山頂へは「コトデン」の愛称で高松市民に愛されている琴平電鉄「琴電屋島」駅よりシャトルバス、またはタクシーを利用しすることになります。道は屋島ドライブウェイのほか登山道もあり、山上からは四国霊場第84番札所・屋島寺の参道、境内を経由することになります。
屋島寺には源平合戦の資料等を展示する宝物館(土日祝のみ営業)もあり、この他にも山上には新屋島水族館や、合戦の舞台を一望できる展望地の談古嶺(だんこれい)もあるので、訪れた折に覗いてみると良いでしょう。
こちらが獅子の霊巌の景色です。西に見える埠頭は高松港のもので、この先に高松市街が広がっています。一方、中央に横たわっているのは童話『桃太郎』で登場する「鬼ヶ島」のモデルと言われている女木島、その右には映画『喜びも悲しみも幾歳月』の舞台となった灯台で知られる男木島です。
女木島、男木島の奥には瀬戸内の島々と本州です。市街を眼下に納め、その先には多島美。西を向いているため、夜景のみならず夕陽も望むことができる場所は稀少です。時の移ろいを楽しむことができます。日没までは、刻々と表情を変化させる島影を眺めることにしましょう。
太陽が海面を捉えると、金色の光が海面に反射して柱のようになり周囲を輝かせます。そして、力を失うように徐々に明度を落としていくのです。雲に隠れてしまえば、島影は境目がにじみ、さながら水墨画のような景色へと近づいてゆきます。
太陽が水平線に近づくと、最後の力を振り絞るように強い茜色の光を放ちます。その姿は、夜の訪れを阻むかのようでもあります。それでも紫色の霞は太陽から一定の距離を保ちながら、空に息をひそめます。陸との陰影は濃くなり、空や、陽の光を受けた海との華やかなコントラストを生み出すのです。
陽が沈むと、空を大きく支配していた茜色は、力を失くしたように弱く小さくなり、代わりに夕闇が迫ってきます。私が眺めていた時は、これに加えて空の大部分が雲に覆われてしまいました。夕暮れと同時に、街の明かりは次々と灯り始めてゆきます。夕景の次は夜景です。紺色の空をした美しい夜景が望めるのは、日没から約30分後と言われ、これをブルーモーメントなどと呼びます。
都市の光や清澄な青色を残す海によって、再び陸と海との境目が明瞭になり、水平線には未だ夕景の名残が見られます。これもまた美景です。それから、次第に夜が強まるにつれて、空、海、島影は軌を一にして闇に染まり、街の明かりと対峙するのです。
時間の経過によって、表情を変化させてゆく景色を味わうことができるのがこの展望地の魅力です。そして、一度見たら忘れることは無いであろう、夕景から夜景への見事な変貌の記憶は、この場所で太陽が沈むまでを最後まで見届けた者へのご褒美と呼べるかもしれません。
必見です。
※屋島寺や新屋島水族館に関する情報、屋島についての詳細はMEMOのリンクよりご参照ください。
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