写真:フルリーナ YOC
地図を見るスイス・グラウビュンデン州エンガディン地方のイタリアにほど近いところに、ひっそりと美しいブレガリア谷があります。この一帯は栗の産地として知られ、ことにカスタセーニャ村からソーリオ村までは広大な栗の森が広がっています。
ソーリオはエンガディン地方を愛した画家セガンティーニが「天国の入り口」と評し愛した村。スイス3大北壁の一つ「ピッツ・パデーレ」をはじめとするブレガリアの名峰と、ひっそりと佇む石の村の風景がこの上なく美しい村です。
ソーリオでランチを食べるなら、ホテル「パラッツォサリス」がオススメ。ニーチェやリルケやセガンティーニが愛したこのホテルは、貴族・サリス家の邸宅をホテルに改築したもので、当時の貴族の生活がしのばれる美しいホテル・レストラン。もちろんソーリオ特産の美味しい栗を使ったパスタや栗料理が楽しめます。
ブレガリアの山々を眺めながらのランチならホテル「ソリーナ」がオススメ。素晴らしい絶景です!このホテルで売っているズッシリとした大きな栗のケーキもとても美味しいので、ぜひお試しを!
写真:フルリーナ YOC
地図を見るエンガディンはカラマツの森や林が多く、黄色や淡い橙に染まる秋の風景がとても美しい場所です。エンガディンの秋のハイキングのオススメはフェックス谷。
まずは、サンモリッツからバスで20分ほどのシルス・マリアから乗合馬車で谷最奥の「ホテルフェックス」まで行きましょう。「ホテル・フェックス」には山小屋風の美味しいと評判のレストランがあります。せっかく秋に行くならやはり栗料理を。殊に栗のスープは、甘くて濃厚でとても美味しいオススメの一品!またアルプスを駆け回ったジビエの味もお楽しみの季節です。
お腹がいっぱいになったら、ハイキングに出発!もし雪が積もっていてもしっかりの除雪されているので、まったく心配のない平らなハイキング道です。シスル・マリアまで歩くのが大変な時はクラスタまで歩いて、乗合馬車に乗って帰るといいでしょう。クラスタ村には16世紀の壁画が残るフォトジェニックな白い教会があります。その横のホテル「フェックス」はスグラフィートの文様の美しいホテルで、とても美味しいディナーを出してくれますので、ここに宿をとるのも一案です。
写真:フルリーナ YOC
地図を見るウンター・エンガディン地方のミュスタイアは、世界遺産「ザンクト・ヨハン修道院」がある町。ミュスタイアとはスイス南東部の一部で使われているロマンシュ語「修道院」を意味します。
「ザンクト・ヨハン修道院」は780年に建設されたカロリング期の代表的な建物で、9世紀と12世紀の古い壁画が残っています。数少ない保存状態の良いカロリング様式のこの修道院は、1983年にユネスコの世界遺産に登録されました。ロマネスクの修道院と黄葉の風景は、まさに一枚の絵のよう。
そして、またこの町も栗料理を満喫できる町!オススメはホテル「Helvetia」のレストラン。秋は美味しい栗のメニューが揃っています。レストランはミュスタイア伝統の木彫のスイスの雰囲気バッチリの美しい内装!ぜひランチに寄ってみてくださいね。
写真:フルリーナ YOC
地図を見るスイスのエンガディン地方とティチーノ地方は、古くから栗を主食としていた地方。栗粉でパンやパスタを作り、乾燥栗、ジャム、ケーキ、ビール、蜂蜜など、さまざまな料理に栗を用いてきました。その伝統は現代にも受け継がれ、秋にこの地方を訪れると、まさに栗三昧!です。
この写真は栗のニョッキ。ニョッキに和えた栗のクリームソースの甘みとコクがとても美味しい逸品です。栗粉で作った珍しいパスタも、ぜひ味わってみたいお味です。そして、秋と言えばジビエ!ジビエには甘く似た栗がつきもの。野性的な肉のお味に優しい栗の甘みがとてもよくあいます。
また、レストランでよく見かけるメニューに栗のスープがあります。栗の甘みと生クリームのコクがとてもよくマッチングする美味しいメニュー、そして体がホカホカになります!栗は実は体を温める作用のある食べ物。冬の寒さの厳しいスイスにあって、寒さに向かう時期に栗がたわわに実り、それを最大限に利用するというのは、まさに自然の恵みを感謝していただく生活の知恵なのでしょう。
写真:フルリーナ YOC
地図を見るスイス・スイーツの秋の風物詩といったら「ヴェルミセル」。モンブランのように素麺状の栗ペーストのスイーツです。これは極細パスタ「ヴェルミチェッリ」のように細く栗ペーストを絞り出すところからついた名前。一説では、モンブランのルーツだとか!
「ヴェルミセル」は、メレンゲの台に乗っていたり、細かなメレンゲがクリームの中に入っていたりと、メレンゲが使われていることが多いです。ふわっふわの生クリームと、ねっとりとした栗ペースト、そしてサクサクのメレンゲのバランスが素敵なスイーツです。こちらのヴェルミセルはメレンゲの台に乗っていました。
また、スイスでは秋から冬に、栗の入ったヨーグルトも出回ります。栗にヨーグルト!ってどうなの?と思うかもしれませんが、これがなかなか美味しいのです!旅行の折にホテルの朝食やスーパーなどで見かけたら、ぜひ食べてみてください!
いかがでしたか。スイスというと夏のシーズンか、スキーの冬のシーズンが人気ですが、秋の季節も黄葉と秋のお味が魅力的な季節です。観光客も少ないのでゆっくり旅ができるのも魅力です。
また、エンガディン地方は、スグラフィートの文様の家々が絵本のように美しい地方なので、街巡りも楽しめます。秋のスイス・エンガディン地方、ぜひ出かけてみてくださいね。エンガディンの黄葉の季節は、その年々の気候や標高にもよりますが、ソーリオやミュスタイア近辺は10月下旬、少し標高が高いフェックス谷は10月中旬が狙い目です。
それでは、みなさん、すてきな旅を!
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この記事を書いたナビゲーター
フルリーナ YOC
『私が絵を描く本来の意義は、道端にも小さな奇跡が発見できると人に伝えることにある』 大好きなスイスの画家、アロイス・カリジェの言葉です。私も、この言葉のように、旅先や日常の中で発見した小さな奇跡や感動…
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