写真:浦賀 太一郎
地図を見る石川県の金沢市街から車で3時間以上をかけて、やっと到達できる禄剛崎。まさしく奥能登のゆきどまりです。
岬の入口から10分ほど坂道を歩くと、広々とした芝生が開け、その先に禄剛崎のシンボル・禄剛埼灯台が現れます。禄剛埼灯台は明治中期にイギリス人技師の設計で建設されました。
明治16(1883)年7月10日に初点灯して以来、海難事故の多かった近海を照らし続けています。昭和15(1940)年には石油から電化され、昭和38(1963)年に無人化されました。
建設以来130年を超えてなお現役で活躍する禄剛埼灯台は、平成10(1998)年11月1日の「灯台の日」に、一般市民の投票によって「日本の灯台50選」に選定されました。
また、明治時代建設の現役灯台で、特に歴史的・文化財的な価値があるとして、海上保安庁が選んだ「保存灯台」の中でも最も価値が高いAランクに格付けされています。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る禄剛崎からは、晴れ渡った日には立山連峰から、遠く佐渡島まで見晴るかせ、朝日と夕日を同じ位置から見ることができる日本海有数の朝日&夕日スポット。まさに能登半島いや、北陸ナンバーワンと言っても過言ではない、見渡す限りの絶景が広がっています。
俳人・山口誓子は、昭和36年の夏に訪れた際、この狂おしい程に旅情を掻き立てる風景を
「ひぐらしが鳴く 奥能登のゆきどまり」
と詠いました。その歌碑も、禄剛崎に佇んでいます。
灯台のある段丘上から崖下の海までは40m以上もあり、まさに断崖絶壁の地形となっています。崖下には平らな海食棚の奇勝・千畳敷が広がっており、満潮時は海中に隠れてしまいますが、干潮時はその厳つい岩肌がむき出しになり、迫力のある景観となります。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る正統派な岬と思いきや、ちょっと変わり種の石碑も設置されています。
「日本列島ここが中心」と銘打たれた石碑のレリーフには、日本列島の図に、禄剛崎を中心に円が描かれ、ここが日本列島の真ん中であることを示しています。
説明文などは特にありませんが、視覚的にここが日本列島の中心であろうことがよくわかります。ただし、北海道と九州の大部分は円からはみ出していますし、沖縄はどうしましたか?など、疑問点は残ります。
能登半島の最果てで出会う、まさかの「日本列島の中心」は、シュールでもあり、それでいて立派な碑まで建ててしまうその生真面目さが微笑ましくもあり、地面に記された中心を示す白い円に立ち、最果てなのに真ん中気分に浸るのもまた一興です。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る青空にそびえている青い看板は、禄剛崎から東京、上海、釜山、ウラジオストクへの距離を記した道標です。
もちろん、禄剛崎から船や飛行機で行けるわけではありませんが、この絶海が広がる海の向こう側には、まだ見ぬ異国の風景が広がっているのです。
そういう意味では、能登の海は決して絶海などではなく、異国への入口、といった言い方もできるかもしれません。
また、禄剛崎周辺は、船が交通手段として主要に用いられていた近世以前に、海上交通の要所として栄えた地区でもありました。
古来から海難事故の多かったこの地区は、灯台が建つ前から狼煙(のろし)場が置かれ、航路を照らしていたといいます。
狼煙場は、奈良時代にはすでに存在していたといいます。この地区が「狼煙」という珍しい地名なのは、航海者が道標として眺めたであろう、段丘から上がる狼煙の印象そのままなのです。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る岬入口には道の駅「狼煙(のろし)」があり、無料の駐車場が完備されています。ここでは特産の大浜大豆を使用した「おからクッキー」や「豆乳ようかん」などのお土産が揃います。
「おからスイーツ」・「揚げ浜塩」など、奥能登ならではのスイーツや調味料が手に入ります。
他にも地元の方が作り方を教えてくれる豆腐の手作り体験など、地域の方、地域の文化に触れられる体験交流施設も楽しめます。
こちらは要予約ですので、メモのホームページにアクセスしてご確認を。
能登半島の最果ての地・禄剛崎ですが、国道249号線と県道28号線がぐるりと半島の海岸線を囲むように走っているので、行き止まりというより、むしろ観光拠点の一つとして考えてみて下さい。
特に道の駅 狼煙は、狼煙地区をはじめ、奥能登の魅力を発信する情報発信基地でもあるので、珠洲市や奥能登観光の拠点としてとても便利です。
「奥能登のゆきどまり」、禄剛崎、いかがでしたか?
輪島市街方面から来た方は穴水町へ向け、見附島や恋路海岸、能登島の海岸線に続く景勝美が待っています。穴水町方面から来た方は輪島市街へ向け、伝統的製塩方である「揚げ浜式製塩法」の体験ができる道の駅「すず塩田村」や世界農業遺産・白米千枚田の美観、活気あふれる輪島の朝市など、能登の里海里山の魅力を堪能しつつ周遊することができます。
来た道を戻る、といった動きをする必要がないので、能登の魅力を効率よく満喫することができるでしょう。
能登へご旅行の際は、能登半島最先端・禄剛崎をぜひ目指してみて下さい!
この記事を書いたナビゲーター
浦賀 太一郎
ペリー来航の地・浦賀出身の太一郎です。普通のサラリーマンです。週末や連休に気の向くまま、やや綿密に計画を立て旅をします。一人旅、友達との旅、お嫁さんとの旅、家族との旅、出張という悩ましい旅。人生の様々…
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