伊予の江の島って?松山「鹿島」でミステリアスな瀬戸内探検を楽しもう

伊予の江の島って?松山「鹿島」でミステリアスな瀬戸内探検を楽しもう

更新日:2018/10/26 10:49

咲田 みつるのプロフィール写真 咲田 みつる 千葉県1周ランナー、鈍足のトレイルランナー
いで湯の町・松山市の郊外に、瀬戸内海を満喫できる穴場スポットがあるのをご存知ですか?周囲約1.5キロと小ぶりな島は、木々がこんもりと茂り、松山市北条地区のシンボルとして青い海にたたずんでいます。その名は「鹿島」。野生の鹿、美しいビーチ、名物鯛めしなど、魅力満載の島です。渡し舟は約3分で、船酔いの心配もありません。道後温泉から渡船場までは車で40分ほど。町の喧騒から離れたプチトリップをご堪能あれ!

無人島に年パスのミステリー!泳いでいけそうなほど近い鹿島

無人島に年パスのミステリー!泳いでいけそうなほど近い鹿島

写真:咲田 みつる

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松山観光と言えば、道後温泉は外せませんよね。そしてしまなみ海道の起点である今治方面に足を伸ばす方も多いはず。「鹿島」はその2ヶ所を結ぶ国道196号線から、わずかにそれた場所にあります。写真は船に乗る前に、陸側から見た鹿島。陸から400メートルほどの距離にある無人島です。陸側の渡船場には大きな鳥居があり、島が神聖な場所である様子がうかがえます。が、ミステリアスな無人島に渡るには、船で約3分と意外にも手軽です。

島側の船着き場そばには鹿島神社、山頂には中世の城跡があります。かつては河野水軍の拠点の一つだった島ですが、ここに住んでいる人はおらず、定住者は野生の鹿のみです。

にも関わらず、運賃には「年間パスポート」の設定が!無人島に年パスとは、いったいどういうことなのでしょう?実は島には売店や宿泊施設、海水浴や無料のバーベキュー場があり、釣りも盛ん…と地元の方のいこいの場となっているのです。決して壮大な観光地ではありませんが、瀬戸内をゆく旅人にとって、ひと時の癒しの場となるでしょう。

鹿の船が猛ダッシュでお出迎え 声の案内は松山出身のあの人

鹿の船が猛ダッシュでお出迎え 声の案内は松山出身のあの人

写真:咲田 みつる

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鹿島へ渡るには、鹿島渡船場から船を使います。夏(4〜10月)は20分おき、冬(11〜3月)は30分おきに定期便が出ます。しかし出港時間が近づいても、船は付近に見あたりません。これもまたミステリー。
ところが直前まで島側の船着き場にいた船が、猛ダッシュでこちら側に向かってきます。あっという間に、お出迎え完了です。鹿のオブジェが載せられた船で、ウェルカムムード満載!!いやおうなく、気分が高まります。

船内では、松山出身のお笑いタレント・友近さんのナレーションが流れます。漫談に聞き入るのもつかの間、乗船から約3分で島に到着。さあ、鹿島リゾートの始まりです!

※往復で大人210円・小人110円。渡船所の駐車場を利用する場合は、510円の中に、運賃が含まれますので、実質は300円の駐車料金です。(後述する周遊船「愛の航路」を希望する場合も、一度鹿島に渡る必要があります)

森林浴気分で登ってみよう 緑の森は野生の鹿のサンクチュアリ

森林浴気分で登ってみよう 緑の森は野生の鹿のサンクチュアリ

写真:咲田 みつる

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船着き場周辺には、売店、博物館、鹿の保護施設など様々な施設がありますが、中心的な存在は、やはり「鹿島神社」です。ここは県下の奇祭「北条鹿島祭り」の起点で、県内外からの見物客が多く訪れる場所でもあります。

