茨城で穴場の紅葉名所「花貫渓谷」吊り橋に覆いかぶさるモミジが圧巻!

茨城で穴場の紅葉名所「花貫渓谷」吊り橋に覆いかぶさるモミジが圧巻!

更新日:2015/08/10 17:12

大竹 進のプロフィール写真 大竹 進 元旅行会社勤務、元旅行専門学校講師
茨城県北部、高萩市に所在する花貫渓谷(はなぬきけいこく)は春の新緑と共に、紅葉の名所でもあります。
茨城県の紅葉の名所と聞くと、袋田の滝や竜神峡を思い浮かべる方が多いかと思いますが、ここ花貫渓谷はまさに知られざる穴場的な名所です。
多くの滝と伝説を秘めた淵などが連なる花貫渓谷は、毎年11月に行われる紅葉まつり期間中は紅葉並木が歩行者専用道路となり、安心して紅葉を眺めながらそぞろ歩く事ができます。

花貫渓谷の紅葉

花貫渓谷の紅葉

写真:大竹 進

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花貫渓谷の紅葉まつりは例年11月に開催されますが、見頃としては11月中旬から下旬にかけてがお薦めの時期になります。
特に小滝沢キャンプ場から汐見滝吊り橋付近は見事な紅葉が眺められます。
花貫渓谷で見られる紅葉する樹木は、モミジ、ナラ、クヌギ、ヤマザクラ、カエデなどですが、真っ赤に染まったモミジが日に映える様は、まさに日本の秋そのもの。
木々ごとに微妙に違うグラデーションを楽しみながら、紅葉狩りをお楽しみ下さい。

花貫渓谷の中心地、汐見滝吊り橋

花貫渓谷の中心地、汐見滝吊り橋

写真:大竹 進

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花貫渓谷の中心地が汐見滝吊り橋。
花貫川に架かる長さ約60mのこの吊り橋には、川沿いに茂る木々が橋に覆いかぶさる様に枝を伸ばし、手が届く所にモミジの葉が連なっています。
紅葉がピークの時には見事な紅葉のトンネルができ上がり、あなたを迎えてくれることでしょう。
また、橋からは橋の名前にもなっている汐見滝が眼下に望めます。
橋を渡りながら、たっぷり紅葉を楽しんで下さい。

汐見滝

汐見滝

写真:大竹 進

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落差数mのこじんまりした滝ですが、長い年月による浸食で深く岩がえぐられた細い隙間から流れ落ちる滝は、大きな滝壺もあり、立派な風格を感じさせます。
汐見滝吊り橋からその全容を良く眺める事ができ、滝の白、苔の緑、モミジの赤がコラボして、日本的で情緒豊かな世界を作り上げています。

不動滝

不動滝

写真:大竹 進

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花貫渓谷には幾つかの滝がありますが、汐見滝吊り橋から約800mほど下流に、不動滝があります。
規模は大きくはありませんが、静かな渓谷の中に響く滝の音は、たっぷりの癒しを与えてくれます。
観光地の中には、この様な滝の周辺にも人が群がっていて、あまり落着けない所もありますが、ここは訪れる人もそれ程いないため、ゆっくりと自然の静寂の中に身を置くことができます。

伝説の残る名馬里ヶ淵(なめりがふち)

伝説の残る名馬里ヶ淵(なめりがふち)

写真:大竹 進

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不動滝から更に1.5kmほど下流にある、名馬里ヶ淵という奇妙な名前の淵には、次の様な伝説があり、淵の入口に説明板があります。

それによると、昔、野々平という村に住む伊兵衛の家に1頭の雌馬がおり、近くの淵でいつも遊んでいましたが、その淵のぬしは大蛇でした。
やがてこの馬は仔馬を生みましたが、その仔馬は樹の上で遊ぶなど、馬らしくない行動をとるため、村人はこの馬は大蛇の子に違いないと驚き、淵の中へ投げ込んで沈めてしまいました。
すると急に激しい風雨が続き大洪水となって、野々平は流されてなくなってしまいました。
それ以来、この淵を名馬里ヶ淵(なめりがふち)と呼ぶようになったとのことです。

そのような伝説を聞いてこの淵を眺めると、村人に沈められてしまった仔馬や、母親の大蛇の怨念が、何となく淵の底から漂って来そうな気味悪さを感じます。

おわりに

花貫渓谷は、その名前を聞いて誰もが知っているメジャーな場所とは言えませんが、2014年度の関東地区紅葉スポット人気ランキングでベストテンに入るなど、知る人ぞ知る紅葉の名所です。
紅葉スポット巡りを楽しんでいらっしゃる方は、是非花貫渓谷もそのリストに加えて訪れてみて下さい。
散策にも丁度良い長さで、道も整備されており、ご家族連れにも安心です。
紅葉シーズンのみ汐見吊り橋方面への車両の乗り入れが禁止されているため、有料駐車場から歩くことになります。
有料駐車場は11月のみ、普通車が一日500円、観光バスが一日2000円徴収されます。
袋田の滝や竜神峡と合わせて、奥久慈の三大紅葉スポット制覇を目指してみるのも楽しいのではないでしょうか?

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掲載内容は執筆時点のものです。 2012/11/22 訪問

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