近世山城と黒いいなりずしにビックリ!山陰の小京都「津和野」

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近世山城と黒いいなりずしにビックリ!山陰の小京都「津和野」

近世山城と黒いいなりずしにビックリ!山陰の小京都「津和野」

更新日:2015/09/25 17:36

後藤 徹雄のプロフィール写真 後藤 徹雄 フォトグラファー

石見の国、島根県の津和野町。「石蕗(ツワブキ)の生い茂る野」から転じて「つわの」だという、そんな詩情溢れる名の町へ行ってみましょう。津和野藩の城下町、明治の偉人の里、山陰の小京都と称される歴史の町、津和野を訪ねる旅へご案内します。

山頂に近世城郭の石垣が残る津和野城へ

山頂に近世城郭の石垣が残る津和野城へ

写真:後藤 徹雄

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戦時に立て籠もって戦うために山の頂上や尾根に築かれた城は山城と分類されます。津和野城も鎌倉時代に地頭として赴任した吉見頼行が築城を始め、子の吉見頼直の代1324年頃完成した典型的な中世山城でした。
その後1600年の関ヶ原の合戦で東軍に付き功績のあった坂崎直盛が入国し総石垣の要塞へと大改修し、三重の天守をもつ近世城郭へと生まれ変わりました。

当時は戦国合戦が終わり徳川の世となって、城の形態が平地に築かれる平城や平山城へと移り変わる時代でした。しかし直盛は敢えて不便な中世山城の縄張りを継承し、旧態の戦時体制を保った城造りに徹したのでした。

今はもう木造の建築物は一切残っていない城跡ですが、津和野城の見どころというのは、驚くほど大量の石材を比高200mの山頂まで運び上げて築いた坂崎直盛の武辺を偲ぶというところにあるのかもしれません。山中にあって今は苔生した美しい算木積みの石垣に400年の時の流れを感じてみてください。

眼下に赤い石州瓦の津和野の町並みを見る

眼下に赤い石州瓦の津和野の町並みを見る

写真:後藤 徹雄

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城跡まではスキー場にあるような観光リフトで上がれますが、そこは山城、多少は山歩きの覚悟が必要です。足元の準備は怠りないように。出丸から本丸跡へと進むにつれ、石垣の規模と積みの美しさ、また築城当時の難儀を想うことで感動がじわりと湧いてきます。

二の丸から太鼓丸へ出ると一気に視界が開け(一枚目の写真)、さらに最高所の三十三間台は眼下に城下を一望できる絶景ポイントです。津和野川沿いに赤い石州瓦の屋根が続く津和野の景色に心奪われることでしょう。

津和野藩四万石の城下町を歩く

津和野藩四万石の城下町を歩く

写真:後藤 徹雄

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坂崎氏が一代15年で改易となると、続いてやはり徳川系の亀井政矩が入国し、麓に藩邸を築き城下町を整備しました。江戸期は津和野藩、亀井家四万石として十一代続き明治維新を迎えました。
小藩の常で武芸よりも学問に力を注ぎ、藩校養老館からは幕末に森鴎外、西 周の逸材を輩出しました。養老館や鴎外、西 周の生家は今も訪れることができます。

暖簾に「いなりずし」その佇まいに惹かれてしまう美松食堂

暖簾に「いなりずし」その佇まいに惹かれてしまう美松食堂

写真:後藤 徹雄

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津和野の城下から城跡のある霊亀山を見上げると、城の石垣よりも先に赤い千本鳥居や社殿の神社が視界に飛び込んできます。

これは津和野城の鬼門に当たる太皷谷(たいこだに)に江戸期津和野藩の七代藩主亀井矩貞が創建した太皷谷稲成神社(たいこだにいなりじんじゃ)です。
日本五大稲荷と称され「商売繁盛の神様」「津和野おいなりさん」と親しまれ、風水でいうパワースポットとしても有名な神社。「稲荷」を「稲成」と記すのは全国でもここだけです。

その参道前に昭和初期から続く一軒の食堂があります。その懐かしさが漂う佇まいに誰もが足を止めてしまう「美松食堂」です。暖簾には「いなりずし」の文字。味のある姿を写真に収める参拝客も見掛けます。
家族経営で麺類等を出す小さなお店ですが、時間が許せば是非お立ち寄りください。もちろん注文はいなりずしですね。

真っ黒い「いなりずし」にビックリ!ですが・・

真っ黒い「いなりずし」にビックリ!ですが・・

写真:後藤 徹雄

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今では津和野名物となったその「いなりずし」を頂いてみましょう。一人前5個で650円ですが、1個からでもオーダーできるので、麺類と合わせて注文するのもいいですね。
そして出てくるのがこれ、普通の狐色ではなく黒光りするほど褐色に煮しめられた油揚げの色に先ずはビックリしてしまいます。

でも味の方はコクがあっても決して辛すぎず、酢飯はやや酢の効いた程良い甘さなのでご安心ください。サイズはやや小振りでしょうか。
持ち帰り用のパック詰めも用意されています。お試しください。

歴史と人物に想いを馳せる旅に出ましょう

山の上の石垣や稲荷神社、江戸の面影を残す城下町。山陰の小京都と称される静かで美しい津和野の町を歩き、いなりずしを頬張り、歴史に人物に想いを馳せる旅にぜひお出掛けください。

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