毎年、京都の秋が深まる前、初秋の10月22日に、時代祭が執り行われます。
行列は最初6行列で始まりましたが、大正10年に8行列、昭和7年に10行列となり、現在は20行列、およそ2000人の規模になっています。12時に京都御苑から行列が出発し目的地の平安神宮に向かいます。約2時間ほどかかって行列の最後尾の神饌講社列が京都御苑を出ていきます。その頃先頭は、平安神宮の手前あたりまで進んでいます。
行列は、京都に都があった時代の明治維新時代から始まり、順次、江戸時代 、安土桃山時代 、室町時代 、吉野時代 、鎌倉時代 、藤原時代 、延暦時代 と遡っていきます。最後に、御鳳輦(ほうれん)と呼ばれる「天皇の晴れの儀式の行幸用のもので屋形の上に金銅の鳳凰(ほうおう)を飾った輿(こし)」を中心とした神幸列が進みます。使われる衣装、祭具、調度品は12000点にも及び、それぞれの時代考証を細部まで再現しています。
1998年の7月には、パリ・京都友情盟約締結40周年を記念して、時代祭風俗行列が初めて海を渡り、パリの中心部カルーゼル凱旋門からルーブル美術館へと巡行しています。
明治維新時代は、維新勤王隊列、維新志士列、七卿落の列です。先頭の維新勤王隊列は、「ピーヒャラ・ラッタッタ」の笛・太鼓の音に合わせて行進し、祭りの始まりを告げて進みます。
江戸時代は徳川城使洛列、江戸時代婦人列です。江戸時代徳川幕府は、朝廷の儀式の時に必ず城使を京都に上洛させていて、その時の行列が再現されています。槍持ち、傘持ちの掛け声や槍の放り投げが観客の拍手を誘います。
安土桃山時代は豊公参朝列、織田公上洛列です。豊公参朝列は、豊臣秀吉の晩年に行われた慶長元年(1596年)秀頼初参内と、翌年の元服の時の行列を再現しています。色鮮やかな牛車が目を引きます。織田公上洛列は、永禄11年(1568年)織田信長は天下統一のため、兵をひきいて上洛を果たした時の行列を再現しています。
室町時代は、室町幕府執政列、室町洛中風俗列です。時代祭には、ずっと「室町時代列」はありませんでしたが、京都にとっては不可欠な北山、東山文化を生んだ室町時代の行列を加えたい、との熱意から、平成19年(2007年)から、能や華道、茶道が発展した室町文化の行列として「室町幕府執政列」と、「室町洛中風俗列」が、新たに加わりました。
色とりどりに飾られた室町洛中風俗列が、風流傘を中心に、囃子方、踊り手で構成され、祭りの華やかさを演出してくれています。
そして、行列は時代を遡りながら、吉野時代:楠公上洛列、中世婦人列(鎌倉 ・室町時代)、鎌倉時代:城南流鏑馬列、藤原時代(平安時代後期):藤原公卿参朝列、平安時代婦人列、延暦時代(平安時代初期):延暦武官行進列、延暦文官参朝列、と続きます。
最後に、神饌講社列が神饌物を奉献するために先頭で進んできます、その後、前列、神幸列、白川女献花列、弓箭組列と続きます。
神幸列は、一年に一度平安神宮の御祭神が市中を巡幸され、市民の安らかなることをご覧になる行列です。ここまでの華やかな行列とは雰囲気ががらっと変わって、時代祭が儀式として執り行われていることを感じることができます。
京都御苑の西には京大、金戒光明寺、平安神宮、南には二条城や京都の繁華街の四条通り、北には同志社大学、京都五山第二位の相国寺、下鴨神社などがあります。
平安神宮は岡崎にあり、岡崎公園は琵琶湖疏水が流れる木々の多い広大な地域です、近くに京都市美術館、京都国立近代美術館、京都市動物園、ロームシアター(旧京都会館)など、また南禅寺、金戒光明寺などもあります。
時代祭の行われる初秋の一日、のんびり京都市内を巡ってみてはいかがでしょうか。
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(2023/12/5更新)
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