写真:風祭 哲哉
地図を見る「ラピュタの道」の正式名称は「阿蘇市道狩尾幹線」。熊本県阿蘇市の県道149号から、阿蘇外輪山の上を走る県道339号(通称:ミルクロード)に至る約6キロほどの道路です。もともとは外輪山の上にある牧場へ牧草などを運ぶために使われる田舎の小さな農道だったのですが、この道からの景観があまりにも素晴らしいため、いつの間にか脚光をあびるようになってしまったのです。
ラピュタの道へは公共交通機関でのアクセスは困難ですので、車かバイクまたは自転車や徒歩でのアクセスに限られます。
いわゆる「天空の道」のような絶景が見られるのは、ラピュタの道の頂上付近となりますが、ここには阿蘇外輪山からの雄大な展望所として有名な大観峰から車で12キロ、阿蘇市街からは18キロほどとなります。
自転車や徒歩でアクセスの場合、ラピュタの道の山麓側入り口へは豊肥本線の内牧駅から4キロほどですが、そこから頂上までは厳しい上り坂とヘアピンカーブの続く道を自分の力で登っていかなければなりませんので、相当な覚悟が必要です。
写真:風祭 哲哉
地図を見るラピュタの道へは、ミルクロードと呼ばれる県道339号からアクセスします。大観峰方面から進み、かぶと岩展望所を過ぎてしばらく進むとラピュタの道への分岐点が現れ、入り口には乗用車数台が止められる駐車スペースがあります。
車を降りたら、駐車場から草原の中を進む脇道がありますので、ラピュタの道は下らずに、その脇道をすすみましょう。約5分ほどで目の前に雄大な阿蘇五岳と青々とした阿蘇谷を見下ろす展望スペースにたどり着き、眼下にはラピュタの道がまさに「天空の道」の如くのびています(写真)。
※現在は通行および展望スペースへの立ち入りも禁止されています。
写真:風祭 哲哉
地図を見るラピュタの道は、前述のようにもともとは農道として作られており、多くの観光客が行き来するような規模で作られているものではありません。そのため、道幅も狭く、乗用車同士がすれ違うのも困難な場所も少なくありません。また、ちょっと間違えると崖から飛び出してしまうような急カーブもあたり前のため、通行には十分な注意が必要です。
道の入口の看板には農耕車優先であることや路上での駐停車は厳禁であることが明記されています。また大雨などで地盤が弱くなると落石などの危険性もあり、全面通行止めとなる場合があります。
そうした点を考えると、実際に天空のスリルを味わうには危険も多いため、この道はこうして頂上からその雄姿を眺める方がいいのかもしれません。
ただ、この道はサイクリングコースとしても有名で、標高479mの山麓から標高940mの山頂まで、461mの高低差を一度も下ることなく登りつづける難コースにチャレンジするために多くのサイクリストがやってきます。路面の状態が悪く、ところどころに陥没なども見られるため、頂上から山麓への下りは危険ですが、我こそはという方は、ぜひこの地獄の上りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
このラピュタの道は、朝晩の寒暖差の激しい無風状態の早朝に、素晴らしい雲海が見られることでも有名です。普段は見えるはずの阿蘇谷の風景が姿を消し、その上を一面の雲が覆う中、岬のように突き出した崖の上を1本のラピュタの道だけがまるで雲の中にダイブするようにのびている姿は、まさに幻想的。
もともとこの道がラピュタの道と呼ばれるようになったゆえんは、一面の雲海の中、天空に浮かんでいるように見えることからだということから、この道と雲海とは切っても切れない縁があるのです。
阿蘇の雲海は秋・冬だけに限らず、梅雨時期や夏場でも見られ、時間的にはおよそ日の出から朝9時頃までが見頃となります。
写真で見ても、阿蘇ラピュタの道の素晴らしさは十分おわかりかとは思いますが、やはりここはぜひ実際に自分の足で訪れて、その眺望を目の当たりにしてほしい場所。
目の前には雄大な阿蘇五岳、眼下には阿蘇谷を覆い尽くす青々とした水田、高原を渡る風や匂いは、写真では絶対にわからないハズ。
ここは写真だけ見て行った気になってしまうのはもったいないほどの素晴らしい絶景スポットですので、みなさんもぜひ一度行ってみてください!
※2020年7月現在、熊本地震の影響により、通行および見学できませんのでご注意ください。
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(2024/9/17更新)
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