埼玉県羽生市「ジャパンブルーテラス」これが武州一の藍染めだ!

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埼玉県羽生市「ジャパンブルーテラス」これが武州一の藍染めだ!

埼玉県羽生市「ジャパンブルーテラス」これが武州一の藍染めだ!

更新日:2015/08/18 09:41

いなもと かおりのプロフィール写真 いなもと かおり 城マニア、観光ライター

日本人が古くから親しんできた「藍染め」が再びブームになっています。創業より100余年、埼玉県羽生市にある野川染織工業は、利根川が生んだ栄養豊富な羽生の地で「本藍染」の文化を後世へ繋いできました。藍染めといえば布を染めるイメージですが、羽生の藍染めは糸から染めます。職人が“愛”を込めて作った藍染めが買える、工場直販のセレクトショップ「ジャパンブルーテラス」をご紹介します。

藍は生きている。

藍は生きている。

写真:いなもと かおり

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埼玉と群馬の県境に位置する羽生市は、「さいたま水族館」があることや、「世界ゆるキャラサミット」が開催される地として知られ、古き良き藍染め文化の街としても有名です。

江戸時代中期、北埼玉では藍が栽培されるようになり、青縞(あおじま)の生産が盛んに行われ一大産業となりました。かつては300軒もあった藍染め職人の紺屋も、現在では羽生市内に3軒のみしか残っておりません。しかし、武州正藍染の剣道着シェアは全国の8割を占めるほど。まさに藍染めの聖地です。

大正3年創業の野川染織工業は、糸から染める「正藍染」が手法。菌の繁殖量が異なる「藍甕」を何度もくぐって、糸にしっかり染み込ませます。布染めとは違い、ムラのないキレイな出来映えとなります。

藍甕に中には、藍玉を入れバクテリアを発酵させ作った藍液が入っています(藍建て)。エサとなる小麦粉と石灰を入れ育った微生物はph12の強アルカリ性でも生きる強い生き物です。藍の世話は毎日続き休む暇もありません。呼吸をさせるために掻き回し、温度管理もおこないます。言葉では書ききれないほどの大変な作業です。手塩にかけて、まるで子育てのよう。「藍と糸との格闘」だと野川社長はいいます。

大変な手間暇の末、完成する藍染めの衣服は愛情もいっぱいですが、大きな効能をもたらします。野川染織工業は、本来の武州藍染めの伝統と技術を引き継ぐ「藍」の老舗なのです。

天然発酵建てのすごい効果!!

天然発酵建てのすごい効果!!

写真:いなもと かおり

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野川染織工業は化学反応を使わない、「天然発酵建て」の藍染めです。なんと糸染めによる天然発酵建ての藍染めは羽生市ではここだけ。職人の技術と根気がないと続けることは難しい、古来より続く伝統の藍染めです。

「天然発酵建て」の染め方は生地を丈夫に長持ちさせるだけではなく、鎮静剤や解熱などの薬効、防虫効果など様々な効果をもたらしてくれます。バクテリアの菌が糸に染み込んでいるためです。抗酸化作用がある藍染めは肌に触れるだけで健康的になるというから驚きです。また、汗を吸ってベタつかないため着心地も良いです。1着あったら何十年と着ることができる衣服で、作業着としても人気が高いです。

野川染織工業の藍染めが買えるショップ

野川染織工業の藍染めが買えるショップ

写真:いなもと かおり

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普段は作業場の見学は行っておりません。ですが、作業場から少し離れた所にある、野川染織工業直販のセレクトショップ「ジャパンブルーテラス」で藍染め商品に触れることができます。

オープンから5年、商品数は約100点にも及びます。こちらでは、全てが糸から藍染めされた商品が販売されています。作業着や下着、靴下、バックに至まで種類は様々。完全オリジナル商品です。

シーツやピロケースなどは、睡眠時間と同じ時間藍に触れることができるため健康的になります。体に良い作用をもたらす藍製品を、大切な人へのプレゼントに購入する方もしばしばいらっしゃいます。

一品限りの商品です

一品限りの商品です

写真:いなもと かおり

藍染め小物の商品は、ほぼ現品1点限り!出来立てホヤホヤです。
運が良い時は、ショップの店員さんがカウンター内で商品を制作している現場を目撃できるかもしれません。

ネックレスや髪留めといった身につけるものから、コースターやペットボトルケースまであります。中でも目立ったのは藍染めのドアストッパー。ジャパンブルーの藍色がオシャレで、藍染めのインテリアは和室にもマッチしていて上品で贅沢な商品です。

併設された「ショールーム」

併設された「ショールーム」

写真:いなもと かおり

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白糸をはたき、藍で染め、洗い、乾燥させ、糸を巻き、縫製する。言葉では書き表せない様々な工程を経て、丹誠込めて作られた藍染めの商品。ジャパンブルーテラスに併設されたショールームでは、かつて使用していた「藍甕」や「小巾自動織機」といった歴史ある藍染めの遺産が展示されています。

昔は、甕場に素焼きの「藍甕」が168本もあり、職人の手によって糸を染めていたそうです。
染まった糸を布にするための「小巾自動織機」。こちらは世界に誇る豊田式自動織機の後継機種です。江戸から明治、大正、戦前までは手作業により機を織っていました。経(たて)糸と緯(よこ)糸を織り込む際には「カタン」という音が響き渡っていたそうです。なんだか、昔の風景が想像できますね。

機械の発展でそのスピードは格段とあがりましたが、工程は昔と変わらず、手間をかけて「藍」にこだわりぬいています。羽生の本藍染め原点と歴史文化を見学できるのも「ジャパンブルーテラス」の魅力です。

昔から愛される藍染めの文化に会いに行きませんか?

藍染めの万能な効能を、古来の人はすでに気がついていたそうです。傷や怪我が多い戦国武将は殺菌・消毒作用を求め、火消し職人は燃えにくい生地の藍染め衣装を着用しました。そして現在、健康に気を使い、長く着用できる藍染め製品が再びブームとなっています。
「武州一の本藍染」に直接触れられるショップは「ジャパンブルーテラス」だけ。野川染織工業は見学などはおこなっていないためご注意ください。古き良き藍染め文化を求めに行ってはいかがでしょうか?

掲載内容は執筆時点のものです。 −2015/08/07 訪問

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