北海道先住民であるアイヌ人たちは、この地を湖から流れ出る千歳川の凹地をさす地名としてアイヌ語で「シ・コツ」(大きい凹地または谷)と名付けました。名前の通り、支笏湖は深さ約360メートルで日本第2位の深度を持ちます。その深さゆえ、冬の厳しい寒さのなかでも凍ることがなく『最北の不凍湖』と言われています。
なんといっても、透明度の高さが素晴らしく、波がないときは鏡のように空が映ります。浅瀬では底が透けて見え、緑色の水草が映えて水面が美しいエメラルドグリーンになります。
ボートに乗ってのクルーズ、または定期的に出ている遊覧船で、ゆっくりと湖の美しさを楽しめます。
明治期になるまで、支笏湖にはアメマスという魚のみが生息していました。
支笏湖にまつわるアイヌのこんな伝説があります。
北海道の鳥をつくった国道神(コタンカラカムイ)というものすごく大きな神様がいました。国道神が支笏湖をつくったとき、深さを知るために中に入ってみるととても深く、腰につかるほどで深みにはまってしまいました。海に入っても膝まで濡れたことがなかった神様は、すっかり腹をたて、湖に放した魚をみんなつかんで海に投げ返してしまいました。そのとき、たった1匹だけアメマスが隠れていてつかまらなかったため、支笏湖にはアメマスしか住んでいないと伝わっています。
明治27年に阿寒湖からヒメマスが移植され、今ではヒメマスが名物となっています。プランクトンがおらず、澄んだ水の中で育ったヒメマスは臭みがなく、すっきりとした美味しさです。
ヒメマス料理を食べるなら、商店街の中にある食事処 寿のヒメマス定食がおすすめです。チップ(ヒメマス)寿司や焼き魚が楽しめます。自然の恵みに感謝の1膳です!
支笏湖は、支笏洞爺国立公園のなかに位置しています。園内には、国立公園と周辺の自然を紹介するビジターセンターや、温泉と自然を楽しめる休暇村があります。
休暇村は、湖を見下ろす高台にあります。周囲には森がひろがり、野鳥が観察できるコースが隣接するなど自然を満喫するのにぴったりの場所です。天然記念物のクマゲラも見ることができるなど、バードウォッチングもおすすめです。
森ができるまでには、様々な工程を経ます。まず、何もない土からはじまり、だんだんと植物が増えていきます。最初に、太陽を好む植物が生え、次に日陰を好む植物へと変わっていきます。構成される植物がほとんど変化しなくなった森林を「極相林」といい、森ができあがるころには、ほとんどが日陰を好む陰樹となります。まれに、環境によっては、日光を好む陽樹も混在します。
まさに、「極相林」でありながら陰樹と陽樹とをあわせ持っているのが、この支笏の森です。これはとても珍しいことで、森の中を歩きながら、広葉樹と針葉樹をいっぺんに楽しめます。
こちらは、アオダモの木。とても固く、粘りがあるためスキー板やテニスのラケット、バット材として使われています。
葉っぱが天狗の葉うちわに似ていることから名前がつけられた、ハウチワカエデ。北海道では5月に赤い花が咲きます。夏場は緑が美しく、秋には真っ赤に紅葉します。枝ぶりも悠然と目を楽しませてくれます。
園内にはベンチがいくつもあり、休憩場所としてもおすすめですよ。
新千歳空港から車で約45分で商店街のある湖畔につきます。今回ご紹介したのは、支笏湖商店街側の観光スポットです。湖周辺は道が走っており、車でぐるりと周囲をまわることができます。山深いため、季節によっては通行止めになることもあり、事前に確認をおすすめします。
一般交通機関のご利用では、バスで新千歳空港から支笏湖行きが出ています。便数が少ないので、時刻をお確かめの上お出掛けくださいね。
季節ごとに違った表情を見せてくれる大自然をぜひ満喫ください!
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(2023/12/6更新)
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