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https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Paris_Cata…カタコンブはパリ市内を走るメトロ4号線と6号線、そして鉄道RERのB線が乗り入れしているダンフェール=ロシュロー駅のすぐ近くにあります。駅を出ると目の前に広場(ダンフェール=ロシュロー広場)が見え、そのすぐ隣に入口があります。
入口はシンプルな外観で、一見すると見逃してしまいそうなほどですが、いつも広場の周りを縁取るように沢山の観光客が列をなしているので、すぐに見つけることが出来ます。
写真:Akiko Nilsen
地図を見る土葬の習慣があるパリでは、昔から様々な場所に墓地が設けられ、遺体が埋められていましたが、戦争や紛争、そしてペストの大流行などで多くの人々が亡くなった頃からどの墓地もこれ以上収容できなくなってしまいました。
一方で、パリのあの統一された美しい石造りの建物に使用されている石は、地下を掘って取り出されていました。このため街の発展と共に地下の空洞が大きくなり、地盤沈下などの問題が起こるようにもなってきました。
この両問題を一度に解決する方法として、採石によってできた空洞に納骨するという方法が考え出され、当時採石が多くされていたこの地にカタコンブ・ドゥ・パリ(パリ納骨堂)が作られました。
現在のカタコンブに足を踏み入れると、まずは地下までの長いらせん階段を下ります。らせん階段は約20m続き、その後も約1.7kmと長い道のりを歩くことになりますので、歩きやすい靴で訪れるようにしましょう。
写真:Akiko Nilsen
地図を見るカタコンブと言われるからにはすぐに遺骨がお目見えするのかと思いきや、長いらせん階段を下りてまず現れるのはパリの地下の歴史などの説明が施されたパネルと、様々な石の彫刻です。
少し拍子抜けしてしまいますが、ここが元は採掘場であったことを知って訪れると、石のトンネルの整然とした様子や、彫刻の素晴らしさはなかなか興味深いものがあります。ここでは、遠い昔は海の底であったと言われるパリの街や採掘場の歴史が解説されています。
カタコンブは入場制限を行っており、一気に多くの人と一緒に観光することはありませんので、じっくりと鑑賞することが出来ます。
写真:Akiko Nilsen
地図を見る石のトンネルと抜けて進んでいくと、ついに遺骨が並ぶ空間へとたどり着きます。ここから先は通路の両側にびっしりと隙間なく遺骨が並びます。その数はなんと600万体分!更に驚いたのは、柵などが無く素手で触ることが出来るようになっていることです。もっとも、自ら進んで触ろうとは思えませんが・・・。
興味深いのは、頭がい骨と大腿骨をメインにバランスよく配置され様々なデザインが施されていることです。一面大腿骨が埋め込まれた壁に頭蓋骨をなんと、ハート形に配置していたりもします。
写真:Akiko Nilsen
地図を見る実際に訪れてみると、心霊スポットでもなければ他の観光スポットとも違う異色な場所と言うことで不思議な感覚におそわれます。夥しい数の遺骨を前に「怖い」より「凄い」と圧倒されるに違いありません。何しろ600万人分の遺骨を眼前にしていると言う「異空間」です。こんなところは、他では体験できないのではないでしょうか。
怖いものが苦手、という人は敬遠したくなるかもしれませんが、お化け屋敷などの怖がらせるためのレジャー施設とは違い、あくまでパリの歴史の一部を学ぶ博物館としての役割を持つカタコンブです。中世のパリ市民の遺骨が整然と並んでいる様子は、一見の価値ありで年間約24万人もの観光客が訪れる大人気スポットなのも納得です。
パリ観光に、カタコンブも追加してみてはいかがでしょうか。地下に広がる奇妙で不思議な空間は、他では体験できない貴重な場所ですので、通常のパリ観光のアクセントになること間違いなしです。
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この記事を書いたナビゲーター
Akiko Nilsen
イギリス・ロンドン在住6年の英語・日本語教師。ロンドンを中心にヨーロッパの旅行情報をお届けします。個人旅行の一人旅・女子旅を得意としています。ヨーロッパの可愛らしい街並み・雑貨、そして食べ物に目があり…
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