全長約4Km!?巨大蚤の市「黒い湖」〜ルーマニア・トランシルヴァニア地方〜

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全長約4Km!?巨大蚤の市「黒い湖」〜ルーマニア・トランシルヴァニア地方〜

全長約4Km!?巨大蚤の市「黒い湖」〜ルーマニア・トランシルヴァニア地方〜

更新日:2016/07/12 11:06

小谷 雅緒のプロフィール写真 小谷 雅緒 ツアーコーディネーター&ガイド

ルーマニアのトランシルヴァニア地方は、歴史的な事情もあり、良くも悪くも時が止まったようなところです。外国から訪れる者にとっては、それがかえって珍しいもの。「黒い湖」は類を見ない巨大青空市で、200年以上の歴史があります。また、マニアな東欧ファンやアンティーク愛好者にも人気の市です。娯楽の少ない田舎では、市が立つことは祭り同然。「黒い湖」はまるでカーニバルのようなにぎわいです。

ハンガリーのふるさと原風景

ハンガリーのふるさと原風景

写真:小谷 雅緒

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ルーマニアのトランシルヴァニア地方は、第一次世界大戦までハンガリー領でした。今もルーマニアの少数民族としてのハンガリー人(マジャル人)が1割弱ほど(約150万人)が暮らしています。そして、その多くはルーマニア西部のトランシルヴァニア地方に集中し、ハンガリー本国以上にハンガリー人らしい暮らしをしています。ハンガリー人をもってして「ふるさと」と呼ぶほど、郷愁あふれる土地なのです。

さて、今回の舞台「黒い湖」とは、人口わずか1500人ほどのルーマニア名[Negreni]町のCrișul Repede(クリシュル・レペデ川)の河川敷で開催される巨大青空市のこと。年に2回、6月と10月の第2週末にかけて行われます。6月は小規模で主に畜産系のラインナップ、メインは10月です。

この市の名称はルーマニア語の [bâlciurile de la Negreni]よりも、ハンガリー語の[Feketetói vásár(黒い湖の市)]の方が通じます。Negreniのハンガリー名[Körösfeketetó]の後半部分[feketetó(フェケテトー)]が日本語では「黒い湖」を意味します。

現在、Negreniにはハンガリー系住民は数人しかいませんが、この市ではルーマニア語よりもハンガリー語が通じるほど、周辺のハンガリー系が集まってくるのです。写真をご覧ください。河川敷いっぱいに店が立ち並びます。(写真は朝方に撮影したもので、まだ人が少ない状態です)

どこで市をやっているの?

どこで市をやっているの?

写真:小谷 雅緒

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市は川を挟んで両対岸で展開されていますが、周辺に橋は1本しかありません。また、橋に行くまでも、あまり来ない列車を気にしながら線路を適当に超えることも。ワイルドでしょ〜。

とにかく広くて、どこからどこまでとは線引きは難しいですが、地図で記したNegreni駅とLacu Crișul駅の間の河川敷、つまり全長3〜4Km程度!Negreniへは鉄道で行くこともできますが、多くの人が買い物目的なので、マイカー利用がほとんどです。遠方から来る人が多いのか、9時台ではまだ準備中の店がほとんど。ハンガリーでは、その日最初の客が買わないと縁起が悪いというジンクスがあるので、9時台の一番乗りだと、強気の交渉でも店はディスカウントに応じてくれることも。

国道1号線沿いの民家の庭先やちょっとした空き地は有料駐車場となり、10時ごろには埋まってしまいます。駐車場の客引きをしているところを見つけましょう。1日料金30レイ(約800円)が相場のようです。現地にしては高めの設定ですが、車上荒らしや物乞いが来ないように見張っていてくれるので、かえって安心です。

何があるの?何が買えるの?

何があるの?何が買えるの?

写真:小谷 雅緒

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黒い湖では入場料有料(25円程度)の公認エリアの外側にも、相当数の出店があり、こちらは非公認エリア。非公認はまさにコバンザメといった感があり、近所の人がフリマ感覚で勝手に店開きしているレベルから、本家に負けないレベルまでいろいろ。また、移動遊園地や縁日的テキ屋も来ています。

公認エリアでは衣料品が圧倒的に多く、服や靴が山積みになっています。それは、まさにド肝を抜かれる量です。しかしながら、ルーマニア的ファッションは、我々日本人や西欧からの訪問者のテイストではありません。

やはり、外国からの訪問者の興味は、ハンガリー本土よりも充実した刺繍やレースのハンドメイド品、そしてアンティークです。ブダペストの観光客向け民芸品店でもよく見かける刺繍やレースのハンドメイド品は、実はここトランシルヴァニアからのものが多いのです。つまり、現地で買えば現地価格。ブダペストで買うよりかなり安いだけでなく、観光客向けの内容と異なる本格品のため、手芸愛好家にはたまりません。

アンティークはどちらかというとヴィンテージからブロカントで、ハンガリー系の「農民家具」と呼ばれるジャンルや、ルーマニアの共産時代のキッチュなグッズなどが手に入ります。これも安い!

