写真:風祭 哲哉
地図を見る銚子電鉄は、関東地方の最東端である犬吠埼の近く、千葉県の銚子駅と外川駅とを結ぶ、わずか6.4キロの鉄道路線。昔ながらの珍しい車輌や鉄道施設、懐かしい木造の駅舎などが現役で活躍していたり、銚子名産の醤油を使った「ぬれ煎餅」が有名になったりと、人気のローカル線です。
この夏から、子どもたちがそんな銚子電鉄の1日見習い社員となって、車輌整備や車掌体験、そしてなんとホンモノの電車を実際に動かす運転士体験などができる特別プログラムができました。
名づけて「銚子電鉄のお仕事体験」。これはJTBの「旅いく」プログラムの「鉄道のお仕事シリーズ」のひとつ。
「旅いく」とは、JTBが2010年夏より開始し、3〜12歳の子どもを持つ家族に向けて、ホンモノ体験の宝庫である「旅」を通じて子ども達の好奇心を育み、成長を手助けする取り組み。子どもの成長に繋がる家族でのお出かけの楽しみ方や、さまざまな体験プログラムを提供しています。
「銚子電鉄のお仕事体験」のスタートは、銚子駅から専用の貸切電車に乗って、まずは銚子電鉄の本社や車輌基地のある仲ノ町駅へ。
車内では見習い社員の指導役としてやってきた、銚子電鉄のホンモノの社員さんたちがご挨拶。いろいろとやさしく教えてくれそうなので安心です。
写真:風祭 哲哉
地図を見る仲ノ町駅は、銚子駅から数百メートルのところにある駅ですが、ここに銚子電鉄の本社や車輌基地が集まっています。
車輌基地には「お仕事体験号」と書かれた地下鉄丸の内線カラーの真っ赤な電車が。これはデハ1002という営団地下鉄より譲り受けた貴重な車輌で、残念ながら2015年1月に定期運行から引退したのですが、今回はこのお仕事体験のために特別に復活させてもらいました。
貸切列車を降りて、いざ、車輌基地へ。子どもたちは普段入れない未知の世界へと足を踏みいれて、早くも大興奮!
おーい、見習い社員、走っちゃだめだぞ。
写真:風祭 哲哉
地図を見るお仕事体験号の車内に入って、まずは出発前の車輌点検。パンダグラフの上げ下げやドアの開け閉め、スイッチのチェックが終わったら、いよいよ電車の外に出て車輌の床下に潜っての点検です。子どもたちはヘルメットをかぶって階段を降り、線路の下に設けられている点検通路へと入ります。
ここまでやらせてくれるの?と驚いて興奮しているのはお父さん、お母さんたち。
大きな電車の下に初めて潜った子どもたちの目は、真剣そのもの。
毎日、当たり前のように動いている電車ですが、それは整備士さんたちが、細かな部分までひとつひとつしっかりと安全を確認しているからなのだ、ということを身を持って実感しているからなのでしょう。
車内に戻って、今度は車輌に乗ったまま洗車機をくぐり抜ける体験。
緑の大きなブラシの中に吸い込まれて、大きな電車があっという間に水で洗われるさまを体験します。
外がきれいになったら今度は中のお掃除。雑巾を使って車内清掃がはじまると、みんなホントに一生懸命。やっぱり電車が好きだからかな、それとも整備士の社員さんの真剣な仕事ぶりを見たからなのかな。家や学校でもこうなってくれるといいですね。
写真:風祭 哲哉
地図を見る車輌整備のお仕事が終わったら、再び貸切電車に戻って、今度は実際に線路の上を走りながら車掌のお仕事にチャレンジ。
まずは運転席の本物のマイクを使って車内アナウンスに挑戦します。
「次は、きみがはま、きみがはま、お出口は左側です」
みんな全く躊躇なく、元気にはっきりとアナウンスできてますね。やっぱり電車が好きで、いつも家で車掌の物まねをやってるのでしょうか?白い手袋と制帽もさまになってます。
車内アナウンスのあとは、車内改札。銚子電鉄にはいくつかの無人駅があり、車掌さんが車内を回って切符を販売することも多いので、そのお仕事に挑戦してみます。がま口の大きな黒いバックに切符とお釣りを詰めて、お客さん役のお父さん、お母さんのところを回ります。
中には自分の顔より大きながま口を下げた車掌さんもいましたが、みんなきちんと行先までの切符を販売できました。ただホンモノの車掌さんは、駅と駅との間の1、2分で2両を回ると聞いて、みんなプロの仕事のすごさにびっくり。
電車は犬吠駅に到着して、ここで銚子の新鮮なマグロのフライで昼食、そして昼食後には銚子電鉄名物のぬれ煎餅焼きにも挑戦しました。
写真:風祭 哲哉
地図を見る午後は再び仲ノ町の車輌基地まで電車で戻って、いよいよ電車の運転体験。
運転前に、まずはデキ3という日本の旅客営業鉄道線の中で最も小さい機関車に乗せてもらいます。大正12年にドイツで作られた全長4.4mというミニ機関車は、鉄道ファンや訪れる方々に大変人気の車輌です。この機関車の特徴は手ブレーキだそうで、運転士さんがぐるぐると鉄のハンドルのようなものを回してブレーキをかけるのです。子どもたちはそんな熟練の技を眺めながら、次第に無口に。
ホンモノの電車を本当に自分で動かすなんて、大丈夫かなあ。
そんな心の声が聞こえてくるような緊張感漂う表情をしています。
そしていよいよ子どもたちが自分で運転する時間がやってきました。
晴れの舞台は赤い営団地下鉄丸の内カラーのデハ1002の運転席。実際に車輌基地内の線路の上を走らせるのです。左手でマスターコントローラー、右手でブレーキを握って、いざ出発!停止位置にピタリと停めることができるでしょうか?
「僕たちが子どもの頃は、こんな体験、したくても絶対できなかったんです」
子どもたちの真剣な表情、そして見事、停止線でピタリと停まったときのとびきりの笑顔を眺めながら、銚子電鉄で今回の企画をしてくれた社員の方が感慨深そうに言いました。
「銚子電鉄の社員はみんな銚電、そして鉄道の仕事が大好き。だから電車が好きな子どもたちの夢を少しでも多くかなえてあげたい、と思って、無理を承知でこの企画を考えて、頑張って実現したんですけど、本当によかった」
すべてのプログラムが終わってからの修了式、修了証をひとりひとり手渡された子どもたちは、ちょっとだけ大人への階段を上ったような晴れやかな顔をしています。
鉄道のお仕事を楽しく無事に終えられたことへの満足感が、そうさせているのはもちろんですが、子どもたちは、今日はもうひとつ大事なことを学んだんじゃないか、と思うのです。
それは銚子電鉄の社員のみなさんの仕事への情熱、プロ意識、そして何よりも誇りをもって仕事をすることの素晴らしさ。
仕事っていいな。
子どもも(そして同伴した大人も)、そんなふうに感じられる貴重な体験でした。
JTBの「旅いく」では、この銚子電鉄以外にもたくさんの「鉄道のお仕事」プログラムを用意しています。
群馬の上信電鉄、静岡の大井川鐵道、岐阜の樽見鉄道、京都丹後鉄道などのラインナップがありますので、詳細は下記のJTB「旅いく」サイトでご確認下さい。
さあ、お子さんと一緒に「鉄道のお仕事」体験してみませんか?
【※この記事は 株式会社ジェイティービー とのタイアップです。】
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(2023/12/8更新)
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