ケーキは至福、作品魅惑!朝ドラで注目の能登「辻口博啓美術館」

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ケーキは至福、作品魅惑!朝ドラで注目の能登「辻口博啓美術館」

ケーキは至福、作品魅惑!朝ドラで注目の能登「辻口博啓美術館」

更新日:2015/07/31 02:18

タケモト スグルのプロフィール写真 タケモト スグル 美術館バカ、感動写真家

2015年上半期のNHK連続テレビ小説「まれ」。石川県能登地方に越してきたヒロイン「希(まれ)」が世界一のパティシエを目指し成長する物語です。その製菓指導にあたった世界的パティシエ 辻口博啓(つじぐちひろのぶ)さんのお店は既知の名店ですが、その名を抱く美術館が能登にある事はご存知でしょうか? ここでは、美術館の魅力と併設のカフェの魅力をお伝えするとともに、ケーキ撮影のアドバイスをしたいと思います。

パティシエ「辻口博啓(つじぐちひろのぶ)」

パティシエ「辻口博啓(つじぐちひろのぶ)」

写真:タケモト スグル

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美術館の名そのものであり、「まれ」のモデルとも言われるパティシエ辻口博啓さんは、ドラマの舞台の能登(石川県七尾市)生まれです。青年期に金銭的な苦労はあったものの、誠に輝かしい経歴・実績を生み出しています。

23歳「全国洋菓子技術コンクール」史上最年少優勝、25歳「50周年記念全国洋菓子コンクール」総合優勝、26歳フランス渡航、27歳「コンクール・シャルル・プルースト」銀メダル受賞、28歳「クープ・ド・フランス インターナショナル杯」優勝、などなどと、国内外での受賞歴は多数です。

開業した店舗は、自由が丘、二子玉川、六本木、品川、石川県立美術館(金沢)など、広く多数に及びます。1999年には、「料理の鉄人」にて「バレンタインチョコレート」対決で鉄人に対し勝利もしました。現在は、メディアへの出演が更に増えるなど、お見かけする場が更に更に拡大しています。

今回ご紹介する辻口博啓美術館は、石川県七尾市に2006年にオープンした美術館です。2015年4月3日で9周年を迎えています。場所は和倉温泉で、立ち並ぶホテル群と七尾湾の景色が印象的です。美術館はカフェを併設しており、海を望む眺望とケーキを頂くことができます。大人気のスポットです。

展示品はなんとスイーツ「辻口博啓美術館−ル ミュゼ ドゥ アッシュ−」

展示品はなんとスイーツ「辻口博啓美術館−ル ミュゼ ドゥ アッシュ−」

写真:タケモト スグル

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美術館の展示品といえば、通常、絵画や彫刻や工芸品といったいわゆる”アート”ですが、時には変わったものを展示する美術館があります。景色、花、おもちゃ、フィギュア、昭和な品、男女の営み、などです。辻口博啓美術館の展示品も特別で、パティシエならでは、スイーツの展示がなされています。

スイーツとは言っても、ショートケーキのようなものが展示されているわけではありません。小さく暗い展示室に、大型のシュークルダール(砂糖の芸術作品)が6点展示されています。それらは、スイーツであることを除けば抽象絵画と近現代彫刻であり、大げさに言えば、ジャクソン・ポロックとイサム・ノグチを同時に観るかのような感覚です。作品それぞれが持つ石や岩のような質感は、あるいは日本海に面する能登らしさの一端なのかもしれません。

「角偉三郎美術館」と「能登の海を望むカフェ」

「角偉三郎美術館」と「能登の海を望むカフェ」

写真:タケモト スグル

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当館の魅力は他にも3点あります。1つは併設の「角偉三郎美術館」、1つは併設の「カフェ」、1つは展示室前の「アメ細工」です。

角偉三郎美術館は、能登の名品「輪島塗(わじまぬり)」の流れをくむ巨匠「角偉三郎(かどいさぶろう)」の作品を展示する美術館です。辻口博啓美術館と同じ建屋内に位置します。建屋に入ると各美術館とカフェが同居する感じです。

作品の多くは実用的な漆器ですが、一部には彫刻に分類すべき作品があり、アート感が増します。特に2階のへぎ板(薄くはいだ板)作品「のと星(ぼし)」は必見で、海原に身を委ねる感覚を得るものです。作品と海との呼応を感じてみてください。

「全部ちょうだい!」と叫びたくなるのは、ケーキの並ぶ併設のカフェ「ルミュゼドゥアッシュ和倉店」です。当地「和倉温泉」に欠かせぬ人気スポットで、気付けば行列を成しています。当地の食材を活かしていると聞くと、ダイエットを忘れて「コレもお願い」と言いたくなるのが困ったところです。

