訪れたら死ぬ?タイ最古の壁画!アユタヤの廃墟「ワット・ラーチャブラナ」

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訪れたら死ぬ?タイ最古の壁画!アユタヤの廃墟「ワット・ラーチャブラナ」

訪れたら死ぬ?タイ最古の壁画!アユタヤの廃墟「ワット・ラーチャブラナ」

更新日:2018/07/24 14:38

沢木 慎太郎のプロフィール写真 沢木 慎太郎 放送局ディレクター、紀行小説家

世界遺産の遺跡の街、タイのアユタヤ。その中でも特別な異彩を放つ廃墟が「ワット・ラーチャブラナ」です。権力闘争で命を落とした若い二人の王子のために建立。いつの間にか、「ここを訪れた王は死ぬ」といううわさが広まり、歴代のアユタヤ王は誰一人訪ねることはありませんでした。しかし、この寺院にはタイ最古といわれる壁画や、巨大な仏塔などがあり、見どころがたくさん。悲しい歴史と寂寥感に包まれた廃墟をご案内します。

廃墟感たっぷり!廃墟中の廃墟

廃墟感たっぷり!廃墟中の廃墟

写真:沢木 慎太郎

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タイの首都バンコクから北へ約80キロ。そこに、世界遺産に登録されている古都アユタヤがあります。まるで爆撃されたような赤茶色の廃墟が広がる世界は、決して日本では見られない光景。その中でも、廃墟感をたっぷり味わえる、廃墟中の廃墟が「ワット・ラーチャブラナ」。

ほとんどががれきの山で、廃墟の中心に“プラーン”と呼ばれるクメール様式の巨大な仏塔がそびえています。手前の門は礼拝堂の遺跡ですが、正面の壁だけを残し、屋根も側面もすべては崩壊。これはビルマ軍による戦争の傷跡ですが、広島・長崎で見た原子爆弾の惨劇が思い出され、心が暗くなります。

重厚なレンガ造りのプラーン。ふたりの王子のために建てられた塔

重厚なレンガ造りのプラーン。ふたりの王子のために建てられた塔

写真:沢木 慎太郎

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礼拝堂跡をまっすぐ進むと、正面にそびえているのがプラーン。重厚なレンガ造りの建物ですが、火災の後のように黒ずみ、レンガの隙間からは植物が生え、たまらない寂寥感が込みあげてきます。砂漠のような赤茶色の廃墟跡には数多くの仏像がありますが、戦争で首や腕、胴体までもが無残にもぎ取られています。その姿は悲惨さを極め、たまらない悲しさを感じさせます。

実はこの寺院は、アユタヤ王朝時代に若き二人の王子が王位継承権をめぐって争い、そのどちらも命を落とし、二人が亡くなった場所に建てたのがこの寺院。15世紀に建立された仏塔は戦火を免れて奇跡的に生き残り、精緻な姿を今に伝えています。

そして、いつからか、「この寺院を最初に訪れた国王は死ぬ」といううわさが広がり、アユタヤ王朝の歴代の王は誰一人、この寺院を訪れることはありませんでした。ここは悲しい歴史に彩られた廃墟。今も訪れる人は少なく、寂寥感に包まれています。

まるでピラミッドのようなプラーンの内部

まるでピラミッドのようなプラーンの内部

写真:沢木 慎太郎

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この巨大なプラーンには階段が取り付けられ、塔の中央付近まで登ることが可能。骸骨の眼窩(がんか)のように暗くぽっかり開いた入り口から大仏塔の内部に入ることができます。
こちらがその内部を撮影したものですが、重厚な石で積みあげられた空間はまるでピラミッドの内部にでも紛れこんだかのよう。

写真の真ん中に柵があり、井戸のような穴が開いていますが、ここから塔の真下へと急こう配の階段が伸び、大仏塔の底にまで降りていくことができます。では、内部へと降りていきましょう。

もと遺体安置所には今も壮大な壁画が

もと遺体安置所には今も壮大な壁画が

写真:沢木 慎太郎

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大仏塔の底へと続く階段は狭く、まるで人間の内部にでも潜っていくような不思議な感覚。神経が研ぎ澄まされ、いつもとは違った感覚が開き、どこか別の世界へと連れていかれそう。それもそのはず、大仏塔の真下には小さな石室があり、ここは遺体安置所となっていたところ。

からっぽになった遺体安置所ですが、ここには壮大な壁画が描かれています。これは15世紀に描かれた壁画で、タイ最古といわれているもの。残念ながらほとんど消えかけていて、わずかに人の姿や球体のようなものが白く見えるだけ。これはブッダの生涯、そして仏教の世界観を描いたものですが、壮絶な信仰心に身震いのようなものを覚え、信仰心を持たなくても強く心を動かされます。

プラーンの上には悲しいくらいに青く澄んだ空

プラーンの上には悲しいくらいに青く澄んだ空

写真:沢木 慎太郎

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壮麗な壁画を見終わり、再び地上に出て、巨大なプラーンを振り返ると、凝縮された時間を体験できたことに喜びと満足感が得られ、感慨深い気持ちになることができます。

ワット・ラーチャブラナ寺院を建てたのは、アユタヤ王朝の8代目の王さま。そして、王位を争って死んだ二人の王子は、実の兄たち。弟が二人の兄を偲んで、この寺院を建てたのです。人の一生は束の間。争っても、うらやんでも、100年も続かないドラマです。

おわりに

以上、いかがだったでしょうか。
悲しみと寂寥感を抱えた遺跡ですが、見終えるとなんだかさっぱりとした爽やかな気分になることができるのが不思議。それは、この地に清浄な空気が流れているからでしょう。

大仏塔の地下には金塊や宝石、数多くの美術品が発見され、現在は同じアユタヤにあるチャオ・サン・プラヤー国立博物館で見ることができます。
アユタヤの廃墟中の廃墟。タイに観光で来られたなら、その聖地を訪ねてみませんか?

なお、アユタヤ遺跡については別途、記事にまとめていますので、ご興味のある方はリンクからのぞいてみてください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/08/14 訪問

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