名古屋から国道41号線をひたすら北上すること約2時間、下呂市小坂町に到着。ここからさらに鈴蘭スカイライン、御岳パノラマラインを乗り継ぎ、県道の終点にたどりつけばそこが「濁河温泉」です。御岳パノラマラインからの山並みの風景は大変美しく、カーブを曲がるたびに霊峰御岳山が顔も見せてくれます。風向きによっては御岳山の噴煙が見られることも。ただし御岳パノラマラインはアスファルト舗装されているものの、大変ハードな山岳道路。対向車に注意しながら慎重に運転します。
「濁河温泉」に到着したら県道の終点にある御嶽山登山口に車を止め、さっそく滝めぐりにスタートです。
散策路は御岳山の登山道の一部になっているので、登山者ともすれちがうこともしばしば。標高はすでに1800メートルを超えています。ゆっくりと呼吸を整えながら歩を進めます。
登山道を歩くこと15分弱。御嶽山へ向かう登山道と分岐し、滝を目指す道は川へ向かって下っていきます。このあたりまで来るとどこからか温泉の臭いがしてきます。よく硫黄のようなにおいと言われますが、硫黄自体は無臭なので正しくは硫化水素のにおいなんです。硫化水素というとなんだか危ないエリアだと誤解を与えてしまいますが、人体に影響があるほどの高濃度のガスではなく、温泉地に行くと感じられるあの独特のにおいが漂ってくるという感じです。
木製の小橋を渡ると、なんだかマイナスイオンをあたり一面から感じられる場所に出ます。耳をすませば滝を流れる水の音も聞こえてきます。
滝の音が聞こえる方向に進んでいくと見えてきました。これが「仙人滝」!
看板よりも先に行くことができますし、滝壺周辺まで近づくことも可能です。夏場でも水しぶきと心地よい風でとてもひんやりしています。両手を広げてマイナスイオンをいっぱい浴びてみてください。ただし水量はその日で異なりますので、滝壺に近づけないときもあります。また水量が少なく豪快さが感じられないときもあります。滝はまさに生き物、行くときどきで違った表情を見せてくれます。
標高が高いだけに秋の訪れも早く、冬は大変な豪雪地帯ですので11月下旬にはもう入山できなくなります。5月から約半年だけ見られる貴重な滝ですので、グリーンシーズンに「濁河温泉」を訪れる方は必見です。
「濁河温泉」のある下呂市小坂町は、滝めぐりができる場所としても有名。この「濁河温泉」周辺には「仙人滝」のほかにも「緋の滝」「白糸の滝」などの滝があり、原生林遊歩道で結ばれているので、1時間少々あれば3つの滝をすべて巡ることもできます。
「濁河温泉」には市営の露天風呂があります。ワンコインの500円で利用できてとてもリーズナブル。お湯は名前の通り濁りがありますが、それほど強い濁りではなくうすい黄色といった感じ。露天風呂の底がかろうじて見えるほどの透明度です。お風呂のそこは赤茶色に変色しており、お湯は若干の塩分が感じられます。
日帰り入浴なら「旅館 御岳」の露天風呂もおすすめです。こちらの旅館では午後1時から4時までの3時間だけ外来入浴が可能。男女別の大浴場、露天風呂だけでなく、混浴渓谷露天風呂まで入ることができます。特に渓谷露天風呂は濁河川の谷底へ160段もの階段を降りてようやくたどり着く露天風呂。原生林に囲まれた野趣満点のお風呂となっています。男女混浴ですが水着も着用可能ですよ。
「旅館 御岳」は、駐車場のわきに無料で利用できる足湯コーナーがあります。宿泊者以外も無料で利用できるので、どなたでも足の疲れを癒すことができます。外来入浴の時間外で温泉に入れないときでも、足湯ならいつでも楽しめますよ。
旅館のテラスとつながっており、館内売店ではビールやアイスも販売しています。足湯に浸かりながらの飲食もOKですので、大自然に囲まれながら開放的な雰囲気で、のんびりとリラックスしてください。
「濁河温泉」へのアクセスは基本的にマイカーのみとなりますが「旅館 御岳」に宿泊される方は、JR高山本線の下呂駅もしくは高山駅より有料の送迎バスを利用することもできます。また、夏休み期間中は、長野県にありますJR中央本線の木曽福島駅より路線バスも運行されます。冬期は夜間閉鎖される道路もありますし、豪雪地帯の山岳道路となるため、冬装備は必携です。ぜひグリーンシーズンにお出かけください。
「濁河温泉」は岐阜県下呂市にありますが、下呂温泉からでも山岳道路を1時間以上走り続ける大変山深い場所です。だからこそ、たどり着いた人だけが目にすることのできる風景に満足感が倍増します。標高1800メートルから見る雄大な霊峰「御嶽山」。「仙人滝」や「白糸の滝」などの美しい滝めぐり。しめくくりには秘湯「濁河温泉」の露天風呂とその泉質にいやされ、マイナスイオンをいっぱい浴びて、心も体もリフレッシュできる旅になることは間違いありません。大自然が満喫できるのはやはりグリーンシーズンから紅葉にかけてです。飛騨地方にお出かけの方は、行き先の候補にぜひ「濁河温泉」を加えてみませんか。
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(2023/11/29更新)
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