写真:沢木 慎太郎
地図を見るタイ旅行で人気のアユタヤ。アユタヤ王朝の遺跡群が数多く点在し、ユネスコの世界遺産(文化遺産)に「古都アユタヤ」(Historic City of Ayutthaya)として登録されています。
アユタヤ遺跡の数は多く、アユタヤ県庁が発行する観光地図でも、約100カ所の遺跡があります。その中でも最も有名なのが、木の根で覆われた仏頭。菩提樹の根に包まれた仏頭は、大きな黄金の寝釈迦仏(ワット・ポー)と並んで、仏教国のタイを代表する風景の一つ。テレビや観光ガイドブックでご覧になられた方も多いのではないでしょうか?
写真:沢木 慎太郎
地図を見る木の根に包まれた仏頭があるのが、アユタヤと呼ばれる街。かつてタイの王朝があった場所で、バンコクから北へ約76キロメートルに位置しています。
アユタヤ王朝が創建したのは1351年。以来、ビルマ(現ミャンマー)軍に破壊される1767年まで、約400年間にわたり、33代の王がアユタヤ王朝を築きました。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るタイ・バンコクへの旅行とあわせて、アユタヤも観光したい方は多いのではないでしょうか? アユタヤは個人旅行でもバンコクから簡単に日帰りできるスポット。
バンコクからアユタヤへの行き方は、写真の「チャトゥチャック ミニバスステーション」(MINIBUS STATION CHATUCHAK)から、“ロットゥー”と呼ばれるミニバスを使うと便利(運行時間は5時〜19時ごろ、料金は約200円)。
北バスターミナル(Mo Chit Bus Terminal)の真向かいに、「チャトゥチャックミニバスステーション」(アユタヤ行きのチケット売り場はB棟の4番カウンター)があります。
最寄り駅のBTS モーチット(Mo Chit)、MRTチャトゥチャック公園(Chatuchak Park)から2キロメートルほど離れているので、タクシー、またはバス(96、122、134、136、138、145、182、517)を使うと良いでしょう。
ロットゥーは乗り合いバスなので、人数が集まるとアユタヤに向けて出発します。所要時間は約70分前後。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るそれでは、アユタヤ遺跡の「ワット・マハタート」をご案内しましょう。決まった見学コースはないのですが、拝観料金の50バーツを支払った後、多くの観光客は右回りで遺跡を巡っています。ワット・マハタートは、見渡す限りの廃墟。その中で、最初に出会う仏像がこちら。精かんで、優しい顔立ちの仏さま。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る精かんなお顔の仏像を過ぎると、やがて見えてくるのが木の根に覆われた仏像。“Buddha Head in Tree Roots”という英語訳で示されています。夕暮れになれば、穏やかな陽光がお顔に差し込みます。
この木の根元にある仏頭は、アユタヤ観光の見どころのひとつ。大きな菩提樹の根のなかに埋もれた仏頭は、古都アユタヤを世界に知らしめることになった存在です。
戦争によって切り落とされ、地面に落ちた仏像。しかし、菩提樹の木が長い年月をかけて持ち上げたとされています。仏頭は左右のどちらかに傾くこともなく、すっと水平に保たれたまま。神聖で独自の雰囲気があり、思わず姿勢を正したくなります。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る木の根に覆われた仏頭は、“奇跡の仏頭”として多くのタイ人が祈りを捧げる聖地。戦争の惨劇の中で、地面に落ちて放置された仏頭が自然の力を頼りに顔をあげ、静かな微笑をたたえています。
※仏頭の前で写真を撮る時は、仏頭よりも自分の頭が低くなるよう座って写真を撮ることが撮影のマナー。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る「ワット」はタイ語でお寺の意味。「マハタート」は仏教の開祖、ブッダ(お釈迦様)の遺骨や遺灰のこと。バンコクやスコータイにも、「ワット・マハタート」と呼ばれる寺院があります。
アユタヤの「ワット・マハタート」は、アユタヤ朝初期の14世紀後半に建てられた寺院。アユタヤ王朝2代目のラーメスアン王が建てた説や、3代目のボロムラーチャー1世が建てたという説があり、今も研究が進められています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る写真は、「ワット・マハタート」の中心部分。木の根に覆われた仏頭を過ぎ、右回りで遺跡の中心へと向かうと、このような風景が見えてきます。
手前に幾つかの仏塔が立っていますが、その背後には高さ40メートルを超える大仏塔が建ち、黄金に輝いていたと想像されています。しかし、自然災害やビルマ軍の攻撃で崩壊し、今は土台を残すのみ。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るさらに、遺跡を右回りで歩いて行くと、大仏塔の土台を背にした仏像に出会います。静かで安らかな姿。身体の部分などで色が違うのは修復作業が進められているためです。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る崩れかかり、一部だけが残ったレンガの壁。遺跡を巡ると、必ず目にするのが、頭のない仏像。手前にあるのは、頭部を切り落とされた仏像です。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るかつては中央に大きな仏塔があり、このまわりを小さな仏塔や回廊、礼拝堂や仏塔が囲み、頭部に金箔が張られた多くの仏像が並んでいました。
しかし、戦争によって仏像の頭部は切り落とされ、首のない仏像がレンガの壁に沿って並んでいます。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る仏像の頭が切り落とされているのは、仏頭の金箔を略奪するだけでなく、仏教を信仰する者の精神も破壊することが目的。頭を切り落とされた仏像は、戦争の惨劇を今に伝えています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る右回りで遺跡を巡り、最後に見えてくるのがご覧の仏塔。手前に首のない仏像が、背後には傾きかけた仏塔が建ち並んでいます。
「ワット・マハータート」は長い間、放置されていましたが、1956年に調査が行われ、仏塔跡の地下から数多くの黄金仏や宝飾品などが発見。チャオ・サン・プラヤー国立博物館に展示されています。現在、アユタヤ遺跡は各地で修復作業が進められ、足場を組んだ仏塔も多く見られます。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る外国人観光客には廃墟の広がりに見える場所であっても、タイ人にとっては大切な信仰の場所。最近、アユタヤ遺跡で問題になっているのが観光客のマナー。
「仏塔や壁、仏像の台には登ってはいけない」「頭のない仏像に、自分の頭を置くような写真を撮ってはいけない」といった注意事項が日本語でも表示されています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る戦争で廃墟と化したアユタヤ遺跡。しかし、止まった時間の中で、仏たちは今も優しい微笑をたたえています。
なお、アユタヤへの行き方や、おすすめのアユタヤ遺跡、バンコクからの日帰り観光&半日モデルコースなどについては別途、記事にまとめていますので、ご興味のある方は関連MEMOに貼り付けたリンクからのぞいてみて下さい。
住所:Tha Wasukri Phra Nakhon Si Ayutthaya
電話番号:+66-35-246076~7(タイ国政観光庁アユタヤ事務所)
アクセス:アユタヤのバスターミナルからタクシーで約5分、レンタル自転車で約30分
拝観時間:8時〜18時、ライトアップ19時〜21時
拝観料:50バーツ(「ワット・ラチャブラナ」「ワット・マハタート」「ワット・プラ・ラーム」「ワット・プラ・シーサンペット」「ワット・チャイワタナラーム」「ワット・マヘーヨン」の6遺跡共通割引券220バーツあり)
2019年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2023/12/7更新)
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