写真:月宮 うさ
地図を見る日本海を臨む北海道寿都(すっつ)町と島牧村の境に突き出た「弁慶岬」。
アイヌの人々が"ポロ・エド(=大きな鼻形の岬)"と呼んでいたこの岬の先端は、大地が裂けたようになっており"ベルケイ(=裂けた場所)"と言われてました。それを和人が"ベンケイ"と発音したのが名前の由来と伝えられています。
しかし、岬に付けられた名前の通り、あの武蔵坊弁慶がこの地を訪れた伝説も!そのお話をしましょう。
武蔵坊弁慶は奥州より逃れ傷つきながらも北の大地に渡り、この地に滞在していました。そんな時、弁慶の舎弟と言うべき存在である常陸坊海尊(ひたちぼうかいそん)が、義経再挙の兵を募り蝦夷地へ向かったとの情報を耳にします。来る日も来る日も海尊の乗る船の到着を待ちますが、その姿を見ることは叶うことはありませんでした。日々船を待ち続けるそんな弁慶の姿を見たアイヌの人々がここを「弁慶岬」と呼ぶようになった…と伝えられています。
銅像の台座には「想望」と書かれており、今も変わらず打ち寄せる波は弁慶の思いを運んでいるのかもしれません。そんな歴史ロマンに心を寄せて、これから紹介する北の岬を歩いてみませんか?
写真:月宮 うさ
地図を見る「弁慶岬」の駐車場に車を止めると飛び込んでくるのは絵になる風景!
日本海の美しい青い海をバックに立つ武蔵坊弁慶像、そして赤と白の「弁慶岬灯台」が見えます。初夏には銅像を囲うように北海道の花"ハマナス"が咲き、夏にはかわいい赤い実の姿も。
岬は「弁慶岬公園」として整備されており、遊歩道もありますので是非とも散策してみましょう。弁慶の絵が描かれたトイレもありますのでドライブの休憩ポイントにもオススメです。
写真:月宮 うさ
地図を見る「弁慶岬」の遊歩道の一部は芝生になっており、そこはまるで海に向かう花々に囲まれた草原のよう。目の前には青い海、そして足元は思わず裸足で歩きたくなる心地よさです。
また、ここは夕日の名所でもあります。夕焼け色に輝く日本海はもちろんのこと、オレンジ色に染まるこの遊歩道も美しいですよ!
写真:月宮 うさ
地図を見る「弁慶岬」は寿都町の中でも風が一番強い地域、時には大型車両が倒れるほど吹くことも。そんな日本海の風と荒波がつくり出す断崖絶壁が織りなす海岸線は強く美しい感動の風景。ベルケイ(=アイヌ語で裂けた場所の意味)の言葉そのままの景色が広がっています。
また、遠くの展望も素晴らしく積丹ブルーの海で有名な積丹半島も一望できます。
写真:月宮 うさ
地図を見る夕暮れとともに明りを灯す、弁慶岬に立つ赤と白の「弁慶岬灯台」も絵になる風景です。断崖絶壁の日本海と共に灯台も眺めて見ましょう。内部には入れませんが、近くまで行くこともできますよ。
灯台の歴史は1890年、明治時代まで遡ります。現在の灯台は1976年に改築されたもの。今日もこの場所から寿都の海を渡る船と人々を見守っています。
美しい日本海を臨む寿都町には、美味しいご馳走もいっぱい!ホッケの名産地でもある町にはご当地グルメ「寿都ホッケめし」も。開き以外の美味しい食べ方を是非体験してみてください。また、小女子の生炊きしらす佃煮も有名です。お土産にお一ついかがですか?
寿都町までは車で行くのが一番オオスメ!海岸線美しい国道229号線(通称:日本海追分ソーランライン)をドライブしてみませんか?他にも、山の景色を眺めながら中山峠(国道230号線)経由でも行くことも可能。ニセコ町→蘭越町経由で訪れることができます。
交通機関の場合は、JR札幌駅から高速バス「高速いわない号」で約2時間半の岩内へ。そして寿都行きのバスに乗り換え約1時間強で到着します。寿都町から弁慶岬までは、ニセコバス寿都営業所より島牧行きに乗車し、政泊(まさどまり)で下車です。
北海道を旅する時は、寿都町を代表する景勝地「弁慶岬」へ、皆様も足を運んでみませんか?美味しいグルメも待ってますよ!
この記事を書いたナビゲーター
月宮 うさ
花と自然と四季の風景が好きな道産子。趣味は旅行と散歩と食べること。旅のスタイルは歩く!をモットーにあちらこちらに出没中。皆さまの旅行の計画に少しでもお役に立てることを願いつつ、旅の途中で見つけた感動を…
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