写真:野水 綾乃
地図を見る「ホテル・キーフォレスト北杜」の客室はわずか6室のみ。広さ68〜69平方メートルと1室1室がゆったりと造られています。設計は、中村キース・ヘリング美術館に引き続き、建築家の北川原温氏が手がけました。
部屋の入口に書かれた名前。聞きなれない言葉ですが、これらは日本語の起源でもある縄文時代の言葉なんです。
「UOSE」は太陽。「HANI」は森。「UTSUHO」は空。
「KASE」は風。「IME」は星。「MITSU」は水。
すべて、ホテルのある八ヶ岳の自然がモチーフになっています。
北杜市が位置する八ヶ岳山麓は、縄文時代に日本で最も多くの人が住んでいた場所のひとつだそう。市内には縄文時代の遺跡が数多く分布し、縄文文化がこの地で花開いたことを物語ります。土地に刻まれた原始的なエネルギーと、八ヶ岳の自然が放つ生命力や力強さが、客室全体のデザインコンセンプトになっています。
写真:野水 綾乃
地図を見る6つの客室はひとつとして同じものがありません。壁や床の木材、家具や照明といった調度品など、各部屋のテーマに合わせてすべて異なる素材やデザインを選んでいます。
たとえば写真の「MITSU」は水の部屋。八ヶ岳は湧き水が豊富な土地でもあります。
そんなみずみずしい水のある風景を再現するように、木材には優しい色調の桜を使用、家具はアクリルをあしらった透明感のあるものをセレクトしています。
エジプトのファラオと妃のレリーフなど、世界の原始的なアートもさりげなく飾られていて、イタリアのブランドを中心としたモダンな調度品とも不思議なほど調和しています。そして、木と石という自然素材を軸に形作られた空間は、自然の延長線上にいるような安心感をもたらしてくれます。
写真:野水 綾乃
地図を見るバスルームの壁や床。これもひと部屋ごとに種類の異なる大理石や御影石で仕上げられています。バスタブの形ももちろん、ひとつひとつ違います。
写真の「UTSUHO」の部屋は、バスタブからテラスが眺められる造り。テラスからは手を伸ばせば触れられるほどの位置に森の木々が広がっています。朝、木漏れ日を浴びながらのバスタイムも気持ちいいでしょう。
写真:野水 綾乃
地図を見るホテルの1階には、45年間かけて世界中から集めたというヴィンテージシングルモルトウィスキーが壁を彩る「中村ウィスキーサルーン」があります。森の木々が鮮やかな明るい昼はカフェとして、ライトアップされてムード高まる夜はバーとして。身体を優しく包み込んでくれるラルフローレンの本革ソファに座り、希少なウィスキーや山梨県産ワイン、オリジナルカクテルを優雅に楽しむことができます。
また、屋上のスカイテラスからは、南アルプスや八ヶ岳、富士山の360度に広がる絶景が。そんな景色を楽しみながらのバーベキューも可能です。
ホテルを拠点に楽しみたいのが、約36000平方メートルの敷地に広がる「小淵沢アートヴィレッジRESORT&SPA」のアクティビティです。そのなかでもぜひ体験したいのが、ホテル・キーフォレストと、別館のヴィラの宿泊者だけが無料(要予約)で利用できる「プレミアムスパ」。これだけの贅沢な広さのスパを、しかも90分間、貸し切りで利用できるのです。
ふたつの湯船に注がれているのは、敷地内より湧き出す源泉かけ流しの塩化物泉。うぐいす色に濁った湯が成分の濃さを感じさせ、つかると細かな気泡の粒がクッションのように肌を撫でます。竹林と森に囲まれた完全なプライベートスペースで、心までも解放されるような時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
世界で唯一、キース・ヘリング作品のみを展示する「中村キース・ヘリング美術館」にも、宿泊者は無料で入館できます。光と影を表現した空間や作品に刺激を受け、創造力をかきたてられたら、美術館の隣にある「小淵沢陶芸倶楽部」で陶芸体験はいかが。ほかにも乗馬、釣り、ゴルフ、星空観察など、八ヶ岳の豊かな自然に触れながら楽しめるアクティビティが揃っています。
「ニューヨークのブティックホテルのように、外国の方やアーティストが集まれるような場所にしたい」とホテルの支配人は話します。リゾートカルチャーという新しいステイの楽しみ方を象徴する場所にこれからなっていくことでしょう。
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