写真:いしい ひい
地図を見るピズモビーチ(Pismo Beach)という太平洋沿いの町は、サンフランシスコとロサンゼルスの中間あたり、セントラルコーストというエリアに位置します。ここは年中温暖な気候と美しいビーチが魅力のリゾートタウン。観光客も地元民も、開放感いっぱいの太平洋の景観を楽しみながら、ピクニックや犬の散歩など思い思いにビーチで過ごしています。
ビーチだから夏がいい?でも実はお薦めしたいシーズンは冬、11月から2月にかけてなのです。
写真:いしい ひい
地図を見る冬の朝早く、「モナークバタフライ・グローブ」という海沿いの木立に人だかりが出来ています。一眼レフの本格的カメラを携えている人も。皆さん、この木立に集まるチョウチョを見ようとしているのです。
初めて訪れる人は、「チョウチョがたくさんいると聞いて来たけど姿が見えない。何故みんな枯れ葉だらけの木立を見上げているのだろう?」と首をかしげます。でも朝の陽射しが差し込み始めた木立を見つめていると、枯れ葉のいくつかがきらりとオレンジ色に輝くのが見えるはず。実は、枯れ葉のように見えたものは全て、チョウチョなのです!
暗いうちは羽のオレンジ色の面を閉じて木に止まり、お互いを温めあうように鈴なりになって眠っていた彼らは、太陽の光を感じると羽を広げ、順に大空へと飛び立っていきます。その数、何千、何万ものチョウチョ。壮観です。
写真:いしい ひい
地図を見るこのチョウチョはオオカバマダラ、通称モナークバタフライ(Monarch butterfly)。ロッキー山脈の西側、遠くはカナダなど北アメリカの各地で涼しい夏を過ごした彼らは、8月か9月になると南を目指します。行き先は、冬でも温暖なカリフォルニア。このピズモビーチには毎年10月頃3万匹ものチョウチョが到着、ひと冬を過ごします。
ピズモビーチには暖かい気候と住処となる木立、そして食糧になるミルクウィードという花の蜜があり、チョウチョにとっては理想的な環境。生物の本能なのでしょう、毎年このピズモビーチの同じ場所に戻ってくるのです。
写真:いしい ひい
地図を見るピズモビーチで暖かい冬を過ごした彼らは、2月頃になると涼しい夏を求めて徐々に北上していきます。モナークバタフライは飛行能力に優れ、あまり羽ばたかなくても気流に乗って遠距離を移動できるそうです。1日に160キロ、合計3000〜4000キロもの大移動。
体長わずか8センチほどの小さな生命に大陸を移動していくパワーがあるなんて、すごいですね!
オレンジと黒と白のコントラストが鮮やかで、まるでステンドグラスのように美しいモナークバタフライ。是非間近で神秘のチョウチョをご覧ください。
写真:いしい ひい
地図を見るモナークバタフライが大好きなピズモビーチは冬でも温暖で、私たち人間にとっても快適な場所。チョウチョの観察地点からビーチまでトレイルが続いているので、観察のあとは海沿いのトレイルをのんびり歩きましょう。
さらにチョウチョの観察地点から北に5キロほど行ったところに、おススメのスイーツのお店が!早朝からオープンしている「オールド・ウエスト・シナモンロール」、1973年創業の人気店です。シナモンの香りいっぱいの店内でほっこりするのもよし、テイクアウトしてお店から徒歩数分のピズモビーチ桟橋で、海を見ながら頂くのもいいですよ。冬でも朝からサーファーの姿が見えます。とてもカリフォルニアらしい風景!
温暖なピズモビーチは理想的な冬のリゾート地です。広大なアメリカ大陸を渡ってきたモナークバタフライに会えるのは、11月から2月にかけてだけ。何万もの美しいチョウが羽ばたくさまは、きっと忘れられない光景になることでしょう。
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(2024/12/12更新)
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