那須烏山の日本酒「東力士」で洞窟酒蔵見学と利き酒を楽しむ

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那須烏山の日本酒「東力士」で洞窟酒蔵見学と利き酒を楽しむ

那須烏山の日本酒「東力士」で洞窟酒蔵見学と利き酒を楽しむ

更新日:2015/09/21 14:07

二宮 うららのプロフィール写真 二宮 うらら ライター、エディター

最近は、都市部では日本酒バーなるものができたり、海外でも日本酒が脚光を浴び、ちょっとした日本酒ブームです。そして同じ飲むのでも、実際に蔵元を訪ねて、利き酒をしたり、造り方のこだわりを聞くと、一層おいしく感じるもの。国内でも珍しい「どうくつ酒蔵」で日本酒を熟成させているという、栃木県那須烏山市にある「島崎酒造」をご紹介します。

300年を越える技術と伝統を持つ清酒「東力士」の蔵元

300年を越える技術と伝統を持つ清酒「東力士」の蔵元

写真:二宮 うらら

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全国津々浦々、水のよいところにおいしい酒あり。栃木県の東北東に位置し、那須岳山麓を源とした清流が流れる一級水系、那珂川が流れる那須烏山市。この地で那珂川の伏流水を地下より汲み上げ、清酒「東力士(あずまりきし)」を醸す蔵元「島崎酒造本店」。創業は幕末の嘉永2(1849)年ですが、酒造りの歴史は300年以上だそうです。

ここでは全国的にみてもかなりユニークな方法で大吟醸種を熟成させています。それは洞窟熟成という手法。店舗を訪れると、築150年以上は経つという風格ある建物が出迎えてくれます。
店内にはさまざまな日本酒、リキュール類が並び、お酒好きにはたまりません。

探検気分で巨大洞窟の酒蔵に潜入!

探検気分で巨大洞窟の酒蔵に潜入!

写真:二宮 うらら

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店から車で5分くらいの場所にある「どうくつ酒蔵」。切り立った岩肌に鍵のかかった入り口があり、見るからに秘密めいた雰囲気。入り口は丸太に囲まれた、比較的幅の狭い通路なのですが、そこを抜けると岩肌がむき出しで、天井も高く、とっても長〜い洞窟が現れます。

実はこの場所、第二次世界大戦末期に、戦車の部品工場にするため掘られた洞窟だそうです。B29からの爆撃を逃れるため、空から目視することのできない岩穴に工場を造ろうとしたのでしょう。学徒動員の学生さんたちが、ツルハシを使って手掘りしたのですが、完成したのは終戦の3日前。結局、この場所で戦車の部品を製造されることはなかったのです。

大きな洞窟は高さ・幅とも3.5メートル、長さ100メートル。これが縦に3本通り、この縦坑と交錯する横坑が5本。全長600メートルにも及ぶこの巨大な坑道を、手掘りで掘ったとは、当時の方々に思わず頭が下がります。

洞窟のなかを、ほのかな電球の明かりをたよりに進むのは、ちょっとした探検家気分。ワクワクします。
天井に何か気配を感じて目をこらすとると、そこにはコウモリがぶら下がっています。人の気配に驚いて、パタパタと飛んでいくコウモリも。
ちなみに、この洞窟は「金田一少年の事件簿」をはじめ、数々の映画やドラマのロケ地として利用されているそうです。

記念日に開けたい! どうくつ熟成の大吟醸がオーダーできる!

記念日に開けたい! どうくつ熟成の大吟醸がオーダーできる!

写真:二宮 うらら

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終戦後、長らく放置されていた洞窟を、島崎酒造本店が日本酒の低温熟成庫として利用しました。
「洞窟内の温度は平均10℃。太陽の光がまったく差し込まないので、お酒の熟成に最適の環境。しかも夏と冬とで5℃ほどの温度変化があり、この温度差があることで瓶内に自然の対流が起こり、冷蔵庫で管理されるものよりおいしく熟成されるのです」と店長の土橋雄介氏。

ここで貯蔵された酒は「熟露枯」(うろこ)というブランドで販売されているのですが「熟露枯大吟醸 オーナーズボトル」というシステムがあり、自分のボトルを預け、5年、10年、20年と洞窟で寝かせておき、契約年数経過後、届けてもらうことができます。

「お子さんが二十歳になったら一緒に飲むのを楽しみに、子供の誕生を記念して、ボトルを預ける方もいらっしゃいます」と土橋氏。
還暦や古希の祝いに開けることを想定して、預けておくのも楽しみかもしれません。

無料利き酒コーナーで好みの1本を見つける

無料利き酒コーナーで好みの1本を見つける

写真:二宮 うらら

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洞窟見学の後はお店に戻ってり、今度は利き酒を楽しみましょう。
島崎酒造本店の清酒「東力士」は、古くから地元で愛されているお酒。

「このあたりは、昔はしょっぱい食べ物が多かったので、甘口のお酒が好まれてきました。ですからうちのお酒も甘口のお酒ががベースです。時代の流れとともに、現在は辛口のものも作っていますが」と土橋氏。
なるほど、2015年9月初旬に販売されたばかり「秋あがり」はほんのりと甘口で、とても香り豊か。甘口といっても、ベタベタしない、きれいな甘口です。淡麗辛口が流行っている昨今において、逆に新鮮さが感じられるお酒です。

清酒、季節季節の日本酒、長期熟成酒、リキュールなど30〜40種のお酒の製造販売。利き酒コーナーでは、そのなかの数種類を味わうことができます(無料)。
好みのお酒を見つけて、ぜひお土産に買って帰りたいものです。

ヴィンテージボトルと熟成酒粕もおすすめ!!

ヴィンテージボトルと熟成酒粕もおすすめ!!

写真:二宮 うらら

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日本酒といえば、ウイスキーやワインと異なり、熟成させるというイメージがあまりないお酒ですが、島崎酒造では昭和45(1970)年から大吟醸の熟成酒づくりを開始しています。
そして現在まで、1年もかけることなく各年の大吟醸酒を保有。
現在は1987年〜2013年までのヴィンテージボトル(300ml)を販売しています。
価格は年代ごとに異なり、2013年(1,620円)〜1987年(12,960円)。時間が磨き上げた、繊細で上品な大吟醸古酒を味わってみてはいかがでしょう。
また、洞窟内で熟成させた酒粕も販売。これは某高級粕漬け店が使っている酒粕です。

ちなみに「どうくつ酒蔵」は、4〜11月の土・日・祝に開放。その他の期間でも、事前予約で見学させていただくことができます。
ホームページなどで確認の上、訪ねてください。

近くにじんわり楽しい観光スポットが点在

島崎酒造のある栃木県那須烏山市は、自然豊かな地域。「どうくつ酒蔵」の近くには、迫力ある流れを見せる「龍門の滝」や、坂上田村麿が蝦夷討伐の際に祈願したと言われている「太平寺」があります。また店舗の近くには、奈良時代からの歴史を持つ手漉き和紙作りが体験できる「和紙会館」も。
派手ではありませんが、じんわり楽しめる観光スポットが点在しています。
ぜひ、お出かけください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/09/15 訪問

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