支払いはルーマニア通貨レイ、ハンガリー通貨フォリント、ユーロもOK。どの通貨で払っても、極めて適当です。食べ物屋台、トレイや市の入場料は少額なので、お釣りの問題もあり、レイで支払いましょう。わたしがハンガリー語を話すからかもしれませんが、ぼられることはないでしょう。後述しますが、ここは思っているより秩序があります。

ワイルドゆえにちょっぴり不便はあるけれど・・・

ワイルドゆえにちょっぴり不便はあるけれど・・・

写真:小谷 雅緒

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買い物は現金オンリーのため、皆それなりに現金を持っています。非常に混雑しているので、スリなどの不安もありますが、警察官が巡回しており、ゴミがさほど散乱することもなく、意外にも秩序が保たれています。

ここは河川敷の野っ原です。数か所しかないトイレ(有料)の一部は「非水洗」で「和式(?)」で、かなりインパクトがありますが、決して不潔ではありません。お金を取るだけあって、きちんと管理しています。しかし、どうしてもダメな人のために、現代風トレイもあることをここに記します。

確かに、ロマ(ジプシー)も多く、食事をしていると物乞いや物売りが絶えませんが、必要以上にしつこくなく、特に不安はありません。都市部では見なくなった伝統的なコスチュームのロマが多く、かえって珍しいものを見たと思うことでしょう。特に、ロマ女性のきらびやかな格好は、異文化を見た感があり、興味深いの一言です。

写真は食べ物屋台。その多くが炭火焼のチキンやミチチ(ルーマニア風ソーセージ)など、典型的なバルカンのグリル料理です。ルーマニアでも一般的なハンガリー料理グヤーシュ(パプリカで調味した具だくさんスープ)も定番です。

本当はいろいろ買いたいのだけれど・・・

本当はいろいろ買いたいのだけれど・・・

写真:小谷 雅緒

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公共交通で来ると、荷物があまり増やせません。何せ会場が異常に広く、また人ごみの中を大きな荷物を持って移動するのは大変。

しかし、外国人旅行者にとっては、マイカーでもなかなか難しいところです。もしも隣国から陸路で越境する場合、国境検査が極めて厳しいのです。最近は難民問題が深刻化しており、特に厳しくなっています。マイカーでもバンのような大きな車であったり、たくさん買い込んでいると「商用」と認められ、税金が発生します。本来、商品を購入するとレシート(や商用の場合はインボイス)が発行されます。蚤の市ではそれもなく、買った商品の元を証明することができず、貴重なアンティークの国外持ち出しと難癖付けられる場合があるのです。何も問題がなくても、ハンガリーまたはルーマニアのパスポートを所持していないと、国境検査は時間がかかると思ってください。

また、レンタカーで越境する場合、シェンゲン協定の影響があるので、利用条件に細心の注意を。

10月の市は4日間行われます。Negreni周辺の宿泊施設は一見さんは予約が取れにくいことも記しておきます。とにかく、驚くほどのにぎわいを見せる市なのです。

攻略のポイントまとめ

言語:公用語はルーマニア語だが、実質的にはハンガリー語がメイン。英語はほとんど通じないが、単純に金額のやりとりだけなら筆談もアリ。さほど障害にはならないのでは?

通貨:両替所やATMはない。入場料や飲食代などは必ずルーマニア通貨レイが必要。ユーロの現金は小額紙幣で準備、ハンガリー通貨フォリントも便利。出店者によってフォリントまたはレイのいずれかしか受け取らない場合も。

服装:山間部なので、朝方は冷える。2015年度の場合、会期中2日間も雨に降られ、降雨時の気温12度程度と非常に寒かったが、2014年度は午後には30度近くまで上昇。上着や帽子も必須。ぬかるんだ原っぱや河川敷の砂利の上を歩くので、足元も注意。汚れても良い服で。

これだけの歴史と規模の市にも関わらず、ウェブも含めて公式情報など一切なく、トランシルヴァニア地方都市の(民族的に)ルーマニア人でも知らない人がいるほど。

2016年は10月6〜9日に開催。最大の盛り上がりを見せるのは土曜日で、出店数も日によって前後します。掘り出し物を見つけたいなら金〜土曜がねらい目です。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/10/08−2015/10/10 訪問

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