今回の万博のテーマ『地球に食料を、生命にエネルギーを』について、考えさせてくれるパビリオンが『パビリオン・ゼロ』。その展示内容は、人類と食物の関わり方について様々な形で表現されています。
穀物や果実などの種がパネルと写真を使って展示されている部屋では、その美しい展示方法が印象的。昔の農村が近代の大都市へ発展していく過程を、ジオラマで解説している部屋や、大量の食料廃棄物の模型など、考えさせられる展示も。
また、壁全面が巨大なスクリーンになっている部屋や、壁一面の無数のモニターに世界中の食に関する映像が流れている部屋など、実際に見るとその大きさや表現方法に驚かされる様な映像も楽しめます。
開催国イタリアのパビリオン。その展示規模は今回の万博最大級。訪問した時は40分待ちで入館しましたが、混んでいる時は2時間待ちになる事もあります。行く際には時間には余裕を持ってスケジュールを組むか、朝イチで向かうと良いでしょう。
館内で最も目をひく展示は、部屋の全面がスクリーンと鏡で作られ、映像が流れる部屋。イタリア中の景色や名所、絵画などが次々と流れ、まるで映像の中に迷い込んでしまったような感覚になり、一見の価値アリです。ただし床も鏡になっているので、女性の方はご注意を。なお、万博のシンボルである「The tree of Life(生命の木)」という大きなモニュメントはイタリア館のすぐそばにあり存在感も抜群。夜にはライトアップショーが行われ、昼とはまた違った姿を見せてくれます。
開幕当初から注目度が高く人気パビリオンの一つになっている日本館。スタッフの話では日によっては2時間待ちの日もあるとの事。テーマは「Harmonious Diversity −共存する多様性−」。
まず最初の部屋では、書道と水墨画の世界が融合した幻想的な映像で日本の紹介があり、その次に、ハーフ・ミラーとプロジェクションマッピング技術を組み合わせた立体感ある映像で日本の四季を表現。日本的なBGMと他にはない美しい映像が。その後、スマートフォンのアプリと連動する展示や、日本の食文化を伝えるパネルの展示などが続き、最後はダイニングテーブル風の席でお箸を使って参加する体験型ショーを鑑賞。最初から最後まで様々な形で楽しめる作りになっており、日本の魅力を再確認させられます。
パビリオン外のステージで歌や民族舞踊のショーを次々とやっており、並んでいる待ち時間も楽しめます。入館すると始めに、サンドアートパフォーマンス(砂を手であやつりながら絵がアニメーションの様に変わって行くパフォーマンス)映像による、カザフスタンの歴史の紹介が始まります。
この映像が非常に素晴らしく、終了後は自然と大拍手が巻き起こるほど。その後、食糧に関しての展示があり、中にはチョウザメが泳ぐ大きな水槽があるなど、展示方法にも工夫が。そして最後は3Dで楽しめるシアターが登場。このシアター、座席全体が動く作りになっていて、もう本格的な一つのアトラクションです。こちらでは、まるで空を飛びながらカザフスタンを見て回っている様な感覚になり、大人も子供も楽しめること請け合いです。
ところで、カザフスタンは2017年に首都アスタナでの万博開催が決定しています。余談ですが、21世紀以降の万博は5年に一度の「登録博」と、その間に行われる規模が小さい「認定博」にわかれているのです。今回のミラノ万博は「登録博」であり、アスタナでの万博は「認定博」になるのですが、そのためのPR色もかなり強く、最後のシアターもそれを意識させる作りになっていました。
メインの展示は、大型スクリーンで見る約8分の短編映画。現代の少女がタイムスリップをして、おじいさんの時代のUAEに行ってしまった。そこは今と違い水が簡単には手に入らない時代。そこで少女が体験した事とは? という内容。
今でこそオイルマネーで潤う同国ですが、ほんの5、60年前までは砂漠が広がる不毛地帯。水の確保は本当に大変であり、水と食料の大切さについて考えさせられるという意味でも訪問の価値があるパビリオンです。
なおUAEのドバイは、2020年、次の「登録博」の開催国です。カザフスタンほどではないですが、もちろんそのPRもしてました。
万博の魅力は何と言っても「一つの場所で世界中の文化を楽しめる」事と「最先端の技術が見られる」事。今回は「食」がテーマなだけあって、技術の面は少々目立っていませんでしたが、各国パビリオンでその国々の食事が販売されていたり、飲食が楽しめるパビリオンも多数出ています。『食』について考えると同時に『食』を楽しめる万博という作りです。
会場内は大変広いのですが、外周を循環バスが走っていますので上手く利用するのが移動のコツ。会場マップは入場口周辺でもらう事ができます。また、会場内には水の持ち込みが禁止されていますが、所々に給水所が用意。ペットボトルのみであれば持ち込めるので、給水所で水を補充する事が可能です。(もちろんペットボトルドリンクの販売もしています。)
私は会場がオープンする10:00から入場し丸一日滞在したのですが、全体を見るには全然時間が足りず、まだまだ見て回りたいと思わせてくれました。ぜひミラノ近くに行かれる際には、万博も楽しまれてはいかがでしょうか?
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(2024/12/14更新)
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