写真:沢木 慎太郎
地図を見る3月、まだ肌寒い京都。円山公園から清水寺に向かう途中にある白壁の路地、ねねの道。石畳の通りに沿って、たくさんの灯ろうが並べられ、情緒豊かな風景が広がっています。
旅の感傷に浸りながら、灯ろうが並ぶ石畳の道を歩いていると、どこからともなく、「ちりん、ちりん」という軽やかな鈴の音が…。
急に背中がゾクッと寒くなり、思わず振り返ると、何やら不気味な行列が。まるで、もののけの巡業のよう。いったい、これは何?
写真:沢木 慎太郎
地図を見るこちらの行列は「狐の嫁入り巡行」。東山・花灯路のイベントの一つで、キツネの花嫁さんを人力車に乗せ、ちょうちんを持った一行が。
「狐の嫁入り」とは空は晴れているのに雨が降っていたり、夜中に無数の鬼火が見えたり、普通では考えられない不可思議な現象をいうものですが、まさか京都で本当にキツネの花嫁に出会えるとは!
「狐の嫁入り」は、古くから“縁起がよい”とされています。怪しくも美しい「もののけ姫」に運よく巡り会えると、何かいいことがありそう。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る白壁に囲まれたねねの道。この界隈には、豊臣秀吉の妻・北政所(きたのまんどころ)「ねね」のゆかりのお寺を見ることができます。ねねが秀吉の霊を慰めるために建てた高台寺や、ねねが晩年に過ごした圓徳院。どちらのお寺もライトアップされ、ほのかに照らされた庭園や竹林が美しく見事です。
「狐の嫁入り巡行」は知恩院から拍子木や鈴を鳴らしながら、ねねの道を通り、高台寺の天満宮へ。この行列は、実は亡き秀吉を弔い続けたねねの天満宮へのお嫁入りを再現したものなのです。
美しい白無垢姿で、キツネのお面をつけた「もののけ姫」。このまわりだけが異様に静かで、なんとも不思議な気持ち。愛する人を想い続ける魂が感じられ、旅情をいっそうかきたてられます。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るここで、京都・東山花灯路のご紹介をしましょう。このイベントは、八坂神社や知恩院、青蓮院(しょうれんいん)、法観寺(八坂の塔)、高台寺、圓徳院(えんとくいん)、清水寺といった東山地区にある人気のお寺をライトアップ。さらに石畳の路地をあんどんで照らしなど、京都ならではの独自の世界を体験することができます。
たとえば、円山公園では、小川のせせらぎにそって青竹の灯ろうを並べるイベントが。川面にもロウソクの明かりが揺れ、なんとも幽玄な世界を感じることができます。
こちらの写真は、さきほどもご紹介した石畳の路地、ねねの道。ご覧のように路地を灯ろうで照らし、なんとも幻想的な世界を演出しています。
写真の後ろに見えるのは、大雲院(だいうんいん)。そして、写真左側の塔が祇園閣で、祇園祭の山ぼこをイメージしてつくられました。
祇園閣の屋根は銅が張られ、ここは別名、“銅閣寺”と呼ばれることも。つまり、金閣寺、銀閣寺に次ぐ銅閣寺。京都に、銅閣寺があるなんて、ご存知でしたか?
写真:沢木 慎太郎
地図を見るもうひとつ、東山花灯路の見どころをご紹介!
キツネの花嫁さんに出会ったら、ねねの道を過ぎ、維新の道や二寧坂を通り、東山のシンボル「八坂の塔」(法観寺)に向かいましょう。
石畳の道や木造旅館、京町屋が続く界隈は、東山地区でも最も京都らしい情緒が感じられる場所。ライトアップされた八坂の塔を見上げ、石畳にこぼれる優しい灯ろうの明かりはいつもと違った特別で幽玄な京都を体験することができますよ。
以上、いかがだったでしょうか。
最後にご紹介した「八坂の塔」から、清水寺へと向かうのもおススメです。国宝の舞台づくりの本堂がライトアップされている姿は圧巻。
また、東山・花灯路では、舞妓さんの舞踊(八坂神社)や「現代いけばな展」「粟田大燈呂」(いずれも円山公園)といった光のイベントもあり、早春の今日の夜を楽しむことができます。
東山・花灯路で幽玄な世界にふれ、ひと足早い春の訪れを感じてみてはいかがでしょうか?
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(2023/12/7更新)
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