最初の十二支守り本尊まいりは寄居駅より北へ歩き約25分の天正寺です。天正寺は宝亀3年(772年)に不思議法師が現れ、安房の国清澄時の虚空蔵菩薩と同じ木で彫り出した菩薩像を安置したことに由来したと言われています。
丑年、寅年生まれの守り本尊である虚空蔵菩薩は、虚空のように無限の知恵や功徳を持ち青空のように限りない利益をもたらします。
次は天正寺から西へ約25分歩いた所にある正龍寺です。正龍寺は花園城主藤田五郎政行が創建し、貞和4年(1348年)臨済宗の僧實翁和尚が山号を青龍寺と号しました。その後曹洞宗に改宗し正龍寺となりました。
普賢菩薩は辰年、巳年生まれの守り本尊で、人生の師として最高の境地に達した理想像と言われ、六牙の白象に乗って現れるそうです。
藤田善導寺は浄土宗の寺院で、正式名は白狐山真院藤田善導寺、別名を藤田道場、藤田の檀林と言われています。本尊は室町中期に作られた阿弥陀如来で、戌年と亥年の守り本尊です。子年の守り本尊の千手観音は本堂横の開山堂に安置されているのでこちらへのお参りを忘れてはいけません。
千手観音は大勢の人々の苦悩を取除き、願い事をかなえるために千本の手があると伝えられています。
文殊菩薩を本尊とする少林寺は、永正8年(1511)、長泉寺開山大洞存「大和尚が乞われて開山されたと言われています。山中に釈尊、十六羅漢、五百羅漢の石像と千体荒神石碑が安置されています。
文殊菩薩は卯年生まれの守り本尊、知恵を象徴しており、三人寄れば文殊の知恵として伝えられています。
天正寺、清瀧寺、善導寺、少林寺と4つの寺院は寄居駅の北側にあり、残りの放光寺、浄心寺、正樹院、西念寺は南側にあり、少林寺から放光寺までの道のりは1時間ほどかかります。これからは寄居の街並を歩きます。
放光院の創建年代は不詳ですが、僧穏誉が開山となり創建したといいます。本尊は勢至菩薩で午年生まれの守り本尊です。勢至菩薩は知恵の光をもって人々を救います。
浄土宗寺院の浄心寺は、木持山荒川院と号します。本尊は不動明王で酉年生まれの守り本尊です。小さな寺院は無住で、案内には、「浄心寺は無住のため、善導寺にて押印いたします。」と書かれています。不動明王は動かざる尊者という意味で、如来が手を焼く有情を救うために恐ろしい形相で現れると言われています。
十二支守り本尊とは、「それぞれの人の干支によって守護する仏様が定まっている」という信仰です。この守り本尊は福を、招き持って生まれた長所を伸ばし短所を抑えると伝えられています。
大日如来が本尊の正樹院。創建年代は不詳ですが僧安誉が開山となり創建したと言われています。未、申年生まれの守り本尊の大日如来は宇宙そのものとされ、如来ながら菩薩の形をとっています。
浄土宗寺院の西念寺は、鵜澤山寂仙院と号します。西念寺の創建年代は不詳ですが、僧法誉が開山となり創建したと言われています。本尊の阿弥陀如来は限りない智慧と命を持って人々を救うとされ、戌、亥年生まれの守り本尊です。
仏の世界にもいくつかの段階や種類があります。一番位が高いのは、悟りを開いた如来です。二番目が悟りを求める修行者の菩薩、三番目が如来の教えに従わないものを忿怒相で救済する明王です。正樹院、西念寺とも本尊は位の一番高い陀如来です。
寄居町では、武州寄居十二支守り本尊まいりのパンフレットと標準コースと所要時間の案内があります。また、各霊場では御朱印帳の押印と本尊をかたどった起き上がりこぼしが販売されています。御朱印帳を持って旅の記録を残すのも楽しいですね。
8か所の霊場を徒歩で回るのに約3時間の道程になります。それぞれの霊場には駐車場も完備されているので、自分の体力に合わせて徒歩、車、鉄道を組み合わせておまいりしてください。
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(2023/11/29更新)
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