人気の秘密はやはり味です。見た目の派手さはむしろ控え気味で、その分、風味が引き立ちます。素材の風味の豊かさはもちろん、味覚のバランスの絶妙さや、味わいに時間軸が加わるなど、もはや芸術の領域です。美術館内にある辻口語録「ライバルは等伯だ(※)」「和を持って世界を制す」「日本を知らずに世界に勝てるか」をここに感じます。デザインという視覚に限る「和」だけではなく、味覚臭覚を加えた五感の範囲に「和」があるのでしょう。

オススメは「辻口ロール 塩キャラメル(和倉限定)」と「エーグル」です。
「辻口ロール 塩キャラメル」には、効果的なレベルでのキャラメルの風味があり、程よい甘さに笑顔がもれます。塩の味わいがまた絶妙です。(第一段落の写真)
対して「エーグル」には二面性の妙があります。色にも現れる酸味が口に広がり、心に爽やかです。そこに優しい甘さが時間差で伝わってきます。緊張した舌を甘みがほぐす、時間差の芸術を感じるひと品です。(最終段落の写真)

ちなみに、お店のWebサイト(文末にリンク)によると、2015年7月現在のおすすめランキングは、1位セゾン・ド・ガトー、2位ミュゼ、3位モンブラン、だそうです。目移りしてしょうがないですね。
数々の絶品スイーツを心ゆくまでお試し下さい。

※ 等伯=長谷川等伯(はせがわとうはく)。安土桃山時代から江戸初期にかけての絵師。七尾生まれの超巨匠。狩野派に真正面から挑み、脅かすまでに至った。長男の死が残念でならない。代表作の1つ「国宝 松林図屏風(しょうりんずびょうぶ)」は、東京国立博物館(上野)の新春展示の目玉作品。毎年恒例。

内海杯優勝受賞作「華の妖精」(藤井幸治シェフ作)

内海杯優勝受賞作「華の妖精」(藤井幸治シェフ作)

写真:タケモト スグル

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当館の魅力の締めは芸術的飴細工です。建屋に入るとまず出会います。展示は2点で、いずれも辻口シェフのお弟子さんであり和倉店のシェフである藤井幸治さんの作品です。

2点共に彫刻・空間芸術と言うべき見事さの中、特に作品「華の妖精」は逸品です。命や心さえ感じます。うつむき加減の女性はまるで囚われの身で、手を差し伸べたくなるほどのものです。うつむく内面と、鮮やかで 艶があり 触れると切れそうな外見とのコントラストがまた心をつかみます。アメの特性が活きに活きた作品です。

なお、この「華の妖精」は第22回内海杯技術コンクール(2014年)のアメのピエスモンテ部門の優勝受賞作で、ありがたくも常設展示がなされています(2015年7月現在)。見る機会の少ない大型のピエスモンテ(※)をどうぞ間近でご覧下さい。

※ピエスモンテ:菓子を積み重ねて作るディスプレイ用の装飾菓子。
 ピエス=部分,小片 モンテ=組み立て

スイーツ撮影のアドバイス

スイーツ撮影のアドバイス

写真:タケモト スグル

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スイーツなどを含む、モノや商品の撮影(ブツ撮り)は、方法は多様で機材も多様です。その為、簡単に”スイーツの撮影方法”などと述べるようなものではありません。あえて方法を書くならば、「美味そうに見えるまで眺めてみること」ですが、それでは具体的に何をすべきか分からないと思います。

そこで1点に絞り効果的な道具を紹介しアドバイスとしたいと思います。それは「レフ板」です。モデルさんの撮影にも使われるあの丸い鏡のようなモノを指します。ライティング機材を持ち歩くのは大変ですが、レフ板ならば小さく折りたためる上に大変軽いので、常備しても苦になりません。

使用の目的は、主に「反射光で引き立てる」「反射光で影を消す」ことなので、「光を柔らかく反射させて目的の場所に当てる」というごく簡単な使い方をします。当て方の良し悪しは場面ごとに違うので、色々と試していいと思うポイントを見つけて下さい。

大きさは様々ですが、50cm未満の小さいもので十分です(収納時は1/3程度になる)。色は、「白と銀」のリバーシブルが一般的ですが、ケーキに関しては「銀(or白)と金」も有効です。

参考までにケーキの写真の撮影データを示します。
カメラ:Nikon D7200
レンズ:28mm f1.8(35mm換算で42mm)
データ:絞りf5.6, シャッター速度1/250, 感度ISO800,
ホワイトバランス:オート
アクセサリー:レフ板(直径40cm 金色), PLフィルター

特に、ケーキの色に合わせて金色のレフ板を使用し影の部分を起こしている点と、f5.6まで絞り、ボケを防いでいる点とに注目して下さい。

おしまいに

今回は、NHK連続テレビ小説「まれ」で注目の、能登「辻口博啓美術館(石川県七尾市)」と併設の「角偉三郎美術館」「カフェ」、そして「藤井幸治シェフのアメ細工」をご紹介しました。まさに五感で感じるアートスポットです。

感動を心にカメラをその手に。
類まれな感性と、一路 夢を追う姿を感じつつ、美術館のひとときをお過ごし下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/07/04 訪問

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