万病に効く“神の湯”!美肌効用だけじゃない島根「玉造温泉」

| 島根県

| 旅の専門家がお届けする観光情報

万病に効く“神の湯”!美肌効用だけじゃない島根「玉造温泉」

万病に効く“神の湯”!美肌効用だけじゃない島根「玉造温泉」

更新日:2015/10/03 14:27

松縄 正彦のプロフィール写真 松縄 正彦 ビジネスコンサルタント、眼・視覚・色ブロガー、歴史旅ブロガー

美肌効果で有名な島根県「玉造温泉」。古代、ここでは玉作りが盛んで、霊験あらたかな”御沐忌玉(みそぎのいみだま)”を天皇に献上していました。温泉の効用も玉作りの観点から再度考え直てみると、その効用は「美肌の湯」というだけに留まりません。そう、玉を作っていたここは、身体を活性化し生気を甦させる神の湯だったのです。

美肌の湯、玉造温泉

美肌の湯、玉造温泉

写真:松縄 正彦

地図を見る

島根県の中央部、東西に白山火山帯が通っています。このため島根県には多くの温泉が湧き出ています。その代表が玉造温泉です。
ここは島根、いや全国でも著名な温泉で、“美肌”に効用があるとして特に女性に人気の場所です。

温泉街の道路を歩くと根の国と姫神、つまりスサノオの娘スセリヒメとオオクニヌシが根の国で出会い、結ばれた神話にちなんだ像(写真)など、神話と関係したオブジェや看板などをあちこちに見かけます。

出雲=結ばれる、という事で若い女性にさらにアピールしているのです。さすが出雲、神話の国の温泉街です。しかしこの玉造温泉、実は女性専用ではありません。歴史をたどると別の顔が出てきます。

温泉の効用〜出雲国風土記〜

温泉の効用〜出雲国風土記〜

写真:松縄 正彦

地図を見る

玉造温泉は山間の松江市玉湯町にあり(写真)、町中に玉湯川が流れています。

この温泉の効用として”出雲国風土記”(733年)には、「一たび濯(すす)げば、形容端正(かたちきらきら)しく、再び沐(ゆあみ)すれば、万病悉(ことごと)く除(い)ゆ。・・故、俗人、神の湯といふ。」と記されています。

この文章、難解です。通常、”形容端正”だけに注目し、美肌と関連させています。しかし、再度の入浴が”万病”に効く事と美肌は直接つながりません。
美肌効果がある事は間違いないのですが、1回、2回と入浴する度に効果が出るように万病と関連付け、神の湯とも整合させるようにこの文を解釈する必要があります。
このためには、形容端正を”生気が出る”、あるいは”身体を清浄にし、活性化させる”などの意に解釈しないといけません。

この解釈、正しいか疑われるかもしれません。しかし裏付ける根拠があります。”出雲国造神賀詞”が証拠です。
出雲国造神賀詞とは、古代、新任の出雲国造が天皇に賀詞を述べた儀礼です。この話をする前に、少し玉について紹介しましょう。

玉造の由来と出雲国造神賀詞

玉造の由来と出雲国造神賀詞

写真:松縄 正彦

地図を見る

温泉の名称と玉(たま)にはどんな関係があるのでしょう?

玉は古代、祭祀や権威の象徴として用いられました。この玉作りは縄文時代から行われ、弥生時代には山陰などにも広がりました。
古墳時代中期には全国各地で作られるようになりますが、弥生時代以来一貫して玉作りをしていたのが出雲です。中でもここ玉湯町周辺が有名な産地で、ここで作られた玉は、全国で見つかっているのです。

温泉街のすぐ近くにある”花仙山”から、碧玉や赤・青・白色のメノウ、水晶など、玉の原石が採れ、特に青メノウはここの特産品でした。

玉作りの様子が良く分かるのが、温泉街の傍らにある”玉作湯神社”(写真)です。神社の神紋は、”二重亀甲紋”ですが、中に”丸玉・菅玉・勾玉”が描かれ、神社も玉をアピールしています。

写真の鳥居から階段を上ってゆくと、途中に丸みを帯びた三角屋根の建物が左手に見えてきます。ここは出雲玉造跡出土品の収蔵庫です。
実は神社境内は花仙山周辺で最も古い玉作り遺跡で、国指定史跡の一画に属しているのです。

この神社の主祭神は3柱ありますが、1柱は玉作りの神様、櫛明玉命(クシアカルダマノミコト)、もう1柱は国作りと温泉療法の神様、大名持命(オオナモチノミコト)つまりオオクニヌシです。いかにもこの温泉地を象徴する神様達ですね。

ところで、出雲国造神賀詞ですが、奏上するときに、天皇に玉を献上していました。この玉の名前は”御沐忌玉(みそぎのいみだま)”です。”この玉を身に着けると、御沐をしたと同様に身も心も清らかになる”という特別の玉でした(メモ欄参照)。

みそぎをしたのと同様の効果を持つとは、すごいパワーですが、実はこの玉もこの地域で作られたのです。さらに出雲国造は賀詞奏上の前後に心身を清めたのですが、その場所がこの玉造温泉であったとの伝承も残されています(玉作湯神社、崖の下の元湯とされる)。

このような理由で、ここは”玉造”であり、”みそぎ”と密接に関係した場所でもあるのです。従って、温泉の効用はやはり”身体を清浄にして活性化させる”事、美肌はその1つの結果という事になります。

まとめ

玉造温泉いかがでしょうか?ただの温泉ではなく、御沐の玉を作っていた場所の温泉、従って特別のパワーをもつ”神の湯”である事を理解いただけたはずです。

そう、美肌=女性と女性専用にしておくにはもったいない温泉なのです。ご年配の方々も身体を活性化ください、万病に効くはずです。男性諸君も生き生きとしてイケメンになれるかも・・・?

なお、温泉街にはドジョウすくい・安来節のショーを見る事ができる温泉施設“ゆ〜ゆ”があります。”出雲玉作り資料館”も近くにありますので、ご家族でも楽しめます。

但し、車で来られる方は少し注意が必要です。松江方面からくる場合、国道25号、玉造郵便局の手前で右手に曲がり川沿いに上流に向かってください。玉作湯神社付近から温泉街には車で入れませんので・・。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/06/06−2014/06/08 訪問

- PR -

条件を指定して検索

トラベルジェイピーで一緒に働きませんか?

- PR -

旅行ナビゲーター(在宅ライター)募集中!
この記事に関するお問い合わせ

- PR -