写真:咲田 みつる
地図を見る青森市森林博物館は、建物自体が主に「県の木・青森ヒバ」で作られているルネッサンス式の洋館(明治41年築)で、もと青森営林局の旧庁舎を利用した施設です。重厚な雰囲気が、映画「八甲田山」ロケ地選定のポイントになりました。(青森ヒバの特性については後述しますが、耐久性が高く、現在も寺社仏閣などで多く使われています。)
国道に面した前庭は高い塀がなく開放的で、青森ヒバなど樹木約300本の光さす樹木園。その奥にたたずむ、緑の屋根のお洒落な洋館が森林博物館です!博物館と知らずに通りかかっても、思わず入ってしまいたくなるような美しさです。では早速中へ入ってみましょう!!
写真:咲田 みつる
地図を見る博物館は、2階建てで、屋外を含め8つの展示室があります。中に入れば、1階の見どころがすぐに目に入ります!吹き抜けを利用した巨木の「根こそぎ展示」です!
本物の木の根を、大胆にも吊り下げて展示。葉・茎・根ごとに樹木の働きをわかりやすく解説しています。是非、直に下からのぞいて、迫力を感じてください!森林にすむ小動物についての解説もあり、森林の生態系が一挙に学べるようになっています。
このほか、テーマを「自然・森林と人間生活のかかわり」として、青森の植生や、自然との共生について丁寧に解説されています。
写真:咲田 みつる
地図を見る森林博物館という立地上、特異な空間とも言えるのが、こちらの特別室。映画「八甲田山」(1977年)のロケに使用された部屋です。もとは営林局の局長室でした。撮影時とまったく同じというわけではありませんが、あえて植物などの展示には使用せず、ロケ当時の趣を残した部屋となっています。部屋の外には、ロケ当日のキャストの様子を伝える展示があり、故・高倉健さん含む豪華な名優陣が演じた様子が、リアルに感じられます。
写真:咲田 みつる
地図を見る青森ヒバについては2階第4展示室と、屋外第7展示室(上記の写真)にて、展示・解説がされています。青森県の温浴施設と言えば、ヒノキ風呂ではなく、ヒバ風呂が定番です!あの有名な八甲田エリアの酸ヶ湯(すかゆ)の千人風呂も、総ヒバ造り。他にも建材や加工品にと、ひっぱりだこの逸材です!その理由とは・・・
青森ヒバには、日本産のヒノキよりもヒノキチオールという精油(顕著な抗菌作用あり)が多く含まれており、さらに防虫・消臭・癒しの効果まであるのです。事実、温浴施設を訪れた際にヒバの浴槽に近づくと、ヒノキを思い出させるよい香りが、ぷ〜んと漂います。
ここでは、そんな気になる青森ヒバの、特徴と活用事例を詳しく紹介しています。青森に来たなら、ヒバ造りの温泉に入らなくちゃ!という気持ちになれるヒバ情報が満載です。
青森ヒバのスペックを知ったなら、そばに置きたくなるというもの。建材としては高価なイメージですが、お土産選びはご安心ください!
出入り口付近にて、香り高いヒバのチップやおがくずが数100円で販売されています。是非手に取って、その芳香を感じてください!チップは天然の防虫剤や消臭剤として使っても良し、ご自宅の湯船に入れれば、ヒバの香り風呂を楽しめるでしょう。大小選べるヒバ取り箸も、抗菌効果があり、食卓で重宝できます。
写真右上は「ヒバ爆弾」(有限会社村口産業)。ヒバのおがくずを圧縮したもので、香りの良い除湿剤として、おすすめです!水分を吸って最終的に約4倍に膨れ上がる様子が、衝撃的なネーミングにつながりました。自然派志向の方にとって、またとないお土産になるでしょう。
青森市森林博物館は、今回取り上げた見どころ以外にも、雪深い土地特有の木の活用の仕方や、森を育てる林業の仕事、かつて下北半島で活躍していたディーゼル機関車の展示など、内容が盛りだくさんのスポットです。
また、潜在能力の高い青森ヒバですが、ヒノキほど認知度が高くないのが現状です。しかし、その特性を知れば、青森県内に多く見かけられるヒバ風呂の感慨がひとしおとなるでしょう。大人の知的旅の情報源として、是非訪れることをおすすめいたします!!
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(2025/1/14更新)
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