善峯寺(よしみねでら)は、京都の西山地域に位置し、西山(にしやま)とは京都盆地の西に南北に並ぶ連山の総称であり、北は愛宕山 (京都市)から、嵐山、小塩山、ポンポン山 (近畿)、釈迦岳などを経由して天王山の南端までを言います。
JR東海のキャンペーンCM「そうだ、京都行こう」で紹介されて以降、それまで静かだった山寺にたくさんの観光客が押し寄せるようになりました。
善峯寺は「あじさいと紅葉のお寺」として有名ですが、実は紅葉前の緑深い季節にお参りしてこそ山寺らしい雰囲気を味わう事ができるのです。
写真は山門。楼門形式のお堂で2体の金剛力士像は運慶作。源頼朝寄進と伝わります。力感のある像は必見です!ここでは「境内に入るご挨拶と無事のお参り」を祈願しましょう。
山門の入り口で入山料(500円)を支払い、パンフレットをいただきましょう。そこには境内の諸堂案内がありますが、約3万坪の境内を駆け足ですべて回ったしても最低40分は必要です。時間を掛けてゆっくり回れば1時間以上は十分にかかります。なおハイヒールは山寺参拝には不向きです。
写真は本堂にあたる観音堂。
山門からまっすぐ延びる参道の先に観音堂はあります。ここは西国三十三所霊場の第二十番札所でもあります。ご本尊は千手観音像で千本の手は、どのような衆生をも漏らさず救済しようとする観音の慈悲と力の広大さを表しています。心を落ち着かせて諸願を祈願しましょう。また善峯寺ではまず本堂(観音堂)にお参りした後に諸堂に行く事をおススメします。
次に紹介する幸福地蔵は、お寺自慢のあじさい苑に隣接する清水寺の舞台と同じ「懸け造り」のお堂の中にいらっしゃいます。
善峯寺の標高は約300メートル。お地蔵さんと同じ目線からは眼下に広がる京都盆地を見る事ができます。鳥のさえずりを聞きながら見渡す景色は絶品です!
そして重要なのは、このお地蔵さんは、自分のお願いごとをするのでなく「自分以外の幸せを願う」お地蔵さんであるということ。参拝者はついつい自身のお願いごとをしてしまいがちですが、たまには他者の幸せを願ってみてはいかがでしょうか。
お地蔵さんが静かに笑って見えるようなら、その願いはすでに届いているかも知れません。
釈迦堂にお祀りされている釈迦如来は、元々は標高630メートルの釈迦岳の頂上にあり、昔から多くの信仰者が険しい山に登りご利益に預かりましたが、明治期に入り善峯寺に降りて来られました。
合掌姿のお釈迦様は日本全国でも非常に珍しく、つねに人々の心と身体の健康を叶えてくださる尊い仏様として今でも篤く信仰されています。
なお釈迦堂は内陣まで自由に出入りが可能で、至近距離まで近づくことができます。実際に近づいてみれば、お釈迦様の腰や足の隙間にはたくさんのお賽銭が挟まっており、人々の願いを見る事ができます。
「おちないお守り」
阪神大震災当時、阪神高速高架でバスの前輪が落ちながらも奇跡的にバスは中吊り状態で乗客は助かり、運転手がこの釈迦堂のお守りを持っていた事から、入試合格や交通安全などの「おちないお守り」として評判を博しています。
善峯寺で一番高い位置にあるのが奥の院です。
奥の院でお祀りされているのは薬師如来ですが、この仏様は「出世薬師如来」として広く知られた存在です。
たらちをの 願いをこめし 寺なれば
我も忘れじ 南無薬師佛
この歌は、徳川五代将軍綱吉公の生母・桂昌院の献歌であり、ご両親が彼女を授かるまでこのお薬師様に祈願を続けたと言われています。徳川三代将軍の寵愛を受け、綱吉を産んだ桂昌院は、その後、両親が大切にしたこのお寺に対して膨大な寄進を続け、現在残っている多くの建物は桂昌院が遺したものとなっています。
そして奥の院を振り返ると写真のような絶景が待っています。
写真左側から京都北山、中央に東山、右側は京都木津(南部)まで京都盆地が一望できます。比叡山はもちろん近江富士まで見渡すことができる景色は、東山・清水寺から見る景色に勝るとも劣らない景色だと言えます。
いかがでしたか?
参拝に要する時間は約2時間。
時間には余裕を持って行動してください。
善峯寺は10以上あるお堂の他に、春夏秋冬それぞれに咲く美しい花や木、珍しい野鳥が集まるお寺でもあります。
信仰のお寺でありながら参拝者の目を耳を十分楽しませてくれるお寺にぜひお参りください。
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(2024/10/3更新)
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