写真:渡部 洋一
地図を見るジャワ島を代表する観光地・ジョグジャカルタの街からバスで1時間弱、のどかな田園風景の中に「ジャワ建築の最高傑作」と称えられる「プランバナン寺院群」は広がっています。約5キロ四方の中にいくつもの寺院が点在し、ヒンドゥー教の遺跡としてはインドネシア最大の規模。この地で8世紀から9世紀にかけて繁栄した古マタラム王国の夢の跡です。
ヒンドゥー教王朝の都として賑わいましたが、伝染病の流行により10世紀に都は移り、後の16世紀に起こった大地震で建物のほとんどが崩壊したと言われています。人々から忘れ去られた遺跡は18世紀にオランダ人探検家によって発見され、1937年に始まった修復作業によって少しずつ往時の姿を取り戻しています。中心部は現在プランバナン寺院史跡公園として整備され、1991年には世界遺産に登録されました。
写真は、遺跡群の代表的寺院「プランバナン寺院(ロロ・ジョングラン寺院)」です。
写真:渡部 洋一
地図を見る同じくジャワ島中部にある仏教遺跡「ボロブドゥール寺院遺跡群」と共にジャワ建築の最高傑作の一つとされるプランバナン寺院群。その中心に建つ「プランバナン寺院(ロロ・ジョングラン寺院)」は、古マタラム王国のピカタン王によって856年に建立されたと推定されています。
南国インドネシアの高い空に幾本もの尖塔が聳え建つ光景は、まさに圧巻。中でも主堂シヴァ神殿(写真中央)は聖なる山の形を模して造られ、高さ47メートルと圧倒的なスケールです。
1000年以上の長きにわたり(倒壊していた期間もありますが)灼熱の陽射しを浴び続けてきた遺跡の勇姿は力強く、間違いなく世界遺産にふさわしい人類の宝としての風格を漂わせています。
写真:渡部 洋一
地図を見るプランバナン寺院の神殿の外壁には、精緻な彫刻が施されています。古代インド叙事詩「ラーマーヤナ」をモチーフにしたレリーフです。
かつてこの地でヒンドゥー教の王朝が花開いた証とも言える見事な彫刻の数々は、その勧善懲悪のストーリーに詳しくない私たち日本人にも、確かに何かを物語ってくれます。
写真:渡部 洋一
地図を見る写真は、プランバナン寺院のシヴァ神殿北側に祀られた「ドゥルガ像」。実はこの石像には、語り継がれる悲しい伝説があります。
その昔、一人の大男が王妃に一目惚れし、執拗に求婚を迫りました。困った王妃は求婚を拒むため様々な手を尽くし、ついに王妃を手に入れることが叶わなかった男は、怒り狂い王妃を呪文で石像に変えてしまいます。その石像が、現在もシヴァ神殿に安置されているこの「ドゥルガ像」であるという逸話です。
明るく開放的な南国の遺跡で、悲劇の伝説に想いを馳せることもまた、旅の思い出となることでしょう。
写真:渡部 洋一
地図を見るプランバナン寺院史跡公園には、通常夜間の入場はできません。しかし、西側に隣接する劇場でラーマーヤナ舞踊劇公演が行われる日にはプランバナン寺院がライトアップされ、昼間とはまた違った美しい姿を楽しむことができます。ライトに照らされ南国の闇夜に浮かび上がる幻想的な遺跡の姿は、9世紀の王朝の都が1000年以上の時を経て、現代のジャワ島に蘇ったかのようです。
プランバナン寺院のライトアップは、劇場に入場せずともその周囲から眺めることができます。もちろん、伝統舞踊を観賞し旅の夜を満喫するのもおすすめです。ラーマーヤナ舞踊劇公演のスケジュールは現地でご確認ください(参考として、記事下部にある「MEMO」に観光省公式ページのリンクを載せてあります)。
「ジャワ建築の最高傑作」と称えられ、ジャワ島を代表する観光名所として人気のプランバナン寺院群。中でも今回ご紹介したプランバナン寺院(ロロ・ジョングラン寺院)は代表格と言える遺跡で、昼も夜も抜群の存在感を放っています。その他にもこの寺院群には「セウ寺院」や「カラサン寺院」等見所が目白押しで、長期滞在者にもうってつけの観光地と言えるでしょう。
インドネシアを旅行するのなら、バリ島だけでなくジャワ島のプランバナン寺院群に足を運んでみませんか?そこは1000年を超える歴史の中で時の洗礼を受け、「最高傑作」と「世界遺産」の称号にふさわしいスケールと風格を誇る、インドネシア観光の必見スポットです。
プランバナン寺院群へのアクセス、入場料、営業時間等の情報は、記事下部にある「MEMO」よりご覧いただけます。
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(2023/12/7更新)
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