鎌倉はとても小さな街で、三方が山で一方が海という、武家文化が花開いた土地らしい要害的な自然地形をしています。
そこにたくさんの神社やお寺、史跡などがありますが、十三仏参りで巡る十三のお寺(札所)も、ほとんどが徒歩で周れるほどコンパクトなエリア内にあります。
写真は、鎌倉五山第5位の「浄妙寺」ですが、十三仏参りの札所にはこのように格式の高いお寺も多くあります。
実際に歩いてみると、鎌倉ってなんて道が狭くて、坂道が多いんだろう!と思われるかもしれませんが、これが鎌倉の魅力でもあります。
自然の中に作られた住宅街、その住宅街に突如現れるお寺・・・。のんびり歩いてみると、現在の人々の生活の中に寺社が自然と溶け込んでいることを実感できると思います。
亡き人が生前なした善悪の業を各忌日に王たちに審判される際、残された家族や親類縁者が追善供養することで、より良い次の世界に生じることができるとのいわれから、十三の仏・菩薩をお参りするようになりました。これが十三仏参りのはじまりです。
各仏様を祀る札所の中には、通称"竹のお寺"として有名な「報国寺」があります。
上記写真のように竹林が素晴らしく、禅寺特有の風情が感じられる素敵なお寺で、人気の竹庭には、竹を見ながらお茶とお菓子をいただける茶席もあります。
また、閻魔大王像を本尊とする「円応寺」も、第五番目の札所となっています。こちらの閻魔大王像は、笑っているように見えるとのことから「笑い閻魔」といわれ、また円応寺で赤ちゃんの名前をつけてもらうと丈夫な子に育つということから「子育て閻魔」としても親しまれています。
四季折々の木々や花々が楽しめるお寺もあります。
鎌倉五山第4位の寺格を持つ「浄智寺」、江ノ電極楽寺駅近くの「極楽寺」や「成就院」は、紫陽花シーズンになると大勢の人で賑わいます。また、萩の寺として有名な「海蔵寺」は、あまり知られていませんが、実は紅葉の隠れスポットでもあるんですよ。
鎌倉の十三仏は、鎌倉駅の東側エリア、北鎌倉エリア、そして江ノ電極楽寺駅付近の3つのエリアに大まかに括ることができます。
おすすめは、鎌倉駅の東側エリアの6つのお寺を1日で、北鎌倉エリアの5つと極楽寺駅付近の2つのお寺をもう1日で周る、以下のモデルコース。
写真は、第一札所の明王院。このお寺で開願し、第十三札所の成就院で結願します。
◆1日目
鎌倉駅東口(バス15分+徒歩3分)⇒ 明王院 ⇒(徒歩15分)⇒ 浄妙寺 ⇒(徒歩5分)⇒ 報国寺 ⇒(徒歩25分)⇒ 覚園寺(徒歩20分)⇒ 来迎寺 ⇒(徒歩25分)⇒ 本覚寺 ⇒(徒歩5分)鎌倉駅東口
◆2日目
北鎌倉駅(徒歩7分)⇒ 浄智寺 ⇒(徒歩10分)⇒ 円応寺 ⇒ (徒歩20分)⇒ 浄光明寺 ⇒(徒歩10分)⇒ 海蔵寺 ⇒ (徒歩15分)⇒ 寿福寺 ⇒ (徒歩10分)===江ノ電鎌倉駅===(江ノ電12分+極楽寺駅徒歩3分)⇒ 極楽寺 ⇒ (徒歩5分)⇒ 成就院 ⇒(徒歩10分)江ノ電長谷駅
十三仏参りは、札所の番号がついていますが、順番どおり巡ろうとすると場所があちこち点在しているのでなかなか大変です。しかし、順番どおりでなくても近い札所から周っても問題ありません。
せっかく十三仏を巡拝したら、その証に御朱印をいただきたいですね。
十三仏参りした御朱印帳は、亡くなった親しい人の棺に入れたり、自分が死んだ時に棺に入れてもらうと、地獄に堕ちることがない、といういわれもあるそうです。
既に持っている御朱印帳をそのまま利用してもいいですし、十三仏だけの御朱印を集めたければ、十三仏専用のオリジナル御朱印帳もあります。
販売場所は、一番札所の明王院と、六番札所の浄智寺ですが、明王院では何種類か用意されているので、お好みの御朱印帳を選ぶことができます。
十三すべてのお寺で、300円で御朱印を書いていただけます。
御朱印は、拝観受付で書いていただけるところは分かりやすいですが、中には本堂へ向かう途中にある住職の家のチャイムを鳴らしてお願いするなど、お寺によって違いますので、それぞれで案内を確認してみてください。霊場巡りをする人が多いので、必ず分かりやすいように御朱印についての案内も出ています。
また、これは御朱印をいただく際の注意ですが、御本尊以外の仏様があるお寺は御朱印も複数あるので、十三仏参りであることを伝えたほうがいいです。
十一札所の覚園寺だけは、拝観方法が他のお寺とは少し違っています。
こちらのお寺は、開門の10:00から閉門の15:00まで、1時間刻みで寺僧さん案内つきの境内拝観、という形をとっています。(平日は12:00の回は無し)
入山中は誰もいなくなるので、御朱印を書いていただくこともできませんので、ご注意ください。拝観が始まる15分前ぐらいになると、御朱印希望の方はいませんか?と寺僧さんがお声がけをしてくれると思いますので、その時にお願いするといいでしょう。
この拝観ツアーは、時間が50分程かかりますが、とても楽しいので是非参加することをおすすめします。ご本尊や十三仏の阿閦如来像が祀られている愛染堂のほか、薬師堂、茅葺の住宅、黒地蔵、そして奥の壁に十三の仏様が彫られているやぐらなどを拝観し、死後の世界や十三仏信仰について、寺僧さんの分かりやすい説明でより理解を深めることができます。
十三仏の巡拝は2日に分けて周るのがベストだと思いますが、どうしても時間がなく1日で全てを周りたい!という場合は、午前中の早い時間から巡拝を開始すれば、周れないこともないです。ただし、かなり駆け足の参拝になってしまうでしょう。
また、今回は2日で効率よく、という点から、数箇所でバスや電車も利用しましたが、足腰に自信のある方なら、全て徒歩で周ることもできますよ。
この記事の関連MEMO
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2025/1/20更新)
- 広告 -