国宝・松江城下に「おでん」あり!「松江おでん」が愛される3つの理由とは

国宝・松江城下に「おでん」あり!「松江おでん」が愛される3つの理由とは

更新日:2017/02/16 13:24

塚本 隆司のプロフィール写真 塚本 隆司 ぼっち旅ライター
山陰を代表する城下町松江は、出雲そばやお茶・和菓子といった伝統ある料理と、日本海や宍道湖がもたらす豊富な魚介類が旅人の「食」を楽しませてくれる街。実は、あまり知られていないが松江市民に愛されているグルメが他にもある。それが「松江おでん」だ。街を歩けば、いたるところに「おでん」の文字。しかも一年中食べられる店が多い。いったいどんな「おでん」なのか、ご紹介しよう。

赤ちょうちんに誘われて

赤ちょうちんに誘われて

写真:塚本 隆司

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赤ちょうちんに「おでん」の文字。それだけでフラリと入りたくなる人も多いだろう。肌寒い季節、温かいおでんのうまさは言うまでも無いが、松江では季節は関係ない。写真の「おでん庄助」のように、おでん屋の看板を掲げ一年中食べられる店がいくつもあるのだ。店舗数でいえば、他にも多い街はあるだろうが、人口比率を考えれば日本一クラスといえる。

「松江おでん」とは、どのようなものか気になるところだが、ダシはというと特産のアゴ(トビウオ)のダシを使うところもあれば、カツオや昆布、鶏ガラ、煮干しとさまざま。薬味も練りからしや柚子みそ、フキノトウみそなど、店によって異なる。実のところ「特徴といわれても特にない」というのが、松江おでんなのだ。あえて特徴をあげるなら「おでんの好きな人が多く、自分好みのおでん屋がある」ことが、松江おでんの特徴であり、おでん屋が多い理由といえるだろう。

松江おでんの魅力が詰まった3つの特徴

松江おでんの魅力が詰まった3つの特徴

写真:塚本 隆司

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とはいえ、地元の人に愛される理由を探れば、気になる3つの特徴があった。

1つは、食べ方。大人数で行くと、おでんを大皿に盛り、取り皿に分け合いながら食べることが多いとのこと。大根やジャガイモ・豆腐なども具は大きく、切り分けて大勢でワイワイ食べている風景を思い浮かべることができる。
2つめは、「葉もの」がおでんに入ること。セリや春菊などが具になっている。煮込むのではなく、おでんダシにシャブシャブとくぐらせたものを食べる。シャキシャキとした歯ごたえと、おでんダシがよく合う。
3つめは、季節ものが入ること。海産物が豊富な松江らしく、旬の魚を使ったつくね団子など、季節を感じることができるのだ。

お店の個性が光る変わりダネ

お店の個性が光る変わりダネ

写真:塚本 隆司

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一風変わった具があるのも特徴だが、松江おでんというよりは、店ごとの特徴といった方がよいだろう。

「おでん庄助」は、昭和23年創業の松江おでんを代表する老舗。40種類ほどの具材があり、化学調味料は一切使用せず手作りの味を守り続けている人気店だ。
松江特産の「野焼き(のやき)」と呼ばれるアゴ(トビウオ)のすり身で作ったちくわは是非食べたい。他にも、季節の野菜を油揚げに詰め込んだ巾着もオススメだ。写真は「玉子焼き」。一見ミスマッチだが、おでんダシの風味を感じた後に甘い玉子焼きが口いっぱいに広がる逸品はくせになる。

大橋川の眺めにウットリ

大橋川の眺めにウットリ

写真:塚本 隆司

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数ある店のなかで「おでん庄助」を紹介するのは、おでんのうまさはもちろん、店内から眺められる景色が魅力的だからだ。中海と宍道湖の間を流れる大橋川に架かる松江大橋のたもとにあり、街の明かりが川面に映り美しい。写真は、窓際のカウンター席の眺めだが、座敷や個室もある。観光客にとって、景色を楽しみながら食事ができるのはうれしい。
また、松江は地酒も楽しみのひとつ。街中にも数件の酒蔵があり、いずれも島根を代表する銘酒を造っている。おでんと地酒で旅の夜をまったりと過ごすのもいいだろう。

「おでん庄助」の営業時間や定休日などは、MEMOにリンクしたサイトをご参照のこと。
人気店なので、おでんは早めに注文しておく方がよい。一品料理もそろっているが、お目当ての具が品切れにならないうちに食べたい。

おわりに

松江の街は、散歩がよく似合う。特に夕暮れ、宍道湖の夕日を眺め川沿いを歩くと気持ちが良い。居酒屋の前では、赤ちょうちんが手招きするように揺れる。そこには「おでん」の文字。「松江おでん」は、1軒寄れば、ついつい2軒3軒と食べ歩きをしたくなるのだ。旅の思い出に「松江おでん」を加えてみてはいかが。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/08/12 訪問

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