北条鹿島祭り:ハイライトは「櫂練り」。神輿が船に乗せられ、海上を練るようにして演舞を奉納する・毎年春と秋に行われ、見栄えが素晴らしい。

山頂(113.8M)に至る登山道もありますので、是非登ってみましょう!展望も抜群ですが、道中で野生の鹿に出会えるのです。木立の奥から、カメラ目線でこちらをうかがっていることもしばしば。ただし、鹿島の鹿は警戒心が強い一方、攻撃してくることもあるとされています。必ず、距離を保って観察するようにしましょう。
また、船着き場近くには保護されている鹿がいますので、手軽に触れ合うこともできます。

「伊予の江の島」のビーチは美しい!大しめ縄の夫婦岩も必見

「伊予の江の島」のビーチは美しい!大しめ縄の夫婦岩も必見

写真:咲田 みつる

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島の左手には、海水浴場や、バーベキュー場(無料・予約不要)などがあります。ただし旅行でちょっと立ち寄っただけ、という方は水着の用意がないかもしれませんね。その場合も、是非海岸を散策してみてください。瀬戸内の連なる島影が、本当に美しいのです。

さらに、写真奥の防波堤のあたりまで足を伸ばせば、「伊予の二見」と呼ばれる夫婦岩が、約1KM先にたたずんでいます。二つの夫婦岩を結ぶ大しめ縄には、何と市民や観光客の願い文が練り込まれており、毎年5月4日に張り替えられています。周遊船ですぐ近くまで行くこともできます。詳しくはLINEトラベルjp 旅行ガイド記事『瀬戸内クルーズを低予算で!松山「愛の航路」で日本で唯一の海上祈願をしよう』をご覧ください。

「伊予の江の島」のビーチは美しい!大しめ縄の夫婦岩も必見

写真:咲田 みつる

「伊予の江の島」のビーチは美しい!大しめ縄の夫婦岩も必見

写真:咲田 みつる

渡船場に願い文BOXが設置されていますので、願い事がある方はお見逃しなく!忘れたころに願いが叶うかもしれませんよ。

遊んでお腹が減ったら、鯛めしも!老舗「太田屋」ここにあり

遊んでお腹が減ったら、鯛めしも!老舗「太田屋」ここにあり

写真:咲田 みつる

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船着き場から右手には、愛媛の名物「鯛めし」の老舗「太田屋旅館」があります。オレンジ色の屋根で、旅館自体が豪快に海に張り出した「海上座敷」をともなうお食事処です!建物を支える柱は海水にさらされ、びっしりとついたフジツボがまた風流です。とてもレトロな建屋ですが、眺めが良いのは言うまでもありません。(冬季はクローズ・訪問時は要HP確認)

北条の鯛めしと言えば、名産の鯛を豪快に丸ごと炊き込むビジュアルが有名です。鯛めしは骨からでるダシが上品で、身はほっくほく(食べやすいように、ほぐした状態で出てきます)。海をのんびり眺めながらいただきましょう!

周遊船も見ごたえあり!「愛の航路」は2名から出港可能

鹿島は現在、崩落の危険から遊歩道が一部通行止めとなっており、島を一周することが出来ません。通行止め区間には、波の浸食で出来た奇岩や、水晶ヶ浜という美しいビーチがあり、ここがミステリアスな無人島の核心部と言えるだけに、歩いて行けないのは非常に残念です。

しかし、周遊船でなら、これらの景観を見ることができます。時期によっては、前日予約が必要ですが、最少運行人数2人で、料金はなんと大人360円・小人180円ですので、非常にリーズナブルと言えます。詳しくは、下記関連MEMOをご覧ください。

コースは「愛の航路」と呼ばれ、所要時間約30分。上述の「伊予の二見」と呼ばれる夫婦岩も周遊船からであれば、ごく間近に望むことができ、カップルにも非常におすすめです。是非時間をたっぷりとってお出かけください!!

掲載内容は執筆時点のものです。

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