ドイツとの国境にあるアルザス地方は、今でもドイツ語ともフランス語とも聞き分けにくいアルザス語を話し、この地方の人々は自分たちはどちらの国にも属さないアルザシアンという意識が強いのだそうです。
このお菓子は別名クーゲル・ホフ(Kugelhopf)と呼ばれ、クーゲルはドイツ語で「丸い、玉」、ホフは「ビール酵母」を意味します。当時は発酵させる為にビール酵母を用いたそうで、マリー・アントワネットはこのお菓子が大好きで、18世紀に彼女がフランスに嫁ぐ際に持ち込んだと言われています。
日本でもお目にかかれるこのクグロフは、繊細で美味しく上品なバターケーキのように作られている印象ですが、フランスで食べるものはパン菓子といった印象で、発酵された生地にレーズンや湯むきされたアーモンドのみの素朴なものが一般的。ケーキ屋によっては勿論上品なクグロフから、古典的なものまで様々ですが、筆者がお勧めするのは一番シンプルで粉糖だけがまぶされているような素朴なものです。噛むほどに生地の味わいを感じていただきたいと思います。日持ちもするのでお土産にもおすすめのお菓子!
そして、マナラですがこちらは11月末あたりからマルシェ・ド・ノエルでも登場するパンの事で、12月6日のサン・ニコラ(子供の守護聖人)の前後に食べられます。パンではありますが、やはり生地はブリオッシュ生地やミルクパンのようなほのかに甘い菓子パン生地。カスタードクリームやチョコチップが入ったもの、ジャムを入れたようなのもあります。
筆者が現地のパティスリーで作っていたものは、かわいさ重視ではなく手際重視…。棒状の生地にはさみでチョンチョンと手際よく切り込みを入れただけの生地が、発酵と同時に丸みを帯びてかわいらしくなります。お店によっては遊び心の詰まったかわいいものや、食べきれないほど大きいものまであるので、探し歩くだけでも楽しめそうですね。
フェルベールさんのお店は日本でもとても有名で、彼女のジャムのレシピ日本語版は書店で手に入ります。持って行けば、サインをもらえるかもしれませんね。「ヴォートル シニャチュー スィルブプレ」と言えば、サインをしてくださいますよ。
お店の行き方はほかの旅行誌やネットでも簡単に検索できますので、筆者は「何味のジャムを食べていただきたいか」をお伝えします。お店には親切な定員さんが色々教えてくれますし、これだけ有名なお店ですから日本人の方が研修などで働かれていることが多いです。お店で「おすすめありますか?」と聞いてもいいですが、言葉の壁もあるとは思いますので、フランス語も書かせていただきますね。
1.Mirabelles d’Alsace (ミラベル ダルザス)
西洋すももと言われる黄色の小さなプラム。初秋の6週間が旬で、フレッシュで味わう機会が短いフルーツで、お隣のロレーヌ地方の特産品ですが、フェルベールさんのミラベルジャムは絶品です。
2.Gelee de vin d’Alsace(ジュレドヴァンダルザス)またはGewürztraminer(ゲヴュルットラミネール)
甘口白ワイン。ジュレの方はゼリーのようで、まさに白ワインそのもの。パンにつけるのがもったいないくらいです。
3.cerise(スリーズ)、myrtille(ミルティーユ)、framboise(フランボワーズ)
さくらんぼ、ブルーベリー、フランボワーズ
4.〜d’alsace
アルザス産という意味で、迷った時はこの文字を探せばアルザス産の何かを味わうことができます。
お店にはたくさんのフェルベールさんのオリジナル水玉模様の陶器や、お菓子の型も売っていてお菓子好きにはたまらない空間。買い物客は定員さんにタクシーを呼んでもらうことができるので、帰りの電車の時間などを考えて買い物が終わる前にタクシーを呼んでもらうことをお勧めします。小さな町ですのでタクシーがない事もあり得ますので。
HPのURLはフランス語ですが中央の青い枠からジャムの購入サイトに飛べます。事前に味を調べてお店に行くと、間違いないですね。日本でも購入できるものもありますが、実際に現地で購入する方が1/3程のお値段ですし、フェルベール氏のエスプリの詰まったお店にぜひ足を運んでいただきたいです。
Brezel(プレッツェル)ドイツの焼き菓子ですが、日本でもおつまみのような形で目にしたことはあるのではないでしょうか? あの小さい形も発祥はドイツで、おつまみとしてアメリカで主に作られたものが日本の輸入食品店などに出回っているとか。
アルザスでみられる大きいプレッツェル。焼く前にのせるあの岩塩の塩加減と少しクッキーのようなしっかりした生地が何とも言えないくらい美味しいんです! ちなみに、岩塩は食べる前に軽く手で落として残ったものを味わうみたいですね。全部食べると辛いのでお気をつけて。
甘いばかりの食べ歩き、こってりフレンチに疲れた胃には優しい塩加減です。
この菓子はしっかりしていて日持ちもするので、お土産にも向いていますが、それでも硬くなりすぎては美味しくないので3〜4日をお勧めします。写真はコルマールの物ですが、各町にこのような日曜日に開かれる市場ににた大型規模のスーパーマーケットがあり、毎日開いててとても便利。ここでは沢山のアルザスの特産品にもお目にかかれるので、足を運べばお手頃で、素敵なお土産に出会えるのでお勧めです。
Pain d’epice(パンデピス)その名の通り香辛料のパン。パンというよりケーキですが、長方形の食パンみたいな形の物からクッキーまでをパンデピスと言います。
ブルゴーニュ地方の銘菓ですが、ここアルザス地方でもいたるところで見かけます。地方によって味も形も様々ですが、その香辛料のきつさゆえに苦手な方も多いお菓子。大型の長方形のパンデピスを買ってもしも口に合わなかったら…とても残念ですので、お勧めはクッキータイプのもので試してみてから大きいものを買うようにしましょう。
元々は中国のはちみつを使ったお菓子が最初のようですが、さすが美食の国といいましょうか、一口にパンデピスと言っても専門店ができるくらい沢山の味があり迷ってしまいます。味見ができる所もありますが、なければ定員さんに尋ねましょう。
「ジュヴドレ アン パンデピス パ トレフォー」
(あまり強くないパンデピスがほしいのですが)
「ピュイ ジュ グテ サ?」
(こちら味見できますか?)
このお菓子は1か月くらいもつものもあるのでお土産にお勧めです。写真はミレイユ・オステル氏のお店で、日本の雑誌にも取り上げられる有名店。優しい味わいのパンデピスが店内に所狭しと並んでいます。
定員さんも日本人慣れしていて、試食もさせてくれるのでお勧めです!お店HPは関連メモ参照。「On en parle」では現地のTV取材の様子が見られます。
いかがでしたでしょうか?今回は数あるお勧め菓子の中からの抜粋でしたがアルザス地方ではまだまだたくさんの美味しいお菓子、料理、ワインなどがあなたをお待ちしています。
沢山のお店の中から、的を絞って買いに行くためにも今回フランス語で表記しているので、興味があればインフォメーションでどのお店がお勧めかなどを聞いてから観光することをお勧めします。
この記事の関連MEMO
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/12/14更新)
- 広告 -