大量の銅剣と謎の刻印!島根県・荒神谷遺跡から見る古代出雲

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大量の銅剣と謎の刻印!島根県・荒神谷遺跡から見る古代出雲

大量の銅剣と謎の刻印!島根県・荒神谷遺跡から見る古代出雲

更新日:2015/08/19 16:30

乾口 達司のプロフィール写真 乾口 達司 著述業/日本近代文学会・昭和文学会・日本文学協会会員

島根県・出雲地方といえば、出雲大社に象徴される古代出雲世界の地。当然、考古学の世界でも古代の痕跡がたくさん残されています。なかでも、荒神谷遺跡は、加茂岩倉遺跡と並び、古代出雲世界のありようを考えるのに欠かせない遺跡。今回は荒神谷遺跡を通して古代出雲世界の片鱗に触れてみましょう。

ここから大量の出土品が!発見当時の様子を再現した発掘場所

ここから大量の出土品が!発見当時の様子を再現した発掘場所

写真:乾口 達司

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荒神谷遺跡(こうじんだにいせき)は、出雲市斐川町に位置する国指定の史跡。その名のとおり、平野部から少し山側に入った谷間に位置しています。遺跡が発見されるきっかけとなったのは、広域農道の建設。建設に際して須恵器の破片が発見されたため、1984年、その周辺を発掘したところ、近くから358本もの大量の銅剣が見つかりました。翌年には発見場所から数メートルのところで新たに銅鐸6個、銅矛16本も出土。これらは、現在、国宝に指定されています。

現在、遺跡とその周辺は「荒神谷史跡公園」として整備されています。なかでも、独特なのは、銅剣などが発見された場所に出土品のレプリカが置かれ、発掘当時の様子が再現されていること。写真はその発見場所を撮影したものですが、ここからは銅剣をはじめとする出土品が丘陵の急斜面から発見されたことがうかがえます。発見はいまから30年以上前のことですが、このように再現してくれていると、当時の様子がリアルに伝わってきますね。

358本の銅剣は何を意味する?銅剣の発見場所

358本の銅剣は何を意味する?銅剣の発見場所

写真:乾口 達司

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写真は銅剣の発見場所をさらに近くから撮影したもの。ご覧のように、発掘当時し、358本もの銅剣が整然と並べられていました。もちろん、一カ所から発見されたものとしては現在も国内最高の数を誇ります。銅剣の製作された時代は弥生時代中期と考えられていますが、そのことからは、古代の出雲が弥生時代において早くも大量の銅剣を所有する土地柄であったことがうかがえます。

しかし、その一方で疑問も生じます。なぜ、これだけの数の銅剣が同じ場所に埋められなければならなかったのか、と。実はこの点については諸説あり、祭祀のために埋められたという説や外敵から秘匿するために埋められたという説など、定まった見解がありません。その理由を探ることはそのまま古代出雲世界の性格やその盛衰を探ることにもなるため、ぜひ、実際に当地を訪れ、ご自身でその理由を推理してみてください。

事前に知識を仕入れておこう!荒神谷遺跡について学べる荒神谷博物館

事前に知識を仕入れておこう!荒神谷遺跡について学べる荒神谷博物館

写真:乾口 達司

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園内には荒神谷遺跡の概要を学べる荒神谷博物館も設置されています。当地を訪れたら、まずは荒神谷博物館で予備知識を仕入れましょう。

写真は実際に現地から発見された銅鉾。実物の大半は島根県立古代出雲歴史博物館に収蔵されているため、現地に展示されているこれらは貴重。しかも、国宝!じっくりご覧ください。

レプリカといえども侮るべからず!館内に展示された出土品の数々

レプリカといえども侮るべからず!館内に展示された出土品の数々

写真:乾口 達司

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館内には他にも出土品のレプリカが展示されています。このような銅剣や銅鐸などがこの地で多数出土したのでした。レプリカとはいえ、その造形は精巧であり、見た目にはレプリカとは思えないはず。荒神谷遺跡の迫力が伝わってきますよ。

荒神谷遺跡の出土品を特徴づける謎の刻印「×」

荒神谷遺跡の出土品を特徴づける謎の刻印「×」

写真:乾口 達司

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なかでも、銅剣で注目していただきたいのは、その柄の部分に刻まれた「×」の刻印。これは決して単なる傷などではありません。発掘された銅剣358本のうち、何と344本の柄の部分に同様の「×」印が刻印されているのです。「×」印は、日本広しといえども、ほかには荒神谷遺跡近くの加茂岩倉遺跡から出土した銅鐸にしか認められず、荒神谷遺跡の特異性を物語っています。しかし、いったいどのような意図で刻まれたものか、いまだ解明されておらず、その謎そのものが古代出雲の秘密と神秘性を象徴しているといえるでしょう。

おわりに

荒神谷遺跡がいかに特異で、畿内のヤマト王権からも特別視された古代出雲の謎に迫るのに必要不可欠な遺跡であるか、おわかりいただけたでしょうか。大量の銅剣と謎の刻印。これらはいったいどのような古代出雲王国の姿を映し出しているのでしょうか。ぜひ、現地を訪れ、ご自身でその謎の解明にチャレンジしてみてください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2015/08/12 訪問

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