天草「崎津教会」信者に守られた教会の撮影スポット5選

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天草「崎津教会」信者に守られた教会の撮影スポット5選

天草「崎津教会」信者に守られた教会の撮影スポット5選

更新日:2017/09/03 20:11

天草野 黒猫のプロフィール写真 天草野 黒猫 元バックパッカー

禁教の中に約250年もの間、信仰をまもりぬいた漁村のキリシタン達。その信仰の象徴ともいえる教会が「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の構成資産として世界遺産暫定登録されました。

熊本県天草の下島「海の天主堂」とも呼ばれるこの教会。日本らしい漁村ののどかな風景の中、突然現れるゴシック様式の教会。風景に溶け込みつつ凛とした風情です。長く神父様と信者によって守られた教会の撮影スポットをご紹介します。

教会の前に必見!裏の神社から

教会の前に必見!裏の神社から

写真:天草野 黒猫

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崎津教会の駐車場に車を停めると、ついそのまま教会にいってしまいがちですが、ちょっとまって!駐車場の裏手の山の中腹にある神社に登ってみて下さい。

この神社の中から覗く教会。歴史を象徴している様な風景です。というのもこの「ア津諏訪神社」。仏教への改宗を装った信者の人たちが参拝していた神社です。1685年銘の鳥居も現存していて、境内の配置も当時のまま残っているもの。厳しい弾圧をうけたキリシタンの信者は表向きは心ならずも踏絵を踏みながらも、この神社に参拝するときは「あんめんりうす(アーメン、デウス)」と唱えていた記録が残っています。

神社という日本の宗教の祈りの場所。潜伏したキリシタンの人々は形は違っても自分達の祈りの場所として詣でて、心の均衡をとっていたのでしょう。日本の宗教とキリスト教を共存させた、どこか悲しくもやさしさをもった独特の信仰の場所がこの神社です。

羊角湾が育んだ「海の天主堂」を山の上から

羊角湾が育んだ「海の天主堂」を山の上から

写真:天草野 黒猫

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駐車場裏手の階段を登りきると「チャペルの鐘展望公園」につきます。公園から下を見下ろすと、崎津教会を中心に町の風景が一望にみわたせて、なんとも美しい風景です。羊の角の様な形から羊角湾といいます。はじめて車でくる方ならこの入り組んだ入江に迷う方も多いはず。

この昔ながらの漁村にそびえる教会は「海の天主堂」と呼ばれ、漁村一帯は日本の渚百選にも選ばれています。熊本県の南西に位置する天草。島の中でも最南端に近いこの入りくんだ入江が、天草四郎の島原・天草の乱の時に、一揆の連絡が届かなかった理由にもなったといわれています。「天草崩れ」と呼ばれた信者達は、天草四郎亡き後も信仰をかくれて守り通しました。

穏やかな海と入り組んだ入江が育んだキリシタンの人々の信仰と暮らし。チャペルの前での風景はもちろんですが、ちょっとがんばって階段を上ってこの丘の上からみる風景はまた一味違います。何よりも下からみるより和風の漁村の一角にそびえる教会をより感じることができるポイントです。

崎津教会は歴史がつまった横も見所!

崎津教会は歴史がつまった横も見所!

写真:天草野 黒猫

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崎津教会は美しいゴシック様式の教会です。1569年アルメイダ神父によって建てられた教会。明治以来3回の建て直しが行われ、現在の美しい教会は昭和9年にハルブ神父の私財と信者が集めた資金によって建設されました。施工は長崎五島出身の鉄川与助氏。

この建物。正面からみて、とても美しい教会なので正面からの写真のみをとりがちなのですが、ぜひ横からもみてみてください。気が付くことがありませんか!?そう!途中から色が違う。いえ。素材からちがっているのです。灰色の部分は鉄筋コンクリート。白い部分は木造です。なぜか…それは建造資金がたりなかったからです。

資金が足りたいというと、マイナスにとられがちですがそういう物とも異なります。なぜなら行政の力をかりる方法もあったとのことですが、そのことによっての制約や負い目をもつことを考えられて、資金が足りない部分は木造によって完成されているのです。歴史的建造物の中で、資金を行政にたよる建物も多い中で、ひとつの志や信念を感じる色の違い。素材の違い。ぜひみてみてくださいね。

また、この建物は元々は旧庄屋の敷地。明治6年まで踏絵が行われていた場所です。明治まで踏絵が続いていた事も驚きですが、その場所の上に教会が立っているという点でも感慨深い建物なのです。

中に入ると中央に美しい祭壇があり、中は畳敷き。外観もですが、この洋と和の調和が独特の美しさです。信者でなくても解放されていますので実際に中に入ってみる事ができます。見学される方はこの建物は今でも信者の方々が大切に利用している信仰の場所であることを忘れずに見学してくださいね。

駐車場の上の元々の教会も1枚

駐車場の上の元々の教会も1枚

写真:天草野 黒猫

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崎津教会の石畳をのぼりきると、すぐ目の前に駐車場があります。駐車場についたらちょっと上を見上げてみて下さい。崎津諏訪神社の左手の民家の様な建物の前にマリア像があります。なぜこんな所にマリア像がと思う方もいると思いますが、この建物は「木造ア津教会跡」なのです。

先ほどのゴシック様式の美しい教会とは違う、素朴な木造の建物。しかしこれこそが以前の日本の信仰の場所の姿だったのかもしれません。古くから神父様1人、シスター1人が共に管理されていたという教会。古くは保育園の様な役割もはたしていたとか。

立派になった教会をみた後は、立て直し前の姿も、ぜひみていってくださいね。潜伏しても信仰を続けてきた本来の姿が信仰を守り続けてきた強い信念が、山側の崎津諏訪神社や木造ア津教会跡に感じる事ができます。

離れてみる風景がこれまたいい!

離れてみる風景がこれまたいい!

写真:天草野 黒猫

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崎津教会と一帯となっている漁村の風景。山の上から、横からと眺めてみるのもいいですが、少し離れて対岸からみるのもお薦めです。

車で回る方はサンセットラインを崎津バイパス側にもどり、バイパスの下をくぐって崎津教会の対岸にも足をはこんでみてくださいね。対岸からみる風景も絵画の様で雰囲気があります。

崎津教会が海にかこまれた漁村の中にたっていることを改めて感じることができます。海のそばまで民家がよりそう家々の中にそびえたつ教会。まるで民家にまもられている様な教会のたたずまいは歴史の厳しい流れの中で信仰を守り続けてきた象徴の様な風景なのです。

世界遺産の本来の意味と価値を感じよう!

もうすぐ世界遺産認定の可能性がある崎津集落と崎津教会、いかがでしたでしょうか?

世界遺産に認定されるには手つかずの歴史をそのまま保存して引き継いできている価値がみとめられるものです。長い歴史の中で変わらず引き継がれてきた信仰や建物達。できれば教会だけみるのではなく色んな方向から歴史をとらえてみるとさらに深く遺産認定の価値を感じる事ができます。

また、集落は猫も多く独特の港町の風景もたのしめます。人もあたたかいので、商店などで地元の方に声をかけてみると昔のお話などを気さくに教えてもらえます。名物の「杉ようかん」もお土産にお薦めです。

最後に、崎津集落は観光地というわけではなく人が住み、教会は現在でも信者の人々の大切な祈りの場所であることを忘れてはなりません。教会の外観は写真を写せますが、教会内での写真撮影はご遠慮くださいね。世界遺産は遺産認定されることも価値があることですが、その価値を引き継ぎ後世に残していくために認定されるのだということを心においておいてまわりたいものです。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/06/30 訪問

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