五つの魅力を凝縮!鎌倉「瑞泉寺」の非日常的空間で癒されよう

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五つの魅力を凝縮!鎌倉「瑞泉寺」の非日常的空間で癒されよう

五つの魅力を凝縮!鎌倉「瑞泉寺」の非日常的空間で癒されよう

更新日:2015/10/11 21:05

Naoyuki 金井のプロフィール写真 Naoyuki 金井 武蔵国ナビゲーター、歴史探索ブロガー

鎌倉の寺院の5つの特徴に谷戸、歴史、花々、景観、仏(禅)があります。鎌倉にある著名な寺院は、少なからずこれらの特徴の一つ以上を持っていますが、今回ご紹介する『瑞泉寺』は、これらの要素をすべて併せ持っている数少ない寺院の一つです。
華々しい観光名所ではありませんが、ある意味ここを訪れることは、古都鎌倉の寺院の魅力をすべて知ることになるのです。
あなたも瑞泉寺で鎌倉の魅力を独り占めしてみませんか。

参道で谷戸の空気を味わう

参道で谷戸の空気を味わう

写真:Naoyuki 金井

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関東地方の特徴的な地形に『谷戸』があります。文字通り“谷”ではあるのですが、険しい山にあるものではなく、丘陵地が侵食されてできたことから比較的なだらかな谷と云えます。
鎌倉にも三浦丘陵が侵食された谷戸(やと)があり、ここ瑞泉寺は、紅葉が美しいことから名付けられた「紅葉ヶ谷」と呼ばれる谷戸に位置しています。

その瑞泉寺で最も谷戸らしい美しさを感じるのが、参道の風情ある石段です。
男坂、女坂の二股に分かれた石段は、その苔むした光景が静かさを物語り、陽の光をさえぎる生い茂った樹木は季節とともに谷戸の空気を変えています。
瑞泉寺の谷戸は、日頃の喧騒から解き放たれるかのような非日常空間の序章なのです。

本堂で往時の繁栄を偲ぶ

本堂で往時の繁栄を偲ぶ

写真:Naoyuki 金井

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鎌倉は源氏所縁の古都ですが、意外にも討幕の史実から鎌倉末期の南北朝や室町幕府所縁の地でもあります。
瑞泉寺はそうした歴史の中で鎌倉末期に創建され、時の執権北条高時や後醍醐天皇、足利尊氏・直義など、敵味方関係なく錚々たる人物が帰依していた『夢窓疎石』という高僧によって開山されました。

特に室町幕府政権の中枢との繋がりが深い瑞泉寺は、室町幕府の関東での出先機関である鎌倉公方代々の菩提寺として由緒ある寺院となり、鎌倉五山に次ぐ関東十刹の筆頭として永享の乱までの約100年間隆盛を極めたのです。
大正期の再建ながら、清楚な本堂の優しい姿が、かつての隆盛と衰亡の時代を偲ばせます。

美しい木々で四季を楽しむ

美しい木々で四季を楽しむ

写真:Naoyuki 金井

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瑞泉寺は、鎌倉でも随一の“花の寺”としても知られ、春の梅、夏の芙蓉、秋の紅葉、冬の水仙といった四季の花が楽しめるのですが、特にいち早く春を告げる梅林、鎌倉で最後に萌える錦の屏風のように美しい紅葉は見事です。

中でも知る人ぞ知る銘木が本堂前にある梅の古木で、鎌倉市指定天然記念物の『黄梅』は、江戸時代からあり、樹皮の様子からもその歴史が偲ばれます。
現在、花弁が退化しているため花の色も淡黄色で驚くほどの美しさはありませんが、地元では、春の訪れを告げる粋な梅の木として親しまれています。また前庭にある水戸光圀の手植えと伝えられる『冬桜』も見所です。
一年を通じて途切れることのない美しい花々に、季節の移ろいを楽しめるでしょう。

復元された庭園に溶け込む

復元された庭園に溶け込む

写真:Naoyuki 金井

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瑞泉寺最大の見所が、本堂裏手にある『瑞泉寺庭園』で、京都の天竜寺や苔寺で名高い西芳寺の庭園を作庭した開山高僧の夢窓疎石によるものです。

庭園の特徴は、岩盤を彫刻的手法によって創られた“岩庭”で、水月観音の道場として岩盤に掘られた“天女洞”や坐禅のための“坐禅窟”の厳かな景観に驚かされます。
一方、“天女洞”の前に作られた貯清池と池に掛かる二つの橋は、清涼感を醸し出し穏やかさが感じられます。永らく埋もれていたのですが、昭和45年に発掘・復元され、現在は、当時のままの岩庭を拝観することが出来る国指定の名勝です。
景観と信仰が調和した鎌倉に残る鎌倉時代の唯一の庭園で、時代の美を堪能できるでしょう。

五山文学の拠点に浸る

五山文学の拠点に浸る

写真:Naoyuki 金井

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鎌倉時代末期から室町時代にかけて禅宗寺院で行われたのが『五山文学』。鎌倉五山や京都五山と呼ばれ、幕府の外交文書を起草する必要性により栄えた漢文学のことで、この五山文学の鎌倉における拠点が瑞泉寺でした。更に近世では徳川光圀も訪れ、自身の鎌倉旅行を“新編鎌倉志”として編纂させた所縁の寺院ということもあり、後世、多くの文人が来訪したのです。

所縁の文人は、思想家の吉田松陰を始めとして、「男の顔は履歴書だ」で有名なジャーナリスト大宅壮一や小説家の川端康成、大佛次郎。また俳人の高浜虚子や歌人吉野秀雄などが訪れています。
境内には大宅壮一や久保田万太郎など、多くの文学碑も散見され、文学ファンにとっては、是非見ておきたい場所です。
美しい自然の中で、往時を彩った鎌倉文士が語り掛けてくるかもしれません。

最後に。。。

静粛が支配するかのような空間で、鎌倉の魅力を存分に味わって下さい。観光のみならず、あなたの心と身体も癒してくれることでしょう。
鎌倉の奥座敷へは、歩いていくにはちょっと遠いですが、それだけの価値は十分あり、『瑞泉寺』もまた、ひっそりとあなたの来訪を待っているはずです。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2015/08/22 訪問

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