写真:Ise Shinkurou
地図を見る島根県には平安時代から受け継がれてきた、たくさんの神楽が伝承されていますが、ここ雲南市には、神楽演目の中で最もよく演じられる「八俣大蛇(ヤマタノオロチ)」にまつわる伝説があります。
八俣大蛇公園はスサノオノミコトが川に流れてきた箸を拾ったと言われている場所で、公園内にはとても大きなオロチがスサノオノミコトと対決した場面を再現した石像があります。
写真はオロチ像のみですが、対面にはスサノオノミコトの像もあります。あまりの大きさと迫力に圧倒されオロチ像にカメラを向けました。
少し分かりにくい場所なので「雲南市シルバー人材センター」を目指して行かれると良いと思います。公園はシルバー人材センターの裏手にあります。
写真:Ise Shinkurou
地図を見る江戸時代には全国の鉄生産量の約8割を中国地方で産出していました。特に雲南市で産出される鉄は良質であったと言われています。
市の南部にある鉄の歴史村には鉄山師の暮らしていた町並みが残り、その中心部にある「鉄の歴史博物館」では、たたら製鉄に携わった人々の仕事場や生活の様子が紹介されています。
「鉄穴流し(かんなながし)」と言われるこの地域独特の方法で、砂鉄の純度を上げながら、山から切り崩した岩を下流に流していきます。下流では最終的に砂鉄の純度が80パーセントになったそうですから、大変な作業であったと想像できます。
博物館では豊富な資料を使って「たたら製鉄」の仕組みが分かりやすく解説されています。
「鉄の歴史博物館」
島根県雲南市吉田町吉田2533番地
入館料:500円
休館日:月曜(月曜が祝日の場合は翌日)
写真:Ise Shinkurou
地図を見る鉄で栄えた雲南市旧吉田村の中心的存在であった「田部家」。田部家は最盛期には20を超える土蔵を所有し、日本海から瀬戸内海まで自分の土地だけを通って旅をする事ができたと言われる中国地方屈指の山林王です。
その田部家が所有していた土蔵群はこの地を訪れる多くの人々の目を惹くすばらしい景観となっています。
私が訪れた季節は晩春だったので白壁と新緑が映えた美しい景色でした。
写真:Ise Shinkurou
地図を見る鉄の歴史村から車で10分程山道に入ると「菅谷たたら山内集落」に着きます。
山内(さんない)とは、たたら操業の現場であり、また働く人々の生活の場でもあります。
炭を多く使うたたら製鉄では、豊かな森林と火を起こす風が不可欠になります。この地域はたたら製鉄に最適の場所であったと言えるでしょう。
山内をゆっくり散策しましたが、たたらと共に生きた人々の息吹と力強さを感じる事ができました。
山内にひっそりとたたずむ「菅谷高殿」は国指定重要民族文化財に指定され、日本唯一の「永代たたら」の遺構です。残念ながら改修中で内部を見る事はできないのですが、すぐそばにある三軒長屋に立ち寄って見てください。地元の方がボランティアで山内を案内して下さいます。
写真は高殿の前にあるご神木「桂の木」です。この桂の木は春になると1ヶ月かけて赤から黄色そして緑へと色を変えながら、村の景色を彩る不思議な木として地域の人々の信仰の対象となっています。
大変な工程を経て掘り出された鉄ですが、刀剣に使われる玉鋼は全体の数パーセントしか取れないと言われています。それだけ貴重なものだったのですね。
また今回訪問できなかったのですが、隣町の奥出雲町には「奥出雲たたらと刀剣館」「日刀保たたら」等の刀剣に関する資料館が点在しています。新年の初火入れに参加するほどの刀剣ファンの私には是非訪れてみたい場所です。
また安来市にある「和鋼博物館」には天秤ふいごの実物が展示されています。体験も出来ますので、お勧めのスポットです。
神話と製鉄の組み合わせは少し変わった旅と言えるかもしれませんね。私はこの地域を訪れて、森林・河川などの大地から恵みを受け生活している自分を再確認しました。
松江自動車道が中国自動車道とつながり今まで以上に訪れやすい地域になりました。避暑を求めてのこれからの旅には最適ではないでしょうか。
心癒される旅になりますように・・・By Shinkurou
- PR -
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2023/12/7更新)
- 広告 -