エーゲ海のヒオス島だけで採れる神の涙?! 石壁に囲まれた要塞の村へ

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エーゲ海のヒオス島だけで採れる神の涙?! 石壁に囲まれた要塞の村へ

エーゲ海のヒオス島だけで採れる神の涙?! 石壁に囲まれた要塞の村へ

更新日:2015/09/21 13:34

竹内 あやのプロフィール写真 竹内 あや トラベルライター

ギリシャ、エーゲ海に浮かぶ島々のなかでもトルコに近く、オリエント文化の影響を色濃く残すヒオス島。この島南部には、ここでしか採れない「神の涙」が存在するという。そして、それを守るために造られた、要塞ヴィレッジとは?!

ヒオス島南部で採れる「神の涙」とは?

ヒオス島南部で採れる「神の涙」とは?

写真:竹内 あや

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「神の涙」と呼ばれる、宝石のような黄金色の小さな塊。口に含み、しばらく噛んでいると、まるでガムのような粘着質を増してきます。味はといえば、ヒノキのような独特な香りで、苦みがちょっぴり強め。ずっと口の中に入れていたら、かなりあごの筋力が鍛えられるだろうな……といった噛みごたえです。

この塊の正体、実はマスティハと呼ばれるウルシ科の香木から採れる樹液が固まったもの。抗ピロリ菌や殺菌作用があるとして、昔から重宝されてきました。今ではその効能が期待され、樹液配合の歯磨き粉や石けん、食品など、さまざまな商品が生産されています。

重宝されてきた理由は、その効能だけではありません。なんと、このマスティハはヒオス島、しかも島の南部でしか育たないという稀な植物でもあるのです。この貴重な存在にすでに気づいていた人々は、外部に知られないようにと考えました。こうして生まれたのが、マスティハを極秘で育てるためのマスティック・ヴィレッジでした。

中世の面影が色濃く残るメスタ

中世の面影が色濃く残るメスタ

写真:竹内 あや

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マスティック・ヴィレッジが登場した14〜15世紀当時、ギリシャはビザンティン帝国(東ローマ)時代で、ヒオス島はジェノヴァ共和国の支配下にありました。ジェノヴァ人たちは、のちにオスマン帝国として台道するトルコ人たちの侵略を恐れ、重厚な要塞を建設。そのなかでひっそりとマスティハを育てていました。

ヒオス島南部には、このようなどことなくミステリアスな村が約20点在しています。なかでも、南部西端に位置するメスタは、最も当時のままの姿を残した村のひとつ。セントラル広場に建つ教会を中心に、半径100〜150mにわたって迷路のような細い路地が広がり、周囲は重厚な外壁で囲まれています。上から見ると五角形に近く、各角に見張り用の塔が建っているのがわかります。

実はこの外壁、一軒一軒の家が隣接してできたもの。家自体が要塞としての役目を果たしているのです。窓や扉は要塞の内側だけに付いていて、外から侵入することはできません。さらに村へ入るためには、わずかふたつしかない門のいずれかを通り抜けなくてはなりません。

路地に面して建つ家の小さな扉を開けるとまず、ロバなどの家畜の部屋が現れます。その先の階段を上るとパティオ(中庭)のような空間があり、さらにその奥に寝室や台所があるのが通常のスタイル。パティオから取り外し式のはしごを使って屋上へ上がり、隣の家から隣の家へと屋根をつたって、最終的には村の中心地にある教会まで行き着くことができます。

要塞ホテルに泊まろう!

要塞ホテルに泊まろう!

写真:竹内 あや

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マスティハ栽培を生業とするのは厳しく、現在この村に住む人は300人程度。多くの住居が廃墟へと化していくなか、再び光を当てようと立ち上がったのが観光開発プロジェクトです。重厚な石造りの建物はそのままに、内部を居心地のいい空間に改装し、宿泊施設「メディーヴァル・キャッスル・スイート」を誕生させました。要塞内に点在する計20の客室はそれぞれ趣向が異なり、サイズや内装もさまざま。客室によっては、ダイニングーム(キッチン)とベッドルームが別室になっているものや、中庭付きのものもあります。

村には数軒のショップと数軒のカフェやタベルナがあるだけですが、その一軒一軒が魅力的。伝統のメスタ織りに出合える店や手作りアイスクリームが味わえる店など、散策しているだけで楽しい気分になってきます。村人ご用達の小さな食料店には、自家製ワインやチーズ、マスティハも。夏シーズンになると人口は倍以上に増し、日中はヒオス・タウンや近くのビーチリゾートから観光客たちがやって来ます。

日帰りでも十分ですが、要塞ヴィレッジの雰囲気を思う存分楽しみたいのであれば、宿泊がおすすめ。カフェやタベルナが集まるセントラル広場で食事を楽しんだあとは、薄暗い路地をいくつも抜け、石壁のなかに隠れるようにして建つ隠れ家へ。洞窟のような空間で、中世時代にタイムトリップしたような気分が味わえます。

日帰りで訪れたい、ピルギとオリンピの村

日帰りで訪れたい、ピルギとオリンピの村

写真:竹内 あや

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ヒオス島南部には、ほかにも魅力的なマスティック・ヴィレッジが点在しています。メスタから東へ約10q行ったところにあるピルギは、メスタと並んで人気の村。人口1200人の比較的大きな村で、「クシスタ」と呼ばれる幾何学模様の独特な外壁装飾で知られています。

また、メスタとピルギの間にあるオリンピは、深さ約57mの地中に広がる巨大洞窟で有名な村。数々の鍾乳石に彩られた内部は、まるで別世界。ここでは、約1億5000万年前に誕生し、今も成長を続ける自然の造形美に出合えます。

最後に

「神の涙」で知られ、ビザンティン時代の面影を色濃く残すヒオス島。とりわけマスティック・ヴィレッジは、当時のままの姿を今に伝える、興味深い村々です。要塞に囲まれた村へ一歩踏み込み、中世時代へと遡ってみませんか?

■アクセス:ギリシャの首都アテネからヒオス島へ国内線で所要約50分。空港からメスタまでは車で約1時間30分。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2015/08/10−2015/08/13 訪問

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