イタリアの斜塔といえば美しいピサの斜塔が世界的に有名ですが、ボローニャにも斜塔があります。旧市街中心部のポルタラベニャーナ広場にある約48メートルの高さのガリセンダの塔です。傾いているのが一目で感じられるほどの傾きをまずは地上から楽しんでください!
12世紀から13世紀の中世時代にボローニャでは塔が盛んに建てられ、一時的には多くの塔がそびえ立つ街だったそうです。一説によると180も塔が建てられたとされています。これは大げさに誇張された数字かも知れませんが、多くの塔が存在したことを物語っています。塔の建築ブームの理由は明らかにはなっていないもの、富裕層が富を誇示するために建てたとか、神聖ローマ皇帝派の貴族が教皇派に対抗して建てられたものだか言われています。いずれにせよ、高い塔は権力の象徴でした。
写真:小林 理沙
地図を見るボローニャにはなんともう一つ斜塔があります。アシネッリの塔がそれです。こちらも先にご紹介した「ガリゼンダの塔」と同じくポルタラベニャーナ広場にあります。アシネッリの塔は約97メートルとかなり高い塔ですが、登ることができます。ボローニャのレンガ色の街並みが一望できますので、体力に自信のある方は登ってみましょう!
塔の中は薄暗く、人がやっと一人登れるほどの狭い階段が果てしなく続きます。途中、降りてくる人と何度もすれ違うことになりますが、譲り合いの精神で、気をつけて登ってください。
軽く運動したぐらいの体力を使いますが、塔を登りつめ、ようやく上に到着して見るボローニャの統一感のある景観は「登ってよかった。」と思わせてくれることでしょう。
なお、塔に登りたい方は運動靴をご持参ください。
写真:小林 理沙
地図を見るボローニャには日本でもボロネーゼという名前で親しまれているソース、ラグーが有名ですが、一味変わったピアディーナという食べ物があります。決して高級なものではなく、庶民の軽食です。メキシコのソフトタコスの皮を厚みを持たせてさらに硬くしたようなパン生地に具材を挟んで温めたサンドウィッチです。地元の「食」にご関心のある方はぜひ一度お試しください!
下町の雰囲気が漂うバル「ストゥツィカンド」は、「最高のピアディーナ」をうたい文句にしているお店です。経営者はパオラさんとリナさんという二人の女性。お店にはお二人の幼少時の写真と懐かしさ溢れるレトロな文字のフォントで店名が書かれた看板が掲げられています。
写真:小林 理沙
地図を見るサント・ステファノ広場は、著書『神曲』などで知られるダンテが通ったとされています。旧市街中心から徒歩10分圏内ですが、今では閑静な地区になっています。さて、この広場には隠れた名所があるのです!壁に人間の頭部の彫刻がたくさん飾られた建物があるのですが、その中にひとつ、悪魔がひそんでいるのです!
伝説によると、この広場に住んでいたボローニャで最も権力を持っていた一家がありました。父親が建物のファザード部分に家族全員の顔(頭部)の彫刻を作らせたのですが、その中に、あたかも家族の一員であるかのように悪魔が彫られたということです。
その悪魔は、家族の誰かを暗に示したものなのか、もしくは家族に一人は悪いものがいるということを言っているのかは明らかになっていないそうです。
今回はご紹介できませんでしたが、ボローニャには不思議があと6つは残っています。不思議ハンターのみなさんには、ぜひ7不思議を攻略していただきたいものです。
写真:小林 理沙
地図を見るカクテルのプロ、日本のバーテンダーを思い出させるキビキビとした動きと真剣な表情、上品な立ち振る舞いを持つのがイタリアのコーヒーのプロ、バリスタです。ボローニャでコーヒーを飲むならおすすめは「ガンベリーニ」です。創業1907年という老舗です。実はお菓子屋さんですから、ケーキを買ってコーヒーと一緒に食べるのもいいですね。
なお、イタリアではカウンターでの立っての飲食とテーブル席に座っての飲食では価格が変わります。ちなみに立ち飲みの方が安いです。
ボローニャはご覧のように建物にポルティコと呼ばれる建築が有名です。柱が天井を支え、アーケードを作りその下を通行できるようになっています。雨や厳しい日差し、寒さから守ってくれるありがたい存在です。ポルティコがどんな天候からも身を守ってくれますから、一年を通していつでも遊びに行けますね。
また、内陸部のボローニャはキノコのポルチーニ茸や肉の加工食品モルテデッラの産地であったりとグルメのみなさんにも満足していただける街です。
ボローニャの旧市街中心部には大学もあり、週末は学生たちの活気のある雰囲気に包まれる学生の街でもあります。
のんびり古都を観光したい方にも、イタリアの大学生の雰囲気を感じたい方にもぴったりなボローニャにぜひ行ってみませんか。
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(2024/11/10更新)
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