写真:Naoyuki 金井
地図を見る史跡・名勝に指定されているのが『円覚寺庭園』。
1932年に指定され、その範囲は《白鷺池付近》と《妙香池付近》の2か所で構成されています。
白鷺池の名称は、「開基・北条時宗が円覚寺を建立する場所を捜しているとき、鶴岡八幡宮の神霊が白鷺に姿を変えて案内し、この池に舞い降りた」という故事に由来しています。宋の禅宗様式によるシンメトリーで、池の畔では桜や紅葉、紅梅やツツジなど四季折々の自然が楽しめます。
妙香池は、世界遺産に登録されている京都の西芳寺(苔寺)等を作庭した夢窓疎石作と伝えられる創建時からある放生池の遺構で、江戸時代初期の絵図に基づき2000年に復元されたもので、向こう岸に露出した岩盤は、虎の頭に見立てて「虎頭岩」と呼ばれています。
写真:Naoyuki 金井
地図を見る円覚寺庭園と同じ1932年に史跡・名勝に指定されているのが『建長寺庭園』。
その指定された庭園の範囲は、仏殿前の《ビャクシンの植栽》と《方丈裏庭園》の2か所です。
三門と仏殿を結ぶ参道両脇に植えられた樹齢750年を超える“ビャクシン”は、ヒノキ科の針葉樹で鎌倉市の天然記念物です。古木の中には幹回り6.5m以上の巨木もあり、一部は、開山の蘭渓道隆が中国から持ってきたお手植えともいわれている荘厳な趣です。
一方、総門とともに京都の般舟三昧院から移築された方丈の裏には、開山・蘭渓道隆が作庭したと伝わる美しい庭園が広がっています。庭園の池は“心字池”と呼ばれ、禅の心を視覚で体感するために作られたもので、美しいながら凛とした空気を感じる庭園なのです。
写真:Naoyuki 金井
地図を見る説明する必要がないくらい有名な鎌倉随一の竹庭を持つ『報国寺』。
約千本の孟宗竹が生い茂る竹庭は息を飲むほどの美しさで、川端康成がこの山合のしじまの音なき音を「山の音」と称した静寂を聞くことができる気がしてきます。
見どころは竹林だけではありません。
枯山水の庭園のアクセントである緑の草木、室町時代の栄華と悲しみを優しく包む樹木、茶席・休耕庵で竹庭を眺めながらの抹茶、そして砂苔、尻尾苔、小杉苔など十数種の苔に彩られた石仏や灯籠など、まさに寺院一帯が“緑”の風情で癒しを与えてくれる、古都鎌倉の佇まいを感じる庭園です。
鎌倉五山第五位で境内が国指定の史跡なのが『浄妙寺』。
寺の名が地名にもなっていることからも往時の繁栄が偲ばれ、中興の祖が足利尊氏の父・貞氏であることから足利氏にも所縁の深い寺院です。
そもそもは天正年間(1573〜92年)に建てられた茶室を、1991年に復興させたのが現在の“喜泉庵”で、当時の記録に「喜泉」と呼ばれる茶堂があったことから名付けられました。
抹茶をいただきながら座敷から眺める枯山水の庭園は鎌倉でも珍しく、このためだけに訪れる観光客も少なくない庭園です。
写真:Naoyuki 金井
地図を見る境内が国の史跡に指定され、庭園が名勝に指定されているのが『瑞泉寺』。
作庭で著名な夢窓国師によって開山され、寺のある一帯は紅葉ヶ谷と呼ばれる谷戸に位置していることから花の寺としても名高い寺院です。
当然、夢窓疎石の作庭による方丈書院の池泉回遊式庭園ですが、長らく埋もれていたものを、1970年に古絵図と発掘調査の結果に基づき、ほぼ創建当時の形で復原されたのです。“天女洞”と呼ばれる岩盤の掘り込みや、坐禅のための窟を大胆に造形しており、鎌倉時代作庭の庭園としては非常に貴重な庭園なのです。
こと庭園になると古都鎌倉でありながら、多くは京都の作庭の影響が色濃く残っています。しかし、それでも京都とは違う武士政権の鎌倉らしい力強さの感じられる庭園です。
北鎌倉から金沢街道の一帯は、鎌倉でも有数な観光スポットですから、他の寺院を楽しみながら悠久の時の流れる鎌倉庭園を堪能してください。
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(2024/9/16更新)
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