写真:野水 綾乃
地図を見る鳴子温泉駅より徒歩約7分。温泉街を抜けて陸羽東線の踏切を渡り、細い坂道を下ると左手に「義経ゆかりの湯 姥乃湯」が見えてきます。玄関脇には、所有する4本の源泉のひとつ、硫黄泉のやぐらが勇ましくそびえています。
「義経ゆかりの湯 姥乃湯」の歴史は、鳴子温泉の中でも最も古く、宿名にもあるように、源義経の時代にまでさかのぼります。兄である源頼朝の追っ手を逃れて岩手の平泉を目指していた義経一行。その途中で立ち寄ったのが、現在の姥乃湯のあたりの温泉だったと伝えられています。正室の北の方が産み落とした亀若丸がこの湯につかり、初めて産声を上げたことから、「啼子(なきこ)」と呼ばれるようになり、それが変化して現在の「鳴子温泉」になったそうです。
写真:野水 綾乃
地図を見るそれでは、館内にある4つ泉質、4つのお風呂を順に紹介していきましょう。
まずは人気ナンバー1の「こけし湯」。こちらの泉質は濃厚な白濁の硫黄泉で、木造りの湯船も床も真っ白な湯の花色に染まっています。硫黄泉ながらpH7の中性で、マイルドでつるりとした肌触りが特徴。湯船は二人入ればいっぱいになるほどの大きさですが、その小ぢんまり加減がかえって落ち着く造りになっています。
写真:野水 綾乃
地図を見る義経の子、亀若丸の産湯とされる伝説の湯が、この「亀若の湯」です。泉質は単純温泉に分類されるのですが、これが実に単純ではない温泉なんです。単純温泉というと透明な湯を想像しますが、鉄分を含んだ湯は茶褐色に濁り、鉄のような臭いも漂います。温泉が流れ出す床や湯船の縁も赤茶け、成分の濃さを感じさせてくれます。
鳴子温泉の湯治宿にしては珍しく、露天風呂も用意されています。この「啼子の湯」の泉質はナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉で、クレンジング効果と保湿効果を併せ持つ美肌の湯。ややぬめりのある肌触りがいかにも肌に効きそうです。こちらの露天風呂は1か所だけなので、時間による男女入れ替え制になっています。
写真:野水 綾乃
地図を見る最後に紹介するのは、タイル貼りのレトロな浴場の面影を残す「義経の湯」。泉質は硫酸塩泉で、無色透明ですが、茶色の湯の花がちらほらと舞っています。最初は少し刺激を感じますが、だんだんと柔らかな肌触りに包まれるよう。
いかがでしたでしょうか。体調に合わせて、4種類の中から好みの泉質を選んで入り比べてみましょう。たとえば美肌をめざすなら、クレンジング効果のある「啼子の湯」と、シミ予防効果のある硫黄泉の「こけし湯」や、皮膚に皮膜を作るしっとり肌効果がある「義経の湯」を組み合わせるのがおすすめです。ただし、日帰り入浴の場合は、清掃時間の関係で入れないお風呂もありますので、詳しくは施設にお問い合わせください。
バラエティに富んだ泉質を誇る鳴子温泉郷を魅力を、まずは姥乃湯から感じてみましょう。
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(2024/9/9更新)
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