秘湯、奥蓼科。渋御殿湯の冷たい鉱泉でスベスベサッパリ

秘湯、奥蓼科。渋御殿湯の冷たい鉱泉でスベスベサッパリ

更新日:2015/08/24 12:18

茅野からバスでおよそ五十分。県道191号線、湯みち街道を進めば明治温泉や辰野館などの鉱泉の湧く一軒宿が点在する奥蓼科温泉郷へと入ります。その行き止まりとなる一番奥に、渋御殿湯があります。

白樺湖や蓼科高原の南東に位地し、ちょうど八ヶ岳西側の登山口でもあるこの宿は、登山客の下山後の立ち寄り湯としても賑わっています。また周辺には、尖石縄文考古館や、東山魁夷にも描かれた御射鹿池など、見どころも沢山。

標高1880mの高地。手付かずの大自然に囲まれた秘湯。

標高1880mの高地。手付かずの大自然に囲まれた秘湯。
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渋の湯温泉とも呼ばれるこの温泉地は、宿が一軒のみのまさに秘湯。春には新緑、標高1880メートルの高地なので夏は涼しく、秋は見事な紅葉とともにカモシカも姿を現すといいます。そして何より、白樺、蓼科高原に比べてあまり知られていないため、いつも空いているのが嬉しい。

不便だからこそ本物の秘湯

不便だからこそ本物の秘湯
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この渋御殿湯さんは六畳間のみの安い東館(上流側・一泊二食9720円)と、八〜十畳間の西館(下流側・休前日及びGW夏期間一泊二食12960円)とに別れています。西館に対し東館の方が安いのですが、共同トイレが汲み取り式でドコモの電波も圏外となります。温泉宿と言うよりも登山客向けの山小屋に近い感じかもしれません。

車で行かれる方は問題無いのですが、公共交通機関を利用する場合は注意が必要です。路線バスが茅野発10:25と13:55の、なんと1日2本!(土曜休日は早朝に一本増発)。渋御殿湯発も11:30発が始発なので、10時のチェックアウト後はロビーでゆっくりしたり付近を散策したりしながら、のんびりと過ごしましょう。

ちなみにバスは冬季は運休となりますが、道路は閉鎖されません。

冷たいけど温泉。硫黄の濃さが泉質の良さを物語る

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お風呂は東館の端と西館の端にそれぞれあり、利用料1000円の日帰り入浴では西館のお風呂のみ。部屋での休憩も込みであれば2000円かかりますが、東館のお風呂も利用出来ます。洗い場やシャワーが完備されているのは西館のみ。しかし、足元自噴のお風呂は東館にしかありません。

写真は東館の浴室。浴槽は奥から26度の渋御殿湯源泉の冷泉掛け流し、中央が31度の渋長寿湯源泉で足元自噴の冷泉。手前は渋御殿湯源泉を43度に加温した浴槽。鄙びた雰囲気が素晴らしい。

足元自噴の浴槽は天然のジャグジー

足元自噴の浴槽は天然のジャグジー
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中央の渋長寿湯源泉の浴槽は底が木の板になっており、板の隙間からボコボコと泡が湧き出ております。まさに天然のジャグジーで、素晴らしいの一言に尽きます。

女湯は底がコンクリートで足元自噴にはなっていませんが、お湯は男湯と同じで鮮度抜群です。31度は温いというよりやや冷たいといった感じですが、加温された浴場と交互に入ればサウナのような気持ち良さ。浴感はガツンと刺激的でピリピリするほど。しかし湯上がりは肌がスベスベとなります。

ただし、入浴は夜10時まで。10時になるとオーナーのバスタイムとなります。熱いお湯と冷たい冷泉なので、万が一の事故などを心配されているのかも知れません。

古い施設でも贅沢なひととき

食事は質素なものですので、色々な面で贅沢さを求める方にはお薦め出来ません。しかしイワナは美味。ちなみに館内のフロントに酒類の自動販売機があるので、アルコールは確保出来ます。

登山目的の方や純粋に良い温泉に入る事を目的とされる方にはお薦めです。露天風呂も豪華な食事もありませんし、何にもない山の中。有るのは綺麗な水と空気と最高の温泉(鉱泉)、ただそれだけです。しかし、それだけあれば充分と思えるかどうかは目的次第。

また、渋御殿湯の北側には唐沢鉱泉、南側には夏沢鉱泉など、同じような硫黄冷鉱泉がいくつかあります。この八ヶ岳西麓の特徴とも言える冷鉱泉巡りなども面白いかも知れません。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/07/12−2015/07/13 訪問

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