写真:澁澤 りべか
地図を見るまずはメインストリート「クレテス通り」の賑わいをごらんあれ!遺跡となった今でもすごい人!この通りの右側には、浴場(テルマエ)、トラヤヌスの泉、ハドリアヌス神殿などが並んでおり、古代の繁栄ぶりを忍ばせます。
エフェソスは紀元前2世紀にローマの支配下に入り、ここで見られる建造物の多くは、ローマ帝国が“パックス・ロマーナ”と呼ばれる黄金期を迎えた紀元1〜2世紀ごろのもの。ちょうどマンガ『テルマエ・ロマエ』と同じ時期です。
最近の調査では、この通りに面してあの女王クレオパトラの妹アルシノエの墓があるらしいとか。まさに古代史ファン必見の遺跡です。
写真:澁澤 りべか
地図を見るクレテス通りの奥に見えていたのが、この2階建ての壮麗な「セルシウス(ケルスス)図書館」。紀元117年に建てられたエフェソス遺跡を代表する建築で、広大な遺跡のほぼ中央に位置しています。
当時はパピルスや羊皮紙に書かれた12万巻にも及ぶ蔵書が、壁のくぼみに収められていました。その規模から、アレクサンドリア(エジプト)、ペルガモン(トルコ)と並ぶ、古代の世界三大図書館とされています。
図書館のそばには巨大な円形劇場もあります。山の斜面を上手く利用したつくりで、25000人を収容できる観客席が扇形に広がるさまは圧巻です。
写真:澁澤 りべか
地図を見る遺跡の中にはこんなものも・・・。なんだか分かりますか?
これは2000年前の公衆トイレ。しかも水洗!
便器の穴の下を水が流れており、足元の水路ではおしりを拭いた柄つき海綿を洗っていました。卑弥呼が生まれるよりも前に、すでにローマ人は水洗トイレを使っていたなんて驚きですね。
実際に腰掛けて座り心地を確かめることもでき、古代ローマ人になった気分が味わえます!古代には、コの字型に配されたこのようなベンチ型便器の中央で音楽を奏でる人もいました。ローマ人にとって公衆トイレは、リラックスして雑談に花を咲かせる憩いの場だったようです。
写真:澁澤 りべか
地図を見る遺跡の周辺にもまだまだ見所があります。まずは「世界七不思議」の1つだった「アルテミス神殿」。
ギリシア神話の狩猟の女神アルテミスをまつったもので、あのアテネのパルテノン神殿よりもひとまわり大きい巨大な神殿でした。残念ながら、今は柱が一本ぽつんと残るのみ。柱のてっぺんにはコウノトリが巣を作っています。
時間がある方には「エフェソス考古学博物館」の見学もおすすめ。女神アルテミスに対面できます。エフェソスで信仰されたアルテミスは、卵のような、乳房のようなものがお腹にたくさんくっついた、不気味なくらい独特の風貌をしています。ぜひ近くでじっくりとごらんください。
写真:澁澤 りべか
地図を見る最後にご紹介するのは「聖母マリアの家」。
聖母マリアはイエスが処刑されたあと、イエスの弟子のひとりヨセフに伴われてエフェソスの地に移り、ひっそりと余生を過ごしたとされています。(諸説あります)
そのマリアが住んでいたという家が、エフェソス遺跡南のビュルビュル山(コレッソス山)の山中にあり、トルコ国内だけでなくヨーロッパ中からキリスト教徒がお参りにやってきます。神聖な場所なので内部は私語禁止、撮影禁止。ローマ教皇が訪れたときに寄進されたロザリオなどが展示されています。
この「聖母マリアの家」のそばの郵便局からハガキを出すと、聖母マリアがデザインされたここだけのスタンプを押してくれます。周辺のお土産やさんではロザリオやイコン(聖像画)、そばの泉から湧き出た聖水を小瓶につめたものなどを売っています。
見所満載のエフェソス、いかがでしたか?
ローマ帝国の遺跡と言えばイタリアを想像しがちですが、トルコでも『テルマエ・ロマエ』体験ができるんです!エフェソスが「トルコのポンペイ」と呼ばれるのも納得。
世界遺産に登録されたことで、今後ますます人気が出るでしょう。年間を通じで温暖な地中海地方は、日本が寒くなる時期にもおすすめです。
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(2024/12/2更新)
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