写真:bow
地図を見る沖縄県宮古島。目の覚めるような青い海に囲まれた島は、農業がさかんな島でもあります。特にサトウキビは一番多く作られ、年間30万トンを超える収穫量を誇り、沖縄県全体で見ても約40%を占める割合なのです。
そんな宮古島で、広大な敷地を誇るサトウキビ畑に突如「ダム」という看板がある場所が数か所あります。「ダム」といわれても、どこにも川は見当たらず、水が溜まっているところも目視できません。宮古島はサンゴ礁が隆起してできた島。地殻変動で形成された丘陵はあるものの、山地がなく平たい島で、実は川らしい川がないのです。
よく見ればそのダムの看板には「地下ダム」と書かれています。そうなのです、宮古島の地下には世界でも初の巨大なダムが隠れていたのです!
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地図を見る宮古島は島全体が琉球石灰岩で形成されていて、降水量は多いものの雨水の50%は蒸発、さらに40%は地下へ染み込み、すべて海へ流れ出してしまうという地質。そのため、特に農業用水に関しては長い間水不足で苦しんできた宮古島。昭和46年には大干ばつとなり、島の農業は壊滅的な被害を被りました。
そこで建設されたのが地下ダム!水を透さない地層の上にコンクリートで止水壁を造り地下水をせき止め、その上流では水を透しやすくスポンジのように穴があいている琉球石灰岩の隙間に水を貯める。そんな大胆な発想の地下ダムが実現したのです。
こうして、豊富な地下水を貯めると同時に、農地に水を送る施設も建設。それ以来安定した水源を確保した宮古島の農業は飛躍的な発展を遂げたのです。
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地図を見る地下にダム・・・。そもそも目に見えないからなんだかよくわかったような、わからんような・・・。そんな方にぜひ足を運んで欲しいのが宮古島の南東部にある「地下ダム資料館」です!
この資料館では地下ダムの建設技術や構造、地下水のメカニズムなど、ビデオやジオラマ模型などで詳しく解説。特にダムの宮古島の地層の断面模型は、地下ダムのしくみやスケールの大きさを知るには非常に分かりやすい展示!また地下深度70mのボーリングコアーの実物など、なかなかマニアックな展示や、水の大切さに触れられるコーナーなども用意されています。
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地図を見る「地下ダム資料館」で地下ダムに関してよく学べた方は、そのまま帰ろうとせずに、「地下ダム資料館」の坂を下ったところにある水たまりのような所を覗きましょう。
実はこれ、地下ダムの止水壁が地上に現れている場所で、ここで地下ダムの水位を観測しているのです。地上にあるダムと違って水の溜まり具合など状況の把握ができないため、目視で水の流れを観測する必要があるのだそう。ともかく、終始見えなかった地下ダムの一部とようやくご対面。これで納得して帰れますね(笑)。
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地図を見る2015年4月29日、ダムマニアが待ちに待った地下ダムの「ダムカード」が配布開始されました!対象となるのは宮古島の福里地下ダム、砂川地下ダム、皆福地下ダムの三つのダム。
しかし、地下ダムという特殊性からカードをゲットするにはルールもありますので要チェック!福里地下ダムのカードは「地下ダム資料館」の窓口にて問題なくゲットできますが、砂川地下ダム・皆福地下ダムのカードは、ダムに行ったことを証明する写真が必要!
砂川地下ダムは看板等と一緒に自分を撮影(携帯電話可)、皆福地下ダムは公園内の記念碑と一緒に撮影し、「地下ダム資料館」の窓口に提示すればカードをゲットできます。
ちなみに今回、カード右下にアルファベット1〜2文字で表示されているダムの形式に初めて「S」の記号が登場!これはサブサーフェイスダム(sub-surface dam)のSを表しており、今回初めて登場した地下ダム専用の記号なのです。まさにコレクター、ダムマニア垂涎の激レア宮古島地下ダムカード!さあ皆の者、宮古島に集えッ!
長らく水不足に苦しんできた宮古島で国・県・市町村が一丸となり完成させた地下ダムは、宮古島の農業や地域活性化に大きく貢献しました。現在ではこの宮古島の成功事例を基に、地下ダム建設の動きが水不足に悩む沖縄県内の他の島や奄美諸島にまで広がり、建設中のダムを含めて既にその数は10箇所を超えています。
水に苦しむ島の苦しみを救う元になった宮古島の地下ダム。そんな偉大なる足跡をたどりに「地下ダム資料館」を訪れてみてはどうでしょうか?
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(2024/9/9更新)
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