犬好きの方必見! 長崎県大村市に残る特定の動物を弔った世界最古の墓碑をご存知ですか。

| 長崎県

| 旅の専門家がお届けするオリジナル旅行ガイドメディア

犬好きの方必見! 長崎県大村市に残る特定の動物を弔った世界最古の墓碑をご存知ですか。

犬好きの方必見! 長崎県大村市に残る特定の動物を弔った世界最古の墓碑をご存知ですか。

更新日:2015/09/21 13:36

主人の死を嘆き悲しみ、跡を追って死んだ大村藩家老の愛犬「華丸」。「華丸」の殉死は武士道の鏡・義犬と365年経った今も誉め称えられ、世界最古と言われている貴重な墓碑は、長崎空港にほど近い大村市古町の萬歳山本教寺に静かに佇んでいます。

あなたも義犬「華丸」の健気な史跡を見に行きませんか。

歴代の大村藩主を弔った菩提寺として有名な日蓮宗の古刹「本教寺」

歴代の大村藩主を弔った菩提寺として有名な日蓮宗の古刹「本教寺」
地図を見る

本教寺は日本初のキリシタン大名である大村純忠の墓碑や歴代の大村藩主を弔った菩提寺として有名な古刹で、キリスト教から仏教へと転換していく歴史を表す貴重な文化財として国の史跡にも指定されており、巨大な墓石群と独特な石灯籠は必見です。

大村家の菩提寺として1608年(慶長13年)8月に本教寺を開山した初代藩主:大村喜前(おおむら よしあき)はドン・サンチョの洗礼名を持つ熱心なキリシタン大名でしたが、幕府のキリシタン禁教政策が厳しくなる中、肥後大名である加藤清正の薦めもあり日蓮宗に改宗(諸説あり)。時代の変化に対応し、大村家を存続させた名君とも言えます。

一方で歴代藩主はキリシタン弾圧も行ったため、市内には悲しい史跡が数多く残されています。そちらもぜひお立ち寄りください。

大村藩を支えた家老の愛犬「華丸」

大村藩を支えた家老の愛犬「華丸」
地図を見る

本史跡の主役である「華丸」は、大村藩三代藩主:純信公の傅役(もりやく) 兼 家老であった小佐々市右衛門前親(こざさ いちうえもん まえちか)が飼養していた愛犬で、犬種は狆(ちん)と伝えられています。御家断絶の危機を乗り越え、幼くして家督を継いだ純信公を傅役として守り育て、家老として大村家を支えていた前親は、純信公が33歳の若さで急逝したという悲報に接し、その死を痛み追腹(殉死)してします。1650年(慶安3年)6月のことです。

「華丸」は前親の荼毘(火葬)の際、主人の死を嘆き悲しみ、涙を流しながら炎の中に飛び込み、主人の跡を追いました。家人たちは「華丸」の殉死を武士道の鏡・義犬と誉め称え、前親の墓所に墓石を建てて弔いました。当時の上級武士に準じた高さ3尺(約90cm)の墓石には132文字の漢文による追悼と由来が刻されており、碑文には前親が華丸を慈しみ可愛がっていた様子が記されています。

本教寺によれば本史跡は世界最古の動物の墓碑であり、「華丸」の墓碑も国の史跡として指定されている大変貴重な史跡と言えます。

余談ながら狆は徳川将軍家にも愛された座敷犬で、かのペリー提督も帰国の際にジャパニーズ・スパニエルの犬として持ち帰っている由緒正しい日本の犬です。最近では見かけることも少なくなりましたが、“狆くしゃ”の語源にもなっている愛らしい犬なので、お見知り置きを。

義犬「華丸」は今も大村市の人たちに愛されています

義犬「華丸」は今も大村市の人たちに愛されています
地図を見る

今年の6月には前親の365回忌法要を記念し、子孫である小佐々会の寄付により華丸の顕彰碑と石像が新たに建立されました。また、「義犬 華丸・美犬 華子」という可愛いキャラクターもつくられ、大村市の動物愛護による歴史観光宣言と動物愛護思想の普及啓発への取り組みをサポートしています

本史跡は飼い主の深い愛情に対して無償の愛で応えてくれる愛犬との絆の深さに思いを馳せることができる素晴らしい史跡だと思います。長崎観光をご予定の犬好きの方は、ぜひお立ち寄りください。

アクセスと参考文献/WEBサイト
JR大村線「大村」駅より竹松方面行バスに乗り「上杭出津」バス停下車 徒歩3分。
長崎空港からJR「大村」駅経由・JR「諫早」駅行のバスに乗り「古町」バス停下車徒歩5分。

日本愛犬史 -ヒューマン・アニマル・ボンドの視点から(小佐々学/日本獣医師学会会誌 66)
犬たちの明治維新 ポチの誕生(仁科邦男/草思社)
萬歳山本教寺パンフレット(社務所でいただくことができます)

みなさまへのお願い

「華丸」の墓碑は本堂左側の墓所内左手にあります。まずは本教寺社務所にお立寄りのうえ場所を確認いただき、お墓参りをされている方の邪魔にならないよう静かにご見学ください。

墓所内は国の史跡に指定されている大切な文化財が多々あり、巨大な墓石群が並んでいます。石灯籠などは倒れ易く、事故が起こる可能性があります。まわりに十分に注意し、マナーを守って見学(お参り)してください。また、見学(お参り)の際、墓碑や石碑、石像に自ら手向けたお供物などは絶対に放置せず、すべて持ち帰りましょう。残していくと誰かが片付けなければなりません。追悼するお気持ちだけで十分かと思います。

また、くれぐれも墓碑や石碑、石像を毀損することは絶対にお止めください。良い写真を撮影しようとして他の墓所に足を踏み入れるなど、墓所や史跡を冒涜する行為はもちろん、木々や草花を折ったり、抜いたり、モノを移動することは厳に慎みましょう。深くお願いいたします。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/12/22 訪問

- PR -

条件を指定して検索

トラベルjp<たびねす>

トップページへ戻る

トラベルjpで一緒に働きませんか? 旅行ガイド編集部では運用サポートスタッフを募集中です!

- PR -

旅行ナビゲーター(在宅ライター)募集中!
この記事に関するお問い合わせ