グラナダ」ですが、現実世界の「グラナダ」は、地球上のイベリア半島スペイン南部・アンダルシア地方にあります。
そして、長い間グラナダの熾烈な覇権争いを見てきたのは、アルハンブラの軍事要塞「アルカサバ(Alcazaba)」。その歴史を紐解きつつ、グラナダの魅力に迫ってみましょう。
写真は「アルカサバ」の入口。チケットを見せて入ります。右側の塔が「オメナッヘ(臣従)の塔」、左側が「ケブラーダ(折れ線)の塔」です。
写真:高橋 樂
地図を見る軍事要塞「アルカサバ」は、アルハンブラ宮殿群の西端に位置しています。最初にこちらの「アルカサバ」が建造され、その後、イスラムの美の結晶とも言われる「ナスル宮殿」や、イスラム様式の庭園が美しい離宮「ヘネラリフェ」のある東へと伸びて行きました。
では、なぜ軍事要塞を作ったのでしょうか?
また、今なお壮麗なイスラムの宮殿が残り、町にもイスラムの影響が色濃く残るその訳は?
その答えは歴史にあります。
イベリア半島は元々キリスト教徒の西ゴート王国が支配していました。しかし8世紀頃、北アフリカからムーア人(イスラム教徒)が侵入し始め、そのうちイベリア半島全域を支配してしまいます。
北に追いやられたキリスト教徒たちは、「レコンキスタ」<再(=re)征服(=conquista)>、日本語では「国土回復運動」を開始。それが1492年のグラナダ陥落まで、約800年も続きました。ちなみに、最近のガンダムシリーズのタイトル「Gのレコンギスタ」の語源もこれですね。
写真の迷路のような遺跡は「アルマス(武器)の広場」。兵士や鍛冶職人・武器職人達の家やローマ風呂などがありました。
写真:高橋 樂
地図を見るとはいえ、グラナダの覇権を巡る争いは、その間ずっと「イスラム教徒VSキリスト教徒」という単純な構図ではありません。イスラム王朝同士の熾烈な覇権争いがあり、その上で時を追う毎に「レコンキスタ」を掲げるキリスト教国軍の攻勢が強まってきたという流れです。
その中、「アルカサバ」はどんどん増強され、難攻不落の要塞と言われるまでになりました。「アルカサバ」は元々、9世紀頃ムーア人(イスラム教徒)によって、内乱への備えとしてローマ時代の砦跡に築かれた要塞です。そして12〜13世紀頃、アフリカの新興イスラム勢力やキリスト教国軍との間に軍事的緊張が高まり、ますます強固に補強されていきました。
写真:高橋 樂
地図を見る11世紀前半〜13世紀にかけて、レコンキスタは最盛期を迎え、キリスト教徒のイスラム包囲網はどんどん狭まってきます。近隣のイスラムの重要拠点、トレドやコルドバやセルビアは次々陥落していきました。そして、最後に残ったのがこのグラナダです。13世紀にムハンマド一世によって建国されたナスル朝が、グラナダの、また、スペイン最後のイスラム王朝となりました。
レコンキスタの嵐が吹き荒れる中で建国し、最大の脅威であるカスティーリャ王国(キリスト教国)や強大なイスラム・マリーン朝を相手に、巧みな外交戦略でもって250年も独立を維持したのですから、その手腕はすごいものです。イスラム芸術の美の結晶「ナスル宮殿」や「ヘネラリフェ」はその繁栄の証です。
しかし、1492年にとうとうその均衡は破られます。カスティーリャ王国との戦いに敗れ、ナスル朝のグラナダはついに陥落しました。イベリア半島におけるイスラム王朝の終焉、レコンキスタの終結です。
最後のイスラム王、ボアブデルは、グラナダを追われた後アフリカへ去り、無念の死を遂げました。
写真下部の展望台は武器の塔です。こちらからは、かつてのイスラム教徒の居住区アルバイシン地区が良く見えますよ。
写真:高橋 樂
地図を見る「アルカサバ」で一番背の高いのベラの塔(高さ27メートル)は、13世紀、ナスル朝の始祖、ムハンマド一世の居城として建てられました。後に見張りの塔として使われるようになりました。
4本の旗(スペイン国旗・EU旗、アンダルシア州旗、グラナダ゙市旗)がはためくここからの眺めは壮大、まさに絶景です。市内はもとより、シエラネネバダ山脈、アルバイシン、グラナダの沃野(ベガ)等、360度を見渡せますので、見張り塔としては最適、どこから敵がやってきてもすぐにわかりますね。
市内をよく見ると、グラナダ大聖堂やその脇の王室礼拝堂も見えます。ナスル朝を陥落させたカスティーリャ王国のイザベル女王とフェルナンド2世が眠っています。
その後、アルハンブラの主となったキリスト教徒の王は、イスラムの美を新宮殿に取り込むことに決め、ナスル宮殿を取り壊しませんでした。グラナダの町もまた、モスクが教会に代わってもなお、イスラムの余韻は深く静かに息づいています。
キリスト教徒に駆逐されたイスラム朝の悲哀と美しいアルハンブラの幻影…。悲しくも美しいグラナダ。その深い陰影は世界中の人々を魅了してやみません。
スペインでは長くイスラム教徒とキリスト教徒の熾烈な支配権争いが続きました。しかし次第にイスラム教徒はキリスト教徒に追い詰められていきます。イスラムの美の結晶、アルハンブラ宮殿(ナスル宮殿)を建てて繁栄したスペイン最後のイスラム王朝・ナスル朝も、1492年、ついに破れグラナダは陥落します。
そのグラナダをずっと見守ってきたのが、アルハンブラ宮殿の軍事要塞「アルカサバ」でした。べラの塔(見張りの塔)からの眺めは絶景です。360度、遠くまで壮大な景色を見渡すことができます。
ベラの塔の鐘の音を聞いた詩人ロルカは、女性の美しさをたとえた短詩を残しました。ここの歴史に鐘の音といえば「諸行無常」と言いたいところですが、やっぱりグラナダにそんな理性的な言葉はしっくりきません。その幻惑的な美しさは理性を忘れさせ、本能を揺さぶってくる…そんな町です。
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