ルーマニア・ブコヴィナ地方の世界遺産「五つの修道院」!フレスコ画で覆われた外壁が素晴らしい

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ルーマニア・ブコヴィナ地方の世界遺産「五つの修道院」!フレスコ画で覆われた外壁が素晴らしい

ルーマニア・ブコヴィナ地方の世界遺産「五つの修道院」!フレスコ画で覆われた外壁が素晴らしい

更新日:2015/09/28 19:07

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家

陽気で親切、困っている人を見ると放っておけない温かい人々で溢れているルーマニア。ドラキュラ伝説のトランシルヴァニア地方が観光のハイライトとなりがちですが、北東部・ブコヴィナ地方も緑豊かな丘陵と平原が広がり、外壁がフレスコ画で覆われた修道院が点在する魅力的な地方。オスマン朝が最盛期だった時代にルーマニア中世文化の花開いた所です。昔ながらの生活が息づく国の世界遺産「五つの修道院」をご紹介します。

昔ながらの生活が残るルーマニアのブコヴィナ地方

昔ながらの生活が残るルーマニアのブコヴィナ地方

写真:Hiroko Oji

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ハンガリーやブルガリアと国境を接し、国の一部が黒海に接するルーマニアは、農林業や牧畜を主体とし、伝統的な生活が今なお根付いている国です。その中でも、旧ソ連のウクライナやモルドヴァ共和国にも接するブコヴィナ地方は、緑豊かな丘陵と平原の広がる土地。大きな町を少し離れると荷車を引いた馬が行き交う姿をあちこちで見ることができます。荷馬車に向かって手を振ると、人懐っこい笑顔で答えてくれる荷台の人。荷馬車は、ちょっとした荷物運びや田畑での作業には、いまだに現役で活躍中です。

平原の合間に建つ小さくて素朴な木造の家々、スカーフを頭に被って窓際のベンチに腰掛けてご近所さんとのおしゃべりを楽しむ村人の風景・・・まるで時が止まったかのような風景に心が和みます。

唯一戦闘場面が一角に描かれたモルドヴィツァ修道院

唯一戦闘場面が一角に描かれたモルドヴィツァ修道院

写真:Hiroko Oji

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16世紀の初頭に黄金期を迎えたブコヴィナ地方は、オスマン朝のもとで自治権を与えられルーマニア中世文化が花開きました。この頃貴族たちによって建てられた修道院の特徴は、教会の外壁をうめつくす色鮮やかなフレスコ画。聖人の肖像画や聖書の一場面が描かれ、色鮮やかに彩色されています。世界文化遺産に登録されている修道院は8つあるのですが、その中の5つ(モルドヴィツァ、スチェヴィツァ、フモール、アルボーレ、ヴォロネツ)が観光のハイライトとなっています。

まず最初にご紹介するのは最も美しいといわれるモルドヴィッツァ修道院。1532年に建てられ、聖堂南面の一角に戦闘場面が描かれているのが特徴的です。626年のペルシャ軍襲来がモチーフとなっていて、当時のオスマン朝への恐怖心が表されているとのこと。付属の博物館にはロシア皇帝のエカテリーナ2世から贈られた聖書などが展示されています。

また、村自体も見学するに値する農家の伝統的な木材の家屋が並んでいます。屋根付きの車輪巻き型の井戸があり、農家と井戸の彩りは素晴らしい。修道院の見学がてら、村を散策してみてくださいね。

「五つの修道院」の中では最大規模のスチェヴィツァ修道院

「五つの修道院」の中では最大規模のスチェヴィツァ修道院

写真:Hiroko Oji

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スチェヴィツァは1581年に、ラダウチ司教の命で着工され、1586年に完成。彩画を持った北モルドヴァの修道院の中で最も新しく、かつ最も優れており、保存状態が良く、「五つの修道院」の中では最大規模の敷地を持つといわれています。

北面外壁全面に描かれた「天国への梯子」が目を引きます。現世で徳を積んだ者が天使に導かれて32段の天国への梯子を上り、罪を犯した者が悪魔の手に入るという様子が画かれているのです。南側壁面には「エッサイの樹」と聖母をモチーフにしたそれぞれの場面が描かれ、西壁には「最後の審判」、東面には「聖人伝」と、ストーリー性をもち、16世紀モルドヴァ地方の日常生活を題材にした壁画が多い修道院です。

グラ・フモールの町から徒歩でも行けるフモール修道院

グラ・フモールの町から徒歩でも行けるフモール修道院

写真:Hiroko Oji

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フモール修道院へは、グラ・フモールの町から6キロメートルほど歩くと行けるのですが、ホテル・ベストウェスタン・ブコヴィナ前からマイクロバスも出ていて、こちらを利用すると便利です。

1530年に、モルドヴァ公国の大臣夫妻によって建てられ、壁画は宮廷画家のトーマらによって1535年に仕上げられました。唯一画家の名前がわかっているのがこの修道院。壁画の保存状態は大変悪く、南面のみがかろうじて判別できる状態で、「コンスタンティノープルの包囲戦」と、それにちなんだ「聖母マリアへの24の賛美歌」が残っています。

長閑な田園風景と伝統的な家屋が続く中ヴォロネツ修道院へ

長閑な田園風景と伝統的な家屋が続く中ヴォロネツ修道院へ

写真:Hiroko Oji

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ヴォロネツ修道院は、フモール修道院とはグラ・フモールの街を挟んで反対側にあり、こちらにも歩いていくことができます。ただし、マイクロバスなどはなく、徒歩のみ!途中の風景は、長閑な田園風景の中に、広い緑豊かな庭と伝統的な家屋が続きます。門扉や窓枠を飾る装飾が各家ごとに違いがあって、かつ可愛いので、それらを眺めながら歩くのも楽しいひと時です。

お土産物屋が品物を並べる参道を歩いていくと、1488年に完成したヴォロネツ修道院が奥に控えています。東壁には「聖人伝」、南壁には「エッサイの樹」、西壁には「最後の審判」が描かれています。ヴォロネツ修道院の教会堂は、「東のシステイーナ礼拝堂」とも称賛されるほど。壁画にふんだんに使われている豊かな水色のヴォロネツ・ブルーは、北モルドヴァの芸術のオリジナルの色彩で、現代的な科学ですら再現できないといわれています。また、内部には閏年を含めた366日カレンダーが描かれているのも見所です。

最後に

ここでご紹介した修道院のほかに、アルボーレ修道院を加えて「五つの修道院」と言われています。五つの修道院を特徴付ける色は、モルドヴィッツァ修道院がゴールデンイエロー、スチェヴィッツァ修道院が赤と緑、ヴォロネッツ修道院がブルー、フモール修道院が赤、アルボーレ修道院が緑。そういうところにも着目して見学するとまた面白さもちがってきて興味深くなることでしょう。

これらの修道院は、どこも公共交通機関では訪れるのが難しい場所にあります。グラ・フモールにホテルを確保すれば、二つは徒歩圏内ですが、一番手っ取り早く回るのなら、タクシーをチャーターして回るのがいいでしょう。1日で、周りたい修道院を伝えると、コースを組んでくれ、途中の見晴らしの素晴らしいところや、観光ポイントにも寄ってくれますので、ドライバーさんとしっかり打ち合わせしてくださいね。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/06/01−2013/06/04 訪問

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