神楽を深く知るならココ!広島県安芸高田市「神楽門前湯治村」

神楽を深く知るならココ!広島県安芸高田市「神楽門前湯治村」

更新日:2021/08/06 17:06

村井 マヤのプロフィール写真 村井 マヤ 中国・九州文化的街並探検家
広島県北部に位置する安芸高田市は、戦国武将毛利元就の故郷!ここは、古くから伝統芸能の神楽が盛んな地域でした。安芸高田市の神楽は、出雲流神楽が石見神楽を経て江戸期に伝わったと言われています。現在、「ひろしま安芸高田神楽」という独自の神楽ブランドとして成長し、22の神楽団が伝統を守っています。そんな安芸高田市で温泉と神楽が楽しめる魅惑の施設が、今回ご紹介する「神楽門前湯治村」!是非、神楽の世界へ・・。

山の中の静かな湯治村「神楽門前湯治村」

山の中の静かな湯治村「神楽門前湯治村」

写真:村井 マヤ

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「神楽門前湯治村」は、広島県安芸高田市美土里町の小高い山の中にあります。静かで、周り一面山野という自然豊かな場所。
緑豊かな季節には、森林浴が楽しめそうな空気の澄んだ場所です。冬は雪も積もる地域ですが、この「神楽門前湯治村」では、一年中(金・土日のみ)神楽を楽しむことができます。また、天然に湧き出すラドン泉も魅力のひとつ。

一歩湯治村に足を踏み入れると、なんだか懐かしい風景が広がっていて、「わあ〜♪」って思ってしまう・・そんな場所。湯治村に到着した途端、「ここ楽しそう」「なんだかワクワクする!」そんな気分になりますよ。

アクセスに関しましては、下記MEMO「神楽門前湯治村 アクセス」をご覧ください。

かむくら座で夜神楽観覧!神楽関係グッズも購入できる?!

かむくら座で夜神楽観覧!神楽関係グッズも購入できる?!

写真:村井 マヤ

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湯治村内部には、お土産屋さん、食事処が3店舗、おだんごなどが頂ける茶店、駄菓子屋さん、玩具店、宿屋、そして温泉施設があります。かわいい横丁「ちょい呑み横丁」、「木戸門横丁」などがあって、散策がてら奥まで歩いて行くと、2000人も収容できる神楽観覧専用「神楽ドーム」や「神楽資料館」「かむくら座」などがあり、神楽の世界にどっぷり浸れます。

また、安芸高田市では神楽を舞う舞い手、ファン、まちの人々に元気を与えるため、神楽をテーマにしたグルメ、商品開発を行っています。伝統芸能・神楽を伝承していくための地域ぐるみのバックアップなのです。そんな神楽を愛する人たちが開発したグルメに「神楽五色麺」があります。湯治村では、唐辛子のきいた「うま辛特製スープ」に豚肉をのせ、特産の「青ネギ」をたっぷり散らした「夜叉うどん」を召し上がれます。
この神楽グルメに参加しているお店は、8店舗。詳しくは下記MEMOを参考にして、是非安芸高田市で、神楽グルメを味わって!

かむくら座は150人くらいが収容できる小劇場になっています。夜神楽や冬場の昼神楽はこちらで行われます。神楽ドームのように広くないですが、目前で行われる神楽は迫力満点!終演後は、神楽の衣装をまとっての記念撮影などもできますよ。

また、かむくら座の向かいにある「神楽体験館 和楽」には実際に神楽の舞を体験できるミニ舞台や神楽の面の絵付けをできる「体験工房」もありますよ(体験料:有料10:00〜16:00)。なお、各工房は曜日別開催になっておりますので、事前にご確認ください。
またここには、地元13神楽団の活動内容や町内の観光スポットなどを詳しく紹介した「美土里情報館」もあります。

写真は、かむくら座の前の様子。神楽の面やDVD、神楽の書籍などが販売されています。神楽の面をモチーフとした小物は、なかなか面白いお土産になりそうです。

「神楽資料館」で神楽の歴史と神楽の奥深さを知る!

「神楽資料館」で神楽の歴史と神楽の奥深さを知る!

写真:村井 マヤ

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「神楽資料館」では、神楽の歴史と「ひろしま安芸高田神楽」の成り立ちを学べます。ここで、神楽の演目や神楽の「古舞」、「新舞」の違いなど、ちょっとした知識を叩き込んで神楽を観覧すると、もっと面白くなりそうです。
館内では、安芸高田市の神楽の歴史から神楽ブームに至るまで詳しく説明されており、「安芸高田神楽」が独特であることも理解できます。また、「旧舞」「新舞」などの調子を実際耳で感じられるような設備もあり、音から神楽を学べるようになっています。

「神楽ドーム」では、神楽大会も開かれる!?

「神楽ドーム」では、神楽大会も開かれる!?

写真:村井 マヤ

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写真は、2000人収容可能な「神楽ドーム」です。ここで、「ひろしま安芸高田神楽」を守り続ける22の神楽団が持ち回りで公演します。

また、毎年6回開催される神楽大会もここで行われます。この日本で類のない神楽専用のドームの屋根は、東京ドームと同じ幕を張ったもので、大きな大会ともなれば畳敷きの桟敷席が設けられ、老若男女長時間快適に神楽を楽しむことができるように工夫されています。

ドームで行われる神楽大会は、こどもの神楽大会、高校生の神楽甲子園、ひろしま神楽のグランプリ大会など、こどもから大人まで参加する盛大なもの。ひろしま神楽の真の姿がここにはある!といっても過言ではありません。

ダイナミックな神楽はやはり目の前で見たいもの!

ダイナミックな神楽はやはり目の前で見たいもの!

提供元:梶矢神楽団

https://www.facebook.com/kajiyakaguradan地図を見る

「ひろしま安芸高田神楽」は、終戦後に独特に発展します。終戦直後の神楽は、その性格上連合軍による規制も受けていました。そんな中で、農村では暗い日常を少しでも打破すべく、神楽を中心とした郷土芸能が盛んに行われるようになったのです。

当初は、規制もありましたが、安芸高田市では美土里、高宮の両町で16の神楽組(後の神楽団)で芸北舞楽高田郡連合会が組織されるなどし、今日の神楽ブームの発端となりました。昭和29(1954)年になると川根村(安芸高田市高宮町)梶矢神楽団の「鍾馗(しょうき)」、同山根神楽団の「剣舞」、生桑村(安芸高田市美土里町)の桑田天使神楽団の「神降し」、同青神楽団の「神迎え」が広島県の無形文化財に指定されました。現代神楽団は22楽団あります。下記MEMO「神楽門前湯治村」の「神楽」のサイトにすべての楽団の情報があります。

「神降し」は、神楽を始める前に、最初に舞台で舞われる儀式舞です。神様をお招きするための舞いで、どの神楽団でも一番のベテランが舞子をし、神楽の中でも一番神聖視されており、神楽の作法や基本の舞いが詰まっています。これは、やはり見たいですよね。
「鍾馗」は、どの神楽団も得意とする演目ですが、梶矢神楽団は精妙さで有名です。

また、「神降し」「神迎え」はいわゆる「旧舞」で、戦前から舞われている演目のこと。今日で言う石見系の六調子神楽です。儀式舞と能舞から成り、主に奉納中心の神楽ですので、緩やかな調子となります。それに対して石見八調子の高田神楽を戦後改定して創られた演目「新作高田舞(新舞)」は、演劇的で勇壮活発な調子です。

神楽は、歴史も古く、また奥が深いことが分かりますよね。

写真は、梶矢神楽団の「鍾馗」です。色鮮やかな衣装が見事。梶矢神楽団は、安芸高田市の神楽の元祖として古典的な演目を守り続けています。

温泉と神楽とノスタルジック気分も「神楽門前湯治村」で味わう

「神楽門前湯治村」の表御門をくぐり、まず右手に「天然ラドン温泉岩戸屋」、温泉の前の道が門前通りで、両側に宿屋やお店が立ち並んで一番奥に「神楽ドーム」があり、そのさらに奥には「神楽殿」があります。この神楽殿へと続く門前湯治村。よく考えられた施設ではありませんか?こじんまりとしていますが、温泉と神楽、そして門前通りの佇まい。すべてトータルで、訪れた人を楽しませてくれる・・。ここにしばらく滞在すると、神楽を通じて、忘れていた「何か」を思い出すような・・。「神楽門前湯治村」で、こんな体験ができたら素敵ですよね♪

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/08/24 訪問

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