写真:Hiroko Oji
地図を見るオーストリア・インスブルックの東、有名なスキー場の一つにキッツビュール(Kitzbuhel)というところがあるのをご存知でしょうか。その北側では、ゴツゴツとした石灰岩でできた山脈「カイザーゲビルゲ」が威風堂々と存在感をアピールしているのです。
カイザーゲビルゲ(Kaisergebirge)は、南側にあるヴィルダーカイザー(Wilder Kaiser ワイルドな皇帝)と、北側にあるザマーカイザー(Zahmer Kaiser 飼いならされた皇帝)という、主に2つの山脈から成り立っています。
麓にはセル(Söll)、シェファウ(Scheffau)、エルマウ(Ellmau)、ゴイング(Going)といったお花や凝った看板で溢れる美しい村々があり、これらの4つの村が1つの観光地域を作り、ヴィルダーカイザー地方という名前でたくさんの観光客を呼び寄せています。
写真:Hiroko Oji
地図を見るヴィルダーカイザー地区では一番西に位置するセルの村外れから、ゴンドラを乗り継いで山上へ向かいましょう。途中の乗換駅では、ヘクセンワッサー(Hexenwasser)というテーマパークが広がっていて、たくさんの子供たちが様々な水遊びを楽しんでいます。
頂上駅には、鱗のように壁が木片で埋め尽くされた小さな礼拝堂があり、そばのレストランでは観光客でにぎわっています。ここからは、カイザーゲビルゲの姿を見渡せ、その西側の緑に包まれた山も眺められ、見晴らし最高!
この頂上からハイキングもできますが、セルとは反対側の谷にもゴンドラが出ていて、麓のホプフガルテン(Hopfgarten)の美しい村や見ごたえあるフレスコ画の教会を訪問することもできます。
写真:Hiroko Oji
地図を見るセルの隣村シェファウの村外れからゴンドラに乗ると、途中で乗り継いでブランドルスタドル(Brandlstadl)という、頂上のテーマパークに到達します。ここには、自然の木材などを利用して作った遊具やベンチがあちこちに設けられ、大人も子供ものんびり楽しく過ごせる工夫がされています。
ここから、隣村のエルマウ背後の山頂エルミルズザウバーヴェルト(Ellmil’s Zauberwelt)まで約1時間半のハイキングコースが延びています。途中には牧草地、カイザーを映し出す湖が続き、自然木を利用したベンチや小屋・大きな写真フレームなどが配置され、遊具のようなものも置かれ飽きることなく歩けるコースになっています。
本来ならエルマウ頂上駅に到着したらケーブルカーに乗って村に下れるのですが、2015年夏現在、工事のためケーブルカーは運行していません。なので運行が再開される2015年冬までの期間は、エルマウの村まであと約2時間の下りが続くことになります。カイザーの姿を楽しみながら下っていってくださいね。
歩くことはちょっと…とおっしゃる方は、ブランドルスタドルにあるレストランから眺めをしっかり楽しんでゴンドラで下ってくださいね。
写真:Hiroko Oji
地図を見るヴィルダーカイザー地方には、美しい村が点在しています。その中で一番大きくて賑やかなのがエルマウ。メインストリート沿いに並ぶお家のバルコニーには溢れるような色とりどりのお花が咲き誇り、手摺のデザインがお家によって少しずつ違っていて、見る楽しみがいっぱい!建物の合間からカイザーの岩山の姿も望め、麓に広がる牧草地が長閑さを伝えています。
また、セルやゴイング、シェファウの村はちょっと小ぶりの集落ですが、美しさはエルマウに引けを取りません。お花だけでなく、壁絵にも味があります。それぞれの中心地にある教会の姿も美しく、中は見事なフレスコ画の装飾、これも楽しみの一つとなることでしょう。
写真:Hiroko Oji
地図を見るゴイングから出るチェアリフトに乗れば山上のアストベルグ(Astberg)湖に行くことができます。小さくて湖畔にはベンチがいくつかと十字架があるだけですが、鏡のような湖面に映し出されるカイザーの姿に見惚れてしまいます。
また、シェファウの山上とエルマウの山上のちょうど真ん中あたりにある湖ヨッホスチューブン(Jochstub’nsee)からも、湖面に映るカイザーが楽しめ、ハイキングの途中の休憩場所にぴったりの湖です。さらにエルマウ頂上駅そばのハルトカイザー湖(Hartkaisersee)も同様にホッと一息入れることができますので、その眺めをたっぷり味わってくださいね。どの湖も澄んでいて、お魚の姿もたくさん見ることができます。中には泳ぐ人の姿も・・・。
さらに、ゴイングの先のバドゼー(Badesee)がある集落では、美しい湖を利用して、まるで日本の市民プールのような施設として解放されています。ここでは、カイザーを見上げながらゆったり過ごすことができますので、お時間があればぜひ訪ねてみてください。
いかがでしたか?威風堂々としたカイザーゲビルゲ麓で過ごすひととき。どの村でも宿泊するにも移動するにも便利で心身ともに癒されることとなるでしょう。この地区に宿泊すると、ゲストカードを発行してくれ、それを利用すると「カイザージェット」という西端のセルから東端のゴイング・バドゼーの間を走るバスが無料で利用できるのです。またシェファウの村から出るゼーバス(SEEBUS)にも利用でき、ひっそりと山間に佇む美しいヒンターステイナー湖(HintersteinerSee)へも行けますので、カードの提示をお忘れなく。
また、サマーカードを購入すれば、このヴィルダーカイザー地区のみならず、キッツビュール地区や一筋南側の谷でのロープウェイやゴンドラリフトとポストバスが期間中乗り放題となります。購入時にホテルのゲストカードを提示すると割引もありますので、さらにお得になります。ご自分の予定に合わせてお得なカードで行動範囲を広げてくださいね。
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この記事を書いたナビゲーター
Hiroko Oji
旅の計画を練り、現地でその土地ならではの経験を楽しみ、帰ってきたら写真の整理をして旅行記や記事を書くと、一つの旅で3〜4回楽しんでいます。アメリカで大自然の偉大さに圧倒され、人生観が大きく変わりました